8月13日、野外ロックフェス『RISING SUN』に出演した藤井風のステージが話題を呼んでいる。
「新型コロナウイルスに感染し出演できなくなったシンガー・ソングライターのVaundyの代打として登場。深夜1時にもかかわらず、YouTubeの生配信の視聴者は20万人を超える盛況ぶりでした」(音楽ライター)
昨年の『紅白歌合戦』にサプライズ出演したことで、幅広い世代から支持を集める藤井。最新曲『まつり』のMV(ミュージックビデオ)は、YouTubeで1000万回再生を突破するなど破竹の勢いを見せているが、その人気は地元にも大きな経済効果をもたらしている。
「人口1万人ほどで、岡山県で2番目に小さな里庄町出身なのですが、タクシー会社が行う聖地巡礼ツアーを利用するファンが増えています」(地元メディア関係者)
このツアーを実際に利用したという女性から、話を聞くことができた。
「昨年から、藤井さんゆかりの喫茶店やMVのロケ地を巡るファンの方はたまに来ていたそうですが、『紅白』出演の後に急増し、年明けから本格的に“聖地巡礼ツアー”を始めることにしたそうです。非公認のツアーながら利用するファンが全国から来ていて、運転手の方は“藤井風さまさまだよ”とすごく喜んでいましたね」
“町おこし”に一役買った藤井
昨年リリースされ、ドラマ主題歌にも起用された『旅路』のMVのロケ地で使われた公園や、実家が営んでいた喫茶店の跡地のほか、彼のサインや写真が展示されている町役場や郵便局などを約1時間で巡り、料金は4000円ほどだったという。
改めてタクシー会社に反響について聞いてみると、
「県外からお越しで土地勘のないファンの方にも喜んでいただけるよう聖地へのご案内を始めました。里庄町は有名な観光地があるわけでもなく、コロナ禍で地元のタクシー利用者が減っていたところだったので、藤井さんのファンの利用が増えて会社としてかなり助けられています。多い日は1日3組ほど利用いただいており、夏休みに入って再び増加しています」(里庄タクシー)
彼のサインポスターなどを展示する里庄町役場も、経済効果を実感しているようだ。
「町のキャラクター“里ちゃん”のグッズ売り上げは2020年は3万1000円でしたが、2021年は125万8000円になりました。これまで原子物理学の父ともいわれる仁科芳雄博士の遺品類を展示する仁科会館や、藤井さんのMVロケ地の1つであるつばきの丘運動公園といった施設をPRしてきましたが、藤井さんがブレイクされる前の観光客はそれほど多くはなかったと思います。初対面の方に“風さんのふるさとですよね”と言っていただけることが増え、里庄町の知名度向上につながっていると感じます」(企画商工課担当者)
マナーを守った観光を呼びかけ
また、こんなお願いも。
「多くのみなさまが里庄町を訪れてくださり、感謝しています。一方で、住宅地で大きな声での会話、路上駐車や個人の家の敷地内に入るなどの行動も見受けられます。どうぞいま一度、マナーを守った観光をしていただければと思います」(同・担当者)
藤井の事務所に、聖地巡礼ツアーの反響について問い合わせをすると、
「ツアーが公式なものではないため、お答えしかねます。藤井風に関しましては、地域に固執せず、音楽で世界中の方々のお力になれるような表現を目指して活動させていただいております」
今や世界中から注目を集める藤井。地元は大スターの活躍でお“まつり”騒ぎになっているようだ。