夏の“風物番組”『24時間テレビ』(日本テレビ系)が、今年も8月27日から28日にかけて放送された。
「『両国国技館』で、3年ぶりに観客を入れての開催となりました。感染対策の観点から、昨年と一昨年は中止されていた名物企画のチャリティーマラソンも復活。ランナーを務めたのは、EXITの兼近大樹さんでした」(テレビ誌ライター、以下同)
今回の放送で瞬間最高視聴率28・9%を記録したのは、兼近が100kmを完走した後、出演者たちとお決まりの『サライ』を歌い始めた場面だった。
昼なのに泣かせた応援団たち
「“ギャラをもらって走るのがチャリティーなのか”“猛暑のマラソンは危険”などの否定的な声も以前から上がっている24時間100kmマラソン企画ですが、お茶の間の関心は高いといえます」
ゴールシーンさながらの感動を与えていたのが、兼近が74km付近を超えたころに披露された“エール”だった。
「日本テレビ系のバラエティー番組『THE 突破ファイル』で兼近さんと共演している内村光良さんやサンドウィッチマン、錦鯉などが、学ラン姿の応援団員に扮して熱い声援を送りました」
応援楽曲を“兼近バージョン”に替え歌し、声を張り上げながらパフォーマンスを披露する様子が映し出されると、
《内村さんサンドさんたちが全身全霊の超全力応援!! これは感動だよね》
《内村応援団最高すぎて涙止まらんかった》
《まだ昼なのに泣かせにきてる》
と、ネット上を沸かせた。
あるテレビ局関係者は「それもそのはず」と語る。
未経験には真似できない“バンカラな雰囲気と機敏な動き”
「タレントの後ろで迫力ある拍手をする学ラン姿の男性たちやチアリーダー、吹奏楽は全員、『東京六大学応援団連盟』の卒業生です。
披露していた応援曲『コンバットマーチ』や『ダッシュKEIO』の本家である早慶を中心とした元応援団員たちがエキストラとして参加していました。タレントの努力はもちろんですが“本家仕込み”のエキストラなので、気迫ある応援が再現されたといっても過言ではありません」(テレビ局関係者)
法政、慶應義塾、明治、東大、早稲田、立教の6校の学生応援団によって構成される『東京応援団連盟』の歴史は1947年までさかのぼる。
「応援団は大学を卒業後も繋がりが強く、あらゆる業界に“パイプ”もあります」(応援団OB)
テレビ業界で働く人も少なくないようで、応援団関係者が撮影に協力するケースもあるといい、
「2019年に放送された大河ドラマの『いだてん』や、2020年の朝ドラ『エール』でも、昭和時代以前の学生応援団役として『東京六大学応援団』の現役部員や卒業生が出演していました。演技は素人でも、バンカラな雰囲気と機敏な動きは、未経験者にはなかなか真似できないもの。古風な出で立ちの若者を集めるとなると、こうした“本物”に頼るに越したことはないんです」(NHK関係者)
“縁の下の力持ち”とも言われる応援団は、日本のテレビ業界も支えているようだ。