米大リーグ・エンゼルスで活躍中の大谷翔平。その周囲がまた騒がしくなっている。
「日本時間8月24日にエンゼルスが球団の売却を検討していると発表しました。オーナーのモレノ氏は'03年にウォルト・ディズニー社からエンゼルスを買収。その後、アメリカン・リーグ西地区で5度の地区優勝を飾るも'14年を最後にプレーオフから遠ざかり、低迷。今季も苦戦しています」(スポーツ紙記者)
今年トレードされる可能性は低い
シーズン終盤に飛び込んできた衝撃的なニュース。これには複数の事情が絡んでいる。
「'20年にエンゼル・スタジアムと周辺の土地をアナハイム市から総額3億2000万ドル(約438億円)で購入することで合意していましたが、今年5月に当時の市長の汚職が発覚。白紙になりました。また、現在の球団の資産価値はアメリカの経済雑誌『フォーブス』によると推定22億ドル(約3000億円)。大谷選手などのスター選手が在籍し、価値が高まっている今が売り時です」(同・スポーツ紙記者)
球団売却で気になるのは、大谷の去就。放出に反対していたモレノオーナーが去ることになり、移籍報道も過熱しているが、スポーツライターの梅田香子さんはこう話す。
「今年のオフにトレードに出される可能性は低いです。大谷選手はスター選手。いるといないとでは球団の価値は違ってきます。シーズン中のトレードを球団が断ったのも大谷選手がいるエンゼルスを売るためだと考えると納得できます。新しいオーナーがどのタイミングで決まるかにもよりますが、すぐに放出ということは考えにくいです」
FAの場合はメジャー最高年俸も
来シーズンが終わるとFA(フリーエージェント)となり、全球団と交渉可能。その前に大型契約を結ぶ選手もいるが、大谷はどうなのか。
「球団が複数年契約を打診する可能性はありますが、オーナーによって球団の考え方は変わってくるので、大谷選手は簡単には受け入れないと思います。オーナーの離婚騒動に球団が巻き込まれたケースや、年俸を抑えるため優勝直後に主力選手を放出するなど、悪評の高いオーナーもいるので、まずは1年契約で様子を見るのが妥当です」(梅田さん、以下同)
その後に移籍するかどうかはチーム成績によって変わる。
「チームが優勝争いに加われていないと、優勝を狙う上位球団からオファーが来て移籍する可能性が高いです。反対に優勝を狙えるほどエンゼルスが強くなっていれば、来オフにFAの権利を得ますが、勝ちへのこだわりが強い大谷選手は残留する可能性も高い」
ベーブ・ルース以来、104年ぶりの2桁勝利&2桁本塁打を達成。2年連続のMVP候補にも挙げられているが、年俸はどうなるのか。
「現在の大谷選手の年俸は550万ドル(約7億円)。来季は3000万ドル(約41億円)と予想する現地メディアも。FAとなれば現在のメジャー最高年俸の4330万ドル(約59億円)を超えるといわれています。あとはエンゼルスがお金を出すかどうか。新オーナーの意向にかかっています」(前出・スポーツ紙記者)
ファンが待っているのは勝てるチームでの“SHOW TIME”。良いオーナーに巡り合ってほしい。
梅田香子 スポーツライターとして、野球のほかフィギュアスケートやバスケットボールなど多くのスポーツに精通。現在はアメリカに在住し、大リーグを中心に取材活動を行う