趣味や副業が実を結んだり、起業して大金をつかんだ「貯め女」をピックアップ。今回取材した自力で富を築いた女性たちが口にするのは「人との縁が円につながった」。お金を引き寄せる考え方や日々の習慣をまねして、金運を招こう!
複数の不動産も所有し、総資産が1億円を超える中山凛さん(45歳)は、25歳のとき、企業で働きながら簿記1級を取得。社内で10年以上、財務分析や決算業務のキャリアを積んできた。だが、出産後に担当業務が一変したという。
「異動になり、負担の少ない仕事に回されました。子どもが1人いるだけで、今までのキャリアがなくなるとは思ってもいなかったんです」(中山さん、以下同)
キャリアが生かせない育休明けのジレンマ
当時の年収は約600万円だったが、仕事が物足りず、「人生を変えたい!」と、女性専用の起業塾に参加する。
「基本、オンラインだったので子どもが寝ている早朝4時に起き、マーケティングやホームページの作成方法などを学びました」
一般的な会社員とは違った考えを持つ起業仲間との出会いが、何よりの刺激になった。「経理のやり方がわからない」という相談を受けることが多かったため、「経理コンサルタント」の副業をしようと思い立つ。
「レシートを送ってもらい、経理の業務を代行。年に3回作成する財務分析表が好評で、依頼は口コミで増えていきました。自分の仕事が評価されることがうれしかったですが、経理について人に教えることが楽しかったですね」
不動産投資で成功した女性に知人の紹介で話を聞き、自分も不動産投資をしてみたいと考えるようになる。
「その女性から物件の探し方や、物件の価値を算出する方法などを教わりました。最初は小さな物件から始めたいと思ったのですが、首都圏の物件は5000万円以上のものが多く、リスクが怖くて買えなかったですね」
不動産投資を教えてくれた女性に倣い、物件の価格は安いけれど家賃が取れる北海道札幌市近郊の物件を探した。
「最初は札幌市近郊の千歳市にある400万円の戸建てと、札幌市内の500万円のアパートを購入しました」
どちらも賃貸で利回りは20%を超えた。現在はアパート2棟、戸建て5棟を所有する。
時流に合ったものを敏感に取り入れ、金運を引き寄せ
「4年前には家賃収入が年収約700万円、経理コンシェルジュが年収約250万円に。会社員の収入を上回ったので起業を決めました。会社で働く以外の道があるなんて、前は思っていなかった」
2019年に会社を設立。今は家族との時間を優先し、自宅から1時間以内の範囲に絞って物件を探す。
「物件を買ったら、リフォーム用の浴槽や便器などを安く仕入れ、施工だけを業者に発注して費用を節約。ただ内装はデザイナーに依頼すると、相場より高い家賃でも借り手がつくんです」
子育てと家事、本業、副業をこなした経験を買われ、企業の「業務改善コンサルタント」など複数の業務を手がける。不動産収入以外の年収が1000万円以上ある。
「時流に合ったものを敏感に取り入れる」のが、中山さんのお金を引き寄せるコツだ。
「自分で仕事を生み出せることが新鮮。大変なこともありますが日々充実しています」
コロナ禍前に開設したレンタルスペースも、高稼働をキープしている。
「東京都内のマンションのひと部屋を借りて、旅館として開業する準備もしています」
暦に詳しい起業仲間が多かったので、中山さんも金運や財運を上げるために、暦の勉強も開始。不動産の契約日は、験を担いで決めている。
「効率的に楽しく働くのが私の信条。子どもが小学生のうちは、仕事以上に家族との時間を大切にしたいですね」
◎中山さんのお守りアイテム
吉方位がわかる手帳
運気を上げるために、吉方位がわかる手帳を愛用している。今年の中山さんは、お金を回す運気は「西」が吉。「旅行だけでなく、ちょっとカフェに行くときも西にあるお店に足を運びます」
お話を伺ったのは……
不動産投資家。経理コンシェルジュ。企業に勤務しながら簿記1級を取得。出産後、起業塾で学び不動産投資や経理コンサルタント業務などを行う。家族は夫と小学5年生の息子とチワワ。
取材・文/後藤るつ子、松澤ゆかり 協力/熊谷和海