趣味や副業が実を結んだり、起業して大金をつかんだ「貯め女」をピックアップ。今回取材した自力で富を築いた女性たちが口にするのは「人との縁が円につながった」。お金を引き寄せる考え方や日々の習慣をまねして、金運を招こう!
不動産大家業を営み、起業3年目にして年商900万円を売り上げる神山みのりさん(57歳)。持ち前のスーパーポジティブな性格を活かし、結婚前はキャリアウーマンだったが、結婚後は3人の男の子の母として専業主婦に。
「再就職を目指してインテリアコーディネーターの資格を取得。でも残念ながら育児との折り合いがつかず、断念しました」(神山さん、以下同)
三男の成人式の帰りに企業を宣言
そんな神山さんが、自分のやりたいことをやろうと起業を思い立ったのは、三男が成人した53歳のとき。
「帰り道、『ママは会社をつくる!』と宣言して始めました。でも、その時点では何も決めていなかったの(笑)」
最終的に不動産業を選んだ理由のひとつは、先行投資したセミナー代が回収できると見込めたから。
「もともと住環境に興味があったんです。以前引っ越しを機に自宅マンションを賃貸に出した経験があり、そのことも背中を押してくれました」
独身時代の貯金で区分マンション購入
思い立ったら即行動に移す神山さんは不動産関係の本を読みあさり、スクールに通って本格的に学び始める。
「勉強を開始して7か月後に独身時代の貯金から410万円を出し、区分マンションを購入。インテリアコーディネーターの知識を活かしてリフォームをしたところ、すぐ借り手が見つかったんです」
そのころには不動産投資に懐疑的だった夫も前向きに。翌年には夫の協力もあって頭金800万円と銀行からの融資6000万円で新築アパート1棟を契約した。
神山さんの物件はいつも満室。その秘訣は物件への並々ならぬこだわりにある。
「住む人が能力を最大限に発揮できる“すみか”の提供をモットーにしています。環境を重視しているので、日当たりと風通しがいいのは必須条件。借りている人が家に帰ってきたときに、この家で良かったと思ってもらえるような、私が自信を持ってすすめられる物件を選んでいます」
さらに、自分が住みたくなるレベルのリフォームをすることで、満足度の高い物件にしている。不動産投資は「難しそう」と尻込みする人が多いが、実はとても身近なものだ。
「例えば、ご実家が空き家になってしまったときに売るのか貸すのか、お子さんが遠くの大学に進むときに、マンションを買うのか借りるのか。こういうタイミングもひとつのきっかけになります」
“安物買いの銭失い”はしないポリシー
一方でリスクも伴う不動産には冷静さと知識が不可欠。
「感情で物件を買わないこと。とても気に入った物件であっても、すべて数字の裏付けを取ります。数字という客観的な目線を持ったうえで自分の好きをそこに投影することが重要です」
また、会社が順調なのは家族の協力あってこそ。
「何かを始めるとき、信頼できる誰かと一緒にやる、気軽に相談できる人をつくることも大切。家族は私がやることにいつも協力的なので、とても助けられています」
互いの意思を尊重し合う仲だという家族に支えられ、神山さんは現在、事業のさらなる拡大を目指している。
「買い物をするときは“安物買いの銭失い”はしないように意識しています。これは不動産でも、生活費でも同じです。安いから買うという発想はありませんね」
本はフリマアプリを使って格安で手に入れるが、すぐ使わなくなる100円グッズは買わない。仕事を始めてさらに「投資になる買い物か、単なる消費か」を考えてお金を使うようになった。ただし、身体のことを考え、食費を削ることはしない。
「食材はグレードの高いスーパーの特価品を。おいしくて身体にもいいものが、いちばん安くつきます」
また、お金に対しても誠意を持つことを大切にしている。いつも心がけているのは人や神仏に礼を尽くし、感謝の気持ちを忘れないこと。
「月謝などで人さまに渡すお金は常に新札にし、お名前を書いた季節の封筒に入れてお渡しします」
常に周りの人への感謝の気持ちを言葉で伝え、神社仏閣ではきちんと作法を守る。そんな誠実さと何事にもポジティブに挑戦する気持ちが、おお金を引き寄せているのかもしれない。
◎神山さんのお守りアイテム
感謝の気持ちを込める新札
「人にお渡しするお金は新札と決めています」。今月使う金額分の新札をあらかじめ口座から下ろし、新札入れに収める。愛用の和紙の新札入れは義理のお母さまからいただいたもの。
お話を伺ったのは……
取材・文/後藤るつ子、松澤ゆかり 協力/熊谷和海