『SUMMERSONIC2022』の思い出を振り返るONEOKROCKのTaka

 2022年8月20~21日に開催されたロックフェスティバル『SUMMER SONIC 2022』で、ロックバンド・ONE OK ROCK(ワンオク)のボーカル・Takaのステージ上での振る舞いが炎上騒ぎになっている。

 ワンオクは20日に大阪、翌21日には東京のステージに出演。Takaが客に語りかける動画がネット上で複数拡散されている。本来は撮影が禁じられているが、SNS上にアップされてしまうのもフェスの風物詩といったところか。ファンに向かって彼はこのように切り出したという。

「前のアーティストのメーガン(MEGAN THEE STALLION)でもあんだけ声出してたんだから、いくら出したって関係ねぇだろこれもう」

 その言葉を受けて会場のボルテージは上昇。そしてこう続けたのであった。

「どのフェスも出禁覚悟でやってるから」

俺は今回のこの夏フェスの前に、どのフェスも出禁覚悟でやってるからお前ら覚悟しとけよ、という宣言をして参りました。謝るから俺が、最後もし怒られたら。お前らひと夏の思い出、最高の思い出にして帰ってくれよ! よろしくお願いします

 動画にはTakaの煽りを受けて天に腕を突き上げる観客の様子も映し出されている。ライブでは「知ってたら歌ってください」と声出しを煽る場面もあったという。

 この物議をかもす行動について、ネットニュースのコメント欄では、ワンオクのステージパフォーマンスに対し冷静な批判の意見が散見されている。

《主催側が決めてルールを守るということで出演したのではあれば、ステージに上がってからそれを破るのは違うと思います。まずはフェスではなく、自分達で全てをコントロールできるワンマンライブから試したらよかったのでは》

《“他の出演者もやってたから”っていうのは煽りや雰囲気からのものでもあったかもしれないけど、フェスが終わって冷静になってみたら子供みたいでかっこ悪いって感じたりしないのかな》

 なぜこのような行動をとったのか。

HYDEは「声が出せないのは寂しいけどルールは守れ」 

一連の“煽り”についてTakaはMCで、「きっとこの中には(声出しを)“止めて~”って思ってる人もいると思うんだよね。ごめんね、でもこれが俺らのやり方なんだ。お付き合いください」と弁明している。

 サマーソニックの公式HPにあるガイドラインには『大声・歓声禁止』とルールが明記されており、『飛沫感染防止のためライブ中の歓声・大声での会話・コールアンドレスポンスなどは禁止といたします』とあるはずだが──むろん出演者が知らないはずはない。今年6月のインスタライブでも会場を「煽る」と話していたが、まさに宣言通りの動きをしていたことになる。

 ワンオクの炎上を受けて、同フェスに出演していたある“大物アーティスト”の株が跳ね上がっている。きっかけとなったのはある観客がツイッターで発したつぶやき。

HYDEが「声が出せないのは寂しいけどルールは守れ、不安な人の隣で騒ぐのはダサい、 今いるそのスペースは3年かけて君らが勝ち取った場所だろ?有効活用しろ」って言ってたのめちゃくちゃ良かったし、今日わたしが観たいろんなステージでHYDE客が一番暴れてて最も静かだった。正直ちょっとびっくりした

アーティストとして交流のあるHYDEとTaka(Takaのインスタグラムより 2019年)

 HYDEとはもちろんL’Arc〜en〜Cielのボーカルのこと。20日の東京会場にソロで出演した彼のステージ上でのMCを記した同ツイートは現在7.4万ものいいねがついている。

 実際にライブを最前列で鑑賞したという30代男性は当日の雰囲気についてこのように話す。

「ジャンプしろ!」「回れ!」

「会場には感染対策のために碁盤の目のように50センチ×50センチのマス目が足元にあり、各人がその中に立つことで距離をとるという取り組みをしていました。HYDEは何曲か歌ったのちにMCで『騒ぎたいのもめちゃくちゃわかるぜ!!……けど、(コロナが)怖いけどライブに来てくれている人もいる』と、マス目の中で思い思いに暴れるよう促したんです。カメラを鷲掴み、顔がドアップの状態でのアツいMCはまるで演説のようでした。僕を含めて客はみんなその言葉に共感し、聞き入っていましたよ」

 そんなHYDEのステージはどのような雰囲気だったのだろうか。

サマソニで客を沸かせるパフォーマンスをみせたHYDE(本人インスタグラムより)

歓声をあげることなく、マスの中で存分に楽しんでいました。曲の間でHYDEが『ジャンプしろ!』『回れ!』と煽ると皆、暴れたりして。ドラムセットを破壊したり金属バットは出てくるわで最高にロックなライブでした。声が出せないといった制限があるなかでここまで盛り上げられるあたり、さすがHYDEと言わざるをえませんね」(同・会場を訪れた男性)

 炎上を受けたTakaは22日にインスタを更新。自身の“煽り”パフォーマンスが物議を醸している件について、「会場にいた人達には僕の気持ちは伝わってると信じてる。でもいいわけはしません。嫌な気持ちにさせてしまった人達へ。ごめんね」と投稿している。

 ライブの明暗くっきりといったところか。

 
アーティストとして交流のあるHYDEとTaka(Takaのインスタグラムより 2019年)
炎上を受けて「嫌な気持ちにさせてしまった人達へ。ごめんね」と綴ったTaka(本人インスタグラムより)

 

 

サマソニで客を沸かせるパフォーマンスをみせたHYDE(本人インスタグラムより)
映画『moonchild』で共演したHYDEとGACKT(2002年)