南海キャンディーズ・山里亮太(45)に娘が誕生した。母親は2019年に結婚した蒼井優(37)。「美女と野獣」カップルとしても話題になった。
山里亮太「娘ができました」
自身がMCを務める生番組『土曜はナニする!?』(フジテレビ系)では「娘ができました」とあいさつ。
「私事の極みでございますけども。でき愛してますね」
と語った。とりあえず、おめでたいニュースだ。が、なぜ、とりあえずなのかというと、芸人にとってこうした出来事は諸刃の剣だからだ。
あの明石家さんま(67)ですら、大竹しのぶ(65)と結婚した直後は失速した。その後、離婚して「バツイチ」という言葉を生み出し、勢いを取り戻したものの、今でも娘のIMALU(32)について話すときは全然面白くない。結婚や子どもの誕生は、芸人を凡人に変えてしまいがちなのだ。
山里についても、似たことがいえる。
独身時代は「非モテキャラ」を武器に「たとえツッコミ」を駆使した毒舌で独自の芸風を確立。しかし、人気女優をモノにしてしまったことで「非モテ」のイメージが揺らいでしまった。
『土曜はナニする!?』でも髪型の変化を指摘され、
「最近の竹内涼真さんを意識してます」
と、キメ顔をつくってボケてみせたが──。誰もツッコまなかったせいで、笑いは小さかった。彼を「非モテ」でいじることに周囲が躊躇してしまうのだろう。まして、最近は容姿をちゃかす笑いが避けられがちだったりもする。
何より心配なのは、山里本人のモチベーションの低下だ。
結婚の前年に出版された自伝『天才はあきらめた』によると、彼の原動力は「モテたい」という執念。本の中には「モテ」という言葉が20回も出てくる。そのために「たとえツッコミ」の腕も磨いたし、女性に近づく話題作りの目的で手相教室に通ったりもした。彼いわく「確実に手は触れるんでお得」なのだそうだ。
ちょっとキモいが、その執念がしずちゃんこと山崎静代(43)という最高の相方に巡り会わせ、ひいては蒼井との結婚にもつながったわけだ。
つまり、過剰なまでの「モテたい」が彼を非凡な芸人にしていた。このままだと、凡人化してしまうのが心配だ。
では今後、彼がどういうものを目指せばいいかというと、非モテキャラから大化けした芸人にタモリ(77)がいる。ただ、山里は昔からアンチに「必死すぎて笑えない」とも言われてきたので、タイプ的には真逆だ。
また「モテたい」をこじらせて、唯一無二の存在感を醸し出すにいたった片岡鶴太郎(67)のような人もいる。が、似ているのはむしろ、役者をやったりボクシングや絵をやったりしているしずちゃんのほうかも。あるいは、南海キャンディーズふたり合わせて鶴太郎的というべきか。
なお、山里をライバル視しているのがオードリーの若林正恭(43)。前述の『天才はあきらめた』では解説を担当して、誰よりも「コメントを拾うのがうまい芸人」だと絶賛している。そして、こんな予言的なことも。
《彼が、愛をさらに膨らまし伴侶を見つけでもして、人情系あったかMCになるのがぼくは怖い》
ふと、笑福亭鶴瓶(70)の顔が浮かんだが、その道もそう簡単ではない。
自身のラジオでは、スマホの待ち受け画面を早速、娘の写真にしたと明かした山里。結婚相手が人気女優でなければ、そこも「キモい」といじってもらえたかもしれない。
なまじ「非モテキャラ」がよくできていた分、そこからの転換は意外と難しいのだ。