9月1日は「防災の日」。危険や緊急を示すサインの多くは赤い色のイメージの中、「非常口の誘導灯の色」はなぜ緑と白なのか?知って楽しい、おもしろ雑学をお届け。
Q. 非常口の誘導灯はどうして緑色なの?
A. 火災が起きた際に赤い炎の中でも見つけやすくするためです(青木防災株式会社 消防設備士 青木俊輔さん)
9月1日は「防災の日」。これは1923年9月1日に発生した関東大震災にちなんだものだ。何が起こるかわからない世の中、すぐに逃げられる準備をしておきたい。そこで素朴なギモンなのが「非常口の誘導灯の色」。危険や緊急を示すサインの多くは赤い色をしているイメージがあるが、非常口のマークはすべて緑と白。これはなぜ? 消防設備のプロ、青木俊輔さんに伺った。
「火災が起こったとき、赤い炎のなかでいちばんくっきり見える色が緑色だからです。緑と赤は互いが互いの色を際立たせる補色という関係にあります。そのため、燃え盛る炎のなかでも見つけやすいのです」(青木さん、以下同)
たしかに火災が発生して、冷静さを失っているときに、炎のなかで赤い光を見つけるのはムリだろう……。さらに、非常口のマークには色以外にも判別しやすくする工夫がされている。
「もともとは、人が走っているデザインではなく『非常口』と文字で書かれているだけでした。文字だけでは煙に紛れて目立ちにくい。
これが問題視されたのが1972年に起きた『千日デパート火災』や、翌年に起きた『大洋デパート火災』という昭和の大規模火災です。非常口を見つけられないことが原因で多くの死者が出たため、目立ちやすく誰でもわかる現在のデザインが考案されました」
日本のデザイン案はわかりやすいと、国際規格にもなっている。日本で生まれたデザインが今日も世界中で人びとの命を守っているのだ。