『デイリー新潮』が8月16日に配信した、自民党・生稲晃子参議院議員に関する記事が物議を醸している。
先の参院選前に同じく自民党・萩生田光一(現・政調会長)衆議院議員が、生稲氏を伴って旧統一教会の関連施設を訪問していたというのだ。同記事では萩生田氏と教会の密な関係と共に、生稲氏への“支援”要請についても触れている。
ご存知の通り、生稲候補は見事に東京選挙区で60万票以上を集めて5位で初当選。4位の立憲民主党の“顔”蓮舫参議院議員に迫る、新人とは思えないほどの強さを見せた。
「生稲さんの事務所は記事内で、《スタッフが相談して》の教会訪問と萩生田氏との同行を認めているのですが、スクープがテレビや全国紙、通信社でも追って報じられると、事がこれ以上大きくなる前に手を打ったのでしょう。翌17日にコメントを正式発表したのです」(ワイドショー・ディレクター)
生稲事務所によると、あらためて施設訪問は《事実です》と認めながらも、萩生田氏に“連れられた”ことには触れず、《新人の立場なので、より多くの方に政策を聞いていただきたいという思いで、スタッフが判断した》と回答。さらに、
《生稲本人は今までご指摘団体及び関連団体との関わりは一切なく、この件以外に団体及び関連施設へ訪問した事もない》と、旧統一教会と関わったのはこの“一件”のみであることを強調したのだった。
スタッフが相談、スタッフが判断
先のディレクターは「仮に記事内容に誤りがあったのならば抗議するのは当然」としつつも、どこか納得がいなかない様子。
「同教会に支援を要請した事実はない、選挙への影響もない、と生稲さんの“潔白”を印象付けるためのコメントに見えますね。そして気になるのは“スタッフが相談して、スタッフが判断した”との人任せで、いずれも彼女本人の意思が見えてこないこと。
せめて“生稲晃子”の署名で、事務所の見解ではなく本人の言葉、コメントとして発表するべきだったのかなと。これでは国民を代表する政治家の存在感は出ませんし、いつまでも資質を問われ続けますよ」
たしかに選挙前より、政治家としての資質を問う声は多々聞こえていた。特に、投開票が行われた7月10日放送の『池上彰の参院選ライブ』(テレビ東京系)で、総合司会の池上彰氏から受けた“猛口撃”は記憶に新しい。
「生稲さんに“ぜひ、この番組に出演していただきたい”とお願いをしたんですが、この番組だけでなく全てのテレビ局のインタビューに応じてはいただけないという結果になってしまいました」
さもテレビ出演を拒否したかのように伝えられると、生稲氏の選対事務所は翌7月11日、彼女の公式ツイッター上に池上氏、番組プロデューサーに宛てた“抗議文”を投稿。《貴社のメディアとしての姿勢を疑わざるを得ません》などと、番組を放送したテレビ東京を強く批判したのだ。
聞こえてこない「本人の生の声」
「要するに、生稲さん側は選挙後の支援者回りを優先していて、またマスコミ各社の共同インタビューには答えていることから、個別の対応はしないというものでした。しかし、この抗議文でも出てきたのは《広報担当者間で協議》の文言。ご自身の責任のもとで、政治家として取材を断る“判断した”、また抗議文も出した、とすればいい。
どうも、“元おニャン子のアイドル政治家・生稲晃子”の虚像ばかりが表に立って、国会議員として“国をよくしたい”という本人の熱意が伝わらない、生の声が聞こえてこないんですよね」(前出・ディレクター)
8月3日の初登院の際も、大勢の報道陣やファンが待ち構える国会議事堂・正門を避けて、北門からひっそりと登院していた生稲氏。
それでも取材陣から声をかけられると「一日一日を大切に一生懸命働いていきたいと思います」と国会議員としての意気込みを語り、「(先輩議員の)先生方に教えていただけることは教えていただきたい」と勉強する姿勢をのぞかせていた。
旧統一教会の施設訪問も、頼りになる先輩・萩生田氏からの教えだったのだろうか。