テレビ、YouTube、CM業界などの放送作家として、数々のコンテンツを作り出してきた澤井直人(32)。今、ほかの誰よりも「人間」に興味がある平成生まれの彼が「今、話を聞きたい!」と思う有名人と対談する、好奇心と勢いだらけのインタビュー企画『令和にんげん対談』が始動!
第2回のゲストは、松本人志や麒麟・川島明のモノマネでブレーク中、お笑い芸人のJP(39)。彼の実家はなんと、澤井の妻の実家とご近所さんだというから驚き! 澤井と不思議な縁で繋がったJPの松本人志への深すぎる愛情や売れるまでの葛藤、独自のモノマネ論など“にんげん”的な部分を澤井が深く掘り下げる。今、いちばん勢いのあるモノマネ芸人・JPの怒涛のトークは必読です!【前編】
澤井直人(以下、澤井)「僕の実家は滋賀なんですけど、妻も滋賀で東近江のほうでして。嫁さんの実家の近所を散歩していたら“ここがJPさんの実家だよ”って急に教えてくれたんです(笑)」
JP「走れば30秒、ゆっくり歩いて2分くらい。犬の散歩なら5〜6分くらいの距離かな(笑)。同じ地域だから小学校も同じで、奥さんと一緒に集団登校もしたことだってありますから。僕が年上だからリーダーとして誘導なんかしたりね」
麒麟・川島の代役で番組出演
澤井「お母さん同士の仲がいいらしいですね。JPさんのお母さんから、よく野菜をいただく、っていう話も聞きましたよ」
JP「うちの家族は近所の方や仲のいい人たちに野菜を贈るみたいです(笑)。“あげ癖”があるみたいで」
澤井「尊敬する大先輩の作家さんにお声がけ頂き、『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』(フジテレビ系)の作家を昨年からお手伝いさせて頂いているんですけど、オーディションに来られた時にJPさんを拝見して衝撃的だったのは、たくさんのネタを用意されていたことです。普通の芸人さんが持ってくるネタの相場ってだいたい2〜3個ですけど、JPさんは毎回新ネタを5つ以上は披露されていましたから」
JP「『細かすぎて』はモノマネ芸人がいちばん出たい番組。でもどうやって出るのかがわからなかったから、初めて出られた時の快感はものすごかったですね〜。やっぱりね、オーディションに受かった時のエクスタシーはめちゃくちゃテンションが上がるんです! “出てやった!やったぞ!”って。『細かすぎて』が“俺はこれがおもろいと思う”というネタをできる唯一の番組だと、僕はそう思ってます」
澤井「JPさんは麒麟の川島さんのモノマネもお得意ですよね。今年1月に放送された『ラヴィット』(TBS系)にも代役として出演されていました」
JP「昔、漫才をやっていた時期があって、その時から川島さんのモノマネをやらせて頂いていたんです。でも、最近の川島さんはMCの立ち位置での露出が多いので、番組を1人で回す川島さんのモノマネにアップデートしました。でも“番組自体を見てない”といった理由で全然ウケなくて……。
そんな中でモリタク!っていうモノマネ芸人が発案した企画で“川島さんのモノマネをやってくれませんか”というオファーがきまして。川島さんのテンポでブワッとまくし立てるように話すから難しいしセリフ量も多くて難しかったんですけど、後輩に頼まれたら、そりゃやりますよね」
関西時代は「結構モテました」
澤井「あの背景にそんなことがあったんですか!」
JP「“このネタだったらOK!”ということで川島さんのネタでも出演できたんです。しかも、そのモノマネをたまたま『ラヴィット!』のプロデューサーが見てくださっていたそうで、今年1月に番組に呼んで頂くことになったんです。
グルメロケだったんですけど、その時の出演がきっかけで今度は2月頭に川島さんが新型コロナに感染された時に、
澤井「なるほど〜! すごいタイミングですね!」
JP「世間的には“JPは松っちゃんしかできない”っていう認識だったのが“え、川島さんもできるの!?”っていう。右ストレートからのフックみたいな感じで、わずか1週間でイメージが変わったというか。“どんだけマジカルショット打つねん!”って」
澤井「世間がJPさんに対する注目が集まっている中で、経歴を調べさせて頂いたら、大阪のNSC(吉本総合芸能学院)や声優の養成所にも入所されていたんですね」
JP「当時はモノマネ=声優かなって思っていたんです。でも声優は当然、声のお芝居なのでなんか違うかなと。その後にNSCの27期生として入所したのですが、師匠のモノマネが中心でしたね。笑福亭鶴瓶師匠とか桂南光師匠、フランキー堺さん、藤田まことさん、所ジョージさんとか」
澤井「当時からモノマネをやられていたんですね。漫才やコントをやろうと思ったことはないんですか?」
JP「ありましたよ。関西でモノマネをやるのは物珍しいらしくて、色々な人が“相方になりたい”って結構モテました。その中の1人とコンビを組んだんですけど、相方はただ横で僕にモノマネを振るだけ。“◯◯する中田カウス師匠”とか言うだけで、漫才でもなんでもなくて(笑)。
だから結局うまくいかなくて解散しちゃいました。楽屋にいる師匠とか関西ローカルで見る芸人さんとかじゃなくて、例えば松田聖子さんとか木村拓哉さんとか美空ひばりさん、矢沢永吉さんみたいな、日本中の誰もがスーパースターだと思っている方をモノマネすることが大事なんだなって。そういう文化はやっぱり東京だったので上京したんです」
澤井「上京された後は『ワタナベエンターテインメント』の養成所に入られたんですよね」
JP「NSCは“こんなやつのネタで笑うもんか”って言う軍隊みたいな雰囲気もありましたが、ナベプロは大学のサークルみたいな感じでギスギスせずにみんな和気あいあいしてましたね。
でもモノマネ1本でやっていくにはナベプロじゃないと思って辞めて、そこからはずっとショーパブでショーリーダーをやっていました。その頃が35歳ですがにっちもさっちもいかないし、正直夢破れかけていたのですが、そんな時に今の事務所にスカウトして頂いたんです。俳優がメインの事務所なのに、当時無名だった僕を入れて頂いて、感謝の言葉しか見つかりません」
反町隆史からのひと言
澤井「JPさんのプライベートな部分って、まだ全然イメージがつかないんですよね。普段はどんなことはされているのかなと。今はお忙しいでしょうけど、仕事以外の時間にどんなことをされていたり、趣味などは?」
JP「プライベートを隠しているつもりは全然ありませんよ(笑)。何なら表に出したいくらい。趣味という意味では、ありがたいことに、いろいろとお仕事につながっている感覚はありますね。
ポケモンがすごい好きなんですけど、ポケモンのことを取り上げる『おはスタ』(テレビ東京系)にレギュラー出演させて頂いたり、ポケモンの全国ツアーで司会者として出させて頂いたりとか。
あとジブリも大好きなんですけど、11月に名古屋でオープンするジブリパークのお仕事に関わったり、とてもありがたいです。ワンピースも好きでアニメの特番で《ワンピース芸人》として出して頂いたりも」
澤井「僕たちの故郷、滋賀で今後仕事をしていきたいなどの願望はありますか?」
JP「もちろんありますよ! やっぱり故郷に還元したいというか。先日も『秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系)に出させていただきましたが、最近は“滋賀って何もないやん”から、大河ドラマのロケ地になったり、おしゃれなカフェができたり、映えスポットみたいなところもあって若者の街になりつつあるんです。そういった魅力をイベントなどで伝えていきたいと思いますね」
澤井「僕も滋賀で大きなお笑いフェスみたいなことができたらいいなと思っていて。世界記録が琵琶湖で生まれているほどバス釣り界では聖地です。反町隆史さんがバス釣りのために別荘を持っていらっしゃるのは有名ですしね」
JP「反町さんはまさに同じ事務所です(笑)。一般の方からしても、滋賀といえば反町さんの別荘っていうほど。元々は滋賀の方ではないけど、滋賀に別荘を作って頂いたって親近感が湧きますし、嬉しいことですよね」
澤井「反町さんとお会いされたことは?」
JP「1度だけあります・事務所でYouTubeの撮影をしていたら部屋を覗いてる人がいて、“誰やねん”って思ってたら反町さんでした(笑)。すぐに挨拶しに行ったら、“今度、僕のモノマネやってください”っておっしゃってくださいました。“ポイズン!”なんて簡単にモノマネできませんけど(笑)。とりあえず、すぐ帰ってジャワカレー食べました」
【松本人志との秘話、モノマネの作り方、売れるまでの葛藤…。必読の後編はコチラ】
■JPワンマンライブ
『劇場版モノマネモンスター JPの逆襲evolution』
[日時]
2022年9月10日(土)
・第一部 開場12:45 / 開演13:30
・第二部 開場16:15 / 開演17:00
[会場]
新宿FACE
(東京都新宿区歌舞伎町1-20-1 ヒューマックスパビリオン新宿歌舞伎町7F)
【チケット情報】
○イベント・チケットの詳細は公式サイトでご確認ください。
[公式サイト]
http://ken-on.com/monomanemonster/
●澤井直人
テレビ、YouTube、広告などの放送作家として活動。2022年より対談作家の道へ。『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ(フジテレビ)』、『タクシー運転手さん一番うまい店に連れてって!(テレビ東京)』、『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの!?(日本テレビ)』、『高校生クイズ2022(日本テレビ)』、『ダウンタウン vs Z世代 ヤバイ昭和 あり?なし?(日本テレビ)』などを担当。
https://twitter.com/onaona525(Twitter)
https://www.instagram.com/gui_nao1990/(Instagram)
(取材・文/綾部和也) (撮影/廣瀬靖士)