妻は20歳、夫は47歳。その年の差“27歳”の夫婦が、TikTok(@_mitutomo_)でフォロワー30万人以上を獲得する“ともえとみっちゃん”です。
ツイッター(@_tomoe_0722)やインスタグラム(@_tomoe_0722)の発信にもさまざまな反響があり、2022年6月、仲むつまじいツーショット写真と共に「恋愛に年の差なんて関係ないぞ!嫁20歳、主人47歳らぶらぶです」というツイートには、2人の“年の差婚“に対する賛否両論の声が寄せられていました。
それでもなお、笑顔で日常を報告し続ける2人。夫婦のなれそめ、リアルとネットの双方で受けた“年の差婚”に対する意見への思いなどを聞きました。
ともえさんのお母さんと“同い年”
――お2人はそもそも、どういった経緯で出会ったのでしょうか?
ともえ:高校時代に大阪でアイドルグループへ所属していて、主人はグループを追いかけているファンだったんです。ですから、出会いはアイドルのライブでした。
みっちゃん:当時はいろんなアイドルのライブ会場へ通っていて、そのうちの一つのグループの候補生として妻が入ってきたんです。一目惚れでしたね。ファンの僕らへの対応もいいし、顔も好みだったので、握手会などの接触イベントも妻と会うのを目的に通って、ライブ配信でも“アイドルとオタク”の関係のまま、コメントを介して交流を図っていました。
――実際にお付き合いが始まるまでの流れは?
ともえ:主人が私を好きなのはもちろん知っていましたけど、私から「好き」と告白したのは2019年5月でした。でも、正式に付き合い始めたのは私の両親に挨拶へ行った2019年10月です。高校3年生でアイドルを辞めてからでした。もともと、実際に交際するのはアイドルを卒業してからと決めていたんです。
――その後、交際11ヶ月で結婚。ともえさんのお母さんとみっちゃんさんは同い年だそうですね。
ともえ:交際を申し込んだとき、両親はビックリしていましたね。でも、お母さんは私が小さい頃から「ともえが決めた人ならどんな人でも賛成するよ」と言ってくれていたので、動揺しつつも受け入れてくれました。
みっちゃん:最初に「交際させてください」とお願いしたときに、お義母さんから「結婚する気はあるんですか?」といきなり聞かれたんですよ。その場で、驚いて「大丈夫なんですか!?」と聞き返しましたね。でも、結婚できるのであれば、僕もきちんと受け入れる覚悟はありましたから。妻の高校卒業後、僕の住んでいる大分県で同棲を始めて、2020年4月に婚姻届を提出しました。
誹謗中傷をしたのはどんな人?
――お二人とも、たがいのどこに惹かれて結婚へ至ったのでしょう?
ともえ:好きになったら「結婚する気で好きになる」というタイプだったので、何か特別なきっかけがあったわけではなく、そもそも結婚を意識していたんです。出会った当時はアイドルとファンの関係なので、恋愛に発展するとは思っていなかったですけど、仲良くなるにつれて気が合うし、カッコいいなと思うようになり、自然と好きになっていました。
みっちゃん:芸能活動をしていた妻が好きでしたし、そもそもが推しメンでしたから。僕のことを好きになってくれて「ずっと一緒にいたい」と言ってくれたときから、現在の活動も全面的に応援しようと決めていたんです。妻は、アイドルではなくなりましたが推しメンの気持ちも変わらず、彼女の成長を応援していきたいと思います。
――27歳差の年の差婚に対して、周囲からはどんな意見があったのでしょう?
ともえ:友人は「そうなんだ!」とビックリしながらも、祝福してくれました。でも、私の親戚からは「そんな年上の人と付き合って結婚なんて、青春を逃してるよ。もっと考え直しなさい」と言われましたね。そのときは、ケンカになりました。
みっちゃん:アイドルファンの仲間からは、何となく「仲がいいな」と言われていたし、「ともえちゃんもみっちゃんを好きなんじゃね?」とも言われていたので、「やりよったなコイツ……」みたいな反応でした。ネット掲示板など、一部の知らない人たちから叩かれてはいますけど、僕の周囲ではそんなことはなかったです。アイドルファンではない友人は「すげえな」と言ってくれました。
――2022年6月26日に、ツイッターで投稿したともえさんの「恋愛に年の差なんて関係ないぞ!嫁20歳、主人47歳らぶらぶです」という発言がネットで話題になりました。投稿した理由は?
ともえ:特に理由はなく、普段から「私も年の差カップルなんです。2人を見ていると勇気付けられます」といったコメントが来ていて、私にとってはそうした声に応えるための日常的な投稿の一つでした。
――お二人を称える声があった一方、ツイートには年の差婚を批判、誹謗中傷するようなコメントも見られました。
ともえ:SNSを始めたばかりの頃は傷ついていたかもしれませんけど、ハートは強いので、傷つかなかったです。むしろ「やっぱりこういう意見もあるよね」と思いました。拡散されていくうちに、マイナスなコメントがだんだん減っていきました。
みっちゃん:時間が経つにつれて、擁護してくれたり、応援してくれる声が増えていきましたね。批判コメントに返答して、僕らをかばってくださる方もいました。
ともえ:そうそう。結果的に、うれしかったです。
――批判や誹謗中傷をされていた方は、どんな方々だったと思いますか?
ともえ:プロフィール欄を見たら「独身」と書いている方もいましたし、ツイートで「結婚したい」と発言している方もいたので、うらやましさも少しあったのかなと。
みっちゃん:なかには、アラフォーやアラフィフ辺りで、婚活を頑張っている方々もいました。たぶん「私たちがこんなに婚活を頑張っているのに、年の差婚なんて……」と、ひがむ気持ちもあったのかなと思います。
ともえ:でも本当、批判や誹謗中傷はさほど気にしていません。
――「気持ち悪い……」「ドン引き」「年の差婚は犯罪」など、だいぶ辛らつな言葉も浴びせられていましたね。
みっちゃん:付き合っている時点ならで「やめたほうがいい」と言いたくなる気持ちは、まだ分かるんですよ。でも、結婚しているので、そこに対して「結婚をやめたほうがいい」とか言われても「仕方ないだろう」と言い返したいです。
年の差婚ならではのメリットとデメリット
――実際、27歳差で結婚したお二人は年の差婚に対する世間の目をどう思っていますか?
ともえ:主人を好きになるまでは「恋愛対象って何歳まで?」と聞かれても、プラス10歳ぐらいだと思っていました。でも、実際に結婚して考え方が変わりましたけど、違う価値観を持つ人を嫌うのも仕方ないのかなと思っています。だんだん認められていくものでしょうし、世の中にいる年の差カップルのみなさんに先駆けて、私たちが理解を広めていければと思っています。
みっちゃん:恋愛や結婚に年齢差は関係ないと思っています。結婚を報告したとき、何人かは「そんな若過ぎる子を」と言う友だちもいましたけど、僕自身はそう言われたからこそ、妻を幸せにしなければいけないという覚悟も強くなりました。
ともえ:これから先、何十年も添い遂げて「年の差婚は間違いではない」と証明したいです。
――年の差婚ならではのメリットとデメリットは?
ともえ:経験が浅く知らないこともたくさんあるので、主人にいろいろと教えてもらえることがうれしいです。私のインフルエンサーとしての活動も応援してくれていますし、たぶん、同世代だとここまで見守ってくれないと思うんですよね。建築士として働きながら、TikTokやYouTube、インスタグムの撮影に協力してくれますし、家事もめっちゃこなせるので助かっています。デメリットは特に思い浮かばないんですけど、しいて言えば、主人の方が早くなくなる可能性が高いので、子どもができたときの不安があることです。でも、私が覚悟すればいいだけかなと思っています。
みっちゃん:若くて可愛くて、いつもキラキラしていると自慢できるのはメリットです。デメリットは、病院で保険証を見せたときに「娘さんですか?」とほぼ間違いなく言われることかな。付き合いたての頃は、街中で「親子」とか「パパ活」と見られているかなと不安もあったんですけど、さすがにもう慣れました。
「27歳年の差夫婦」のキーワードで妻の認知度が上がれば
――30万人以上のフォロワーを抱えるTikTokアカウント「ともえとみっちゃん」など、SNSで仲むつまじい様子を投稿し続けている理由は?
ともえ:同じ境遇の方々を少しでも励ませればという思いからです。もともとは「芸能界で活躍したい」という夢に向けて、知名度を上げるために開設したアカウントで、二人の日常を漫画化して投稿していたんです。次第に同じ境遇の方々から反響が集まり始めて、毎日、顔出しで投稿するようになりました。
みっちゃん:初めは恥ずかしいので、僕はサングラスをかけて出演していたんですけどね。でも、結婚式の前撮り写真をアップしてからは、恥ずかしさもなくなりました。今では「ともえとみっちゃん」として認知してくださっている方々もいますけど、妻を応援したい気持ちが一番です。「27歳年の差夫婦」のキーワードによって、妻の認知度がもっと上がればいいなと思っています。
――お二人の同じ境遇の年の差カップル、年の差婚を夢見る方々へメッセージをお願いします。
ともえ:相手を好きな想いと、将来への不安の間で戦っている人たちは多いと思うんです。でも、同じ境遇の仲間はたくさんいますし、SNSで交流を図りながら「たがいに頑張りましょう」と伝えたいですね。年の差がネックで好きな人に告白できないケースもあると思いますけど、たがいに好き同士であれば、周囲の目は関係ないですから。好きな想いを伝えるのはけっして悪いことではないですし、自分の気持ちに素直になるのが一番だと思います。
みっちゃん:僕は、男性側に伝えたいです。同じ境遇で「相手の親に認めてもらえるのか」と不安を感じる方もいると思いますが、年上側であれば、相手のご両親に対して、誠心誠意をもってお願いするしかないと思っています。相手の周囲の人たちからも「何だ、あんな奴と付き合うなんて」と思われないよう、自分を磨いていくのも大切です。普段の生活も仕事も、あらゆる面で認めてもらうために努力を重ねていってほしいです。
<取材・文/カネコシュウヘイ>