《郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性がある事》
《立ち居振る舞いが不安定かつユニークである事》
《愛すべき、ゆるさ、を持ちあわせている事》
“ゆるキャラ”――町おこしなどのイベントやキャンペーンに登場するマスコットキャラクター。主だったゆるキャラは“ご当地キャラ”であり、『くまモン』や『ふなっしー』など多くのファンを獲得したゆるキャラもいる。
ゆるキャラの命名者であり、その存在を世に広めたのは漫画家・エッセイストのみうらじゅん。冒頭は彼が設けた『ゆるキャラ三カ条』である。しかし今、この三カ条に見合わない“ゆるくない”ゆるキャラの振る舞いが物議を呼んでいる。
共演者の田中みな実の身体を舌で触り続けて……
問題となっているゆるキャラ『サイケ・デリーさん』は、高円寺商店街連合会の公式キャラクターだ。
「'14年に高円寺商店街連合会が街の発展のために公式キャラクターのデザインを募集。みうらじゅんさんを審査委員長とした審査会によって公式キャラに選ばれました」(スポーツ紙記者)
サイケ・デリーさんはインド人のようなターバンを被り、ヒゲを生やしたキャラ。ゆるキャラ提唱者であるみうらじゅんが、高円寺を“日本のインド”と称したことから、インド風のキャラとなったのだろう。サイケ・デリーさんは、口から飛び出た長い舌が特徴。そして《舌でペロペロしてもらうと幸せになれるデリ〜》という“キャラ設定”だった。
問題となっているのは、この“舌”だ。ツイッターの一般ユーザーによるサイケ・デリーさんのテレビ出演時の振る舞いを問題視する投稿がきっかけとなった。投稿には動画が添付されていた。その動画で、サイケ・デリーさんは共演者の田中みな実の身体を、幸せになれるという理由で舌で触り続けている。箇所は主に腰回りで、それはときに局部付近にも及んでいた……。
出演したテレビ番組は、'18年8月6日放送の情報バラエティ『ひるキュン!』(TOKYO MX)。数年前の出来事が掘り起こされ、拡散されるのは、まさにネット時代、SNS時代といったところか。しかし、「なぜ今さら」で済む問題でもないだろう。
「ゆるキャラには当然、“中の人”がいるわけです。舌を器用に動かしていますが、それを動かしているのは、“中の人の手”でしょう。中の人が男性なのか女性なのかわかりませんが、異性だろうが同性であろうが、 “気持ち悪い”、“セクハラ”だととられても仕方のない振る舞いであったと思います」(テレビ誌ライター)
案の定、ネットでは「セクハラ」「キモすぎ」「後ろドン引き」など批判の声が相次いだ。
“反省の色ナシ”のリツイート
週刊女性PRIMEは、サイケ・デリーさん公式ホームページより、8月16日14時53分に今回の件で批判の声が上がっていることに対しての見解を問い合わせた。すると同日19時30分にお詫びのツイートがサイケ・デリーさん公式ツイッターに、『サイケ・デリーさん運営スタッフ』名義で投稿された(こちらからの問い合わせに対する返答は、再度問い合わせたがなかった。また前出の“コピー”は、現在、ホームページにはなくなっている)。
《この度ツイッターに投稿されたサイケ・デリーさん出演動画により、不快な思いをされた方々にお詫び申し上げます》
《該当の動画2018年放映のTV番組の出演シーンの一部を切り取られたものです》
“行為”については、《台本があるもの》《番組の出演者、関係者の方は流れを把握しております》としたが、《今後の方向性については、慎重に検討を重ねて参ります》と、今後のサイケ・デリーさんの“舌”を改めることも検討されるような文面もあった。
「今回の件で、批判の声が大きくなったのは、サイケ・デリーさんがツイッターにて、騒動の発端となった一般ユーザーのツイートを悪びれる様子もなく引用リツイートしたことも理由の1つでしょう。つまり、その時点では悪いこととは思っておらず、まったく“反省の色ナシ”という様子であったことでより拡散された印象です。引用リツイートは現在は削除されていますが、その後の“お詫び”だったのは悪手だったのでは」(同・テレビ誌ライター)
コンプライアンスなどで表現を規制しすぎるのも問題という声はある。しかし、立場や意見が違っていたとしても、批判が上がっているのであれば、それに対しては真摯に対応すべきだったのではないか。
ルックスが“ゆるくない”ことは問題ではないが、行為がゆるくないゆるキャラでは……。