普段は目にしないような大袋にたっぷり入って価格もお手頃。コスパの良さに気を取られてしまうコストコや業務スーパーだが、「口に合わなかったとき、大量に残ってしまう」「食べ切れず、気づいたら賞味期限切れ」といった失敗談も多数。
さらにエビなどの輸入食材の場合、近頃の円安で国産品よりも割高になっているケースもある。また日用品で人気のトイレットペーパーも、1ロールの単価を計算すると、「地元の特売で買ったほうが安い」なんて声も。失敗したときに痛手が大きいのが“大容量”の落とし穴だ。
「お得と思ったのに、結局、損した!」とならないために、何に気をつけたらいい?
※価格(税込み)や容量は2022年8月現在の編集部調べ、それぞれ変動する可能性があります。
喉が焼けそう!激甘スイーツ
コストコや業務スーパーで人気といえば、輸入菓子。おしゃれで本場の味が楽しめると評判だが、
「尋常ではない甘さの商品があるので注意」と話すのは両スーパーのマニア、舞さん。
「業務スーパーの、ベルギー直輸入の『クッキークランチチョコレート』(100g、192円)は、チョコの風味は感じられず砂糖の塊のような甘さ。『ココナッツホワイトチョコバー』(業務スーパー、以下業。200g、213円)もおしゃれなパッケージで期待が高まったのですが、これまた甘いだけの味です」
飲み込むのにもひと苦労したという。一方コストコでも、
「『ザッハトルテ』(500g、828円)はチョコというより砂糖を食べている感じ。ケーキの幸福感はゼロ」
テレビで人気の商品も実際の味は賛否あり
「テレビやネットで話題となって人気がある商品でも、食べてみると『え?』と驚くことが多いです」
とは、コストコ歴17年で業務スーパーにも詳しいバロンママさん。口コミは当てにならないことも多い。コストコの定番人気商品の『プチシナモンロール』(35個入り、1349円)も、「リピートはしない」と舞さん。
「アイシングがたっぷりかかっていて、食べたら想像以上の甘さ。レンチンしてアイシングを溶かし、こそげてなんとか食べ切りました」
また和テイストスイーツとして話題だった『黒糖きな粉バーケーキ』(コストコ、以下コ。1898円)も、
「和風といいながら、黒糖の風味が弱すぎるうえに、甘みが強すぎ。クリームも厚すぎて油脂感たっぷり」(舞さん)
脂っこい、においがキツい!肉の食材&惣菜
「口に入れた瞬間、臭みにウッとなった」と舞さんが話すのは、冷凍ハンバーグ。
「業務スーパーの冷凍ハンバーグは当たり外れが大きいです。衝撃を受けたのは『あらびきハンバーグ』(8個入り960g、408円)」
内臓系の臭みが強く、家族全員の箸が止まったという。
「原材料を見たら、ハンバーグなのに牛肉は使われておらず、鶏肉・豚ハツとの記載。豚ハツのせいか臭みがキツすぎて、アレンジでごまかしようもなく、捨ててしまいました」
ほかに同じ臭みを感じたのが『北海道メンチカツ』(業、10枚入り800g、258円)で、裏面を見ると
「やっぱり豚ハツ。肉汁たっぷりのジューシーさはなく、レバーのようなねっとり食感も受け入れられなかった」
以来、購入前の原材料のチェックは欠かさない。
あまりの脂っこさにフライパンがギトギト
脂身の多さで失敗したのはバロンママさん。
「袋のまま湯煎にかけるだけで食べられる『やわらか豚足』(業、530g、751円)は、しっかり煮込まれていて確かにやわらかいんですが、かなりの脂っぽさが気になり、私は食べられませんでした」
脂っこさでは舞さんも、
「必要な量だけパラパラッと出して使える冷凍の『豚ミンチ』(業、400g、300円)は便利そうと思って購入。いざフライパンで加熱してみたら、ほとんどが脂で、フライパンがギトギトに」
いり豆腐に混ぜ込んで消費しようとしてみたが、肉の臭みもありギブアップ。
使いにくい&残念食感 冷凍食品
業務スーパーと名がついているだけに、家庭では使いにくい商品もある。バロンママさんは、
「料理にちょっと添えたい大根おろし。いちいちおろすのは手間だと思っていたので、冷凍『大根おろし』(1kg、247円)を見つけたときは即買いしたんですが……」
1kgもの大根おろしがガチガチに冷凍されているので、半解凍して小分けにし、また冷凍するという手間が発生。かえって面倒だったという。
「思ったより量も多くて、一般家庭では使い切るのが大変でした」
「冷凍の卵は便利」と買ってはみたが……
料理のあしらいに重宝するといえば錦糸卵も同じく。冷凍『錦糸卵』(業、250g、200円)で後悔したのは舞さんだ。
「焼いた卵は冷凍できないと思っていたので、これはいいと思い購入しました。でも解凍してみたら、すが入ったようなカッスカスの食感。やっぱりね、とがっかりでした」
食感の悪さでは『グリーンアスパラ(ホール)』(業、400g、386円)も際立つ。
「軽くソテーしただけでグニャグニャ。アスパラのシャキシャキ感はまったく楽しめませんでした」(舞さん)
また『ソースにこだわった豚お好み焼き』(業、1枚入り250g、181円)もイマイチ感強し。
「レンチンで食べられる手軽さにひかれたのですが、生焼けかと思うようなグニャッとした食感が不快なほど。ソースは確かにおいしかったですが、リピはないです」(舞さん)
これが本場の味つけ!?辛すぎ&甘すぎ惣菜
世界各国の珍しい輸入食品が楽しめるのも醍醐味のひとつ。本場の味を家庭で味わえるのが魅力だが、ちょっと驚く味つけのものも。
「口から思わず火が出そうになったのが、韓国料理の『チーズトッポギ』(コ、2人分796g、1178円)。このソースが、大人でも食べられないほど容赦ない激辛。ソースをぬぐって、お餅だけ食べましたが、子どもには無理」(舞さん)
2セット入っていたため、もう1袋のソースは、ラーメンに入れるなどしてなんとか食べ切ったという。
なぜかラタトゥイユに砂糖がたっぷり
スペインから直輸入された業務スーパーの『ラタトゥイユ』(380g、196円)も疑問が残る味。「違和感がある甘さ。野菜の甘さじゃなくて、砂糖の甘さが強くて食べにくかったです」(舞さん)
レンチンするだけで、野菜たっぷりのラタトゥイユを食べられるという手軽さにひかれて朝食用に購入したが、人工的な甘さが際立っていた。
「原材料を見てみたらやはり砂糖と記載。自分で作るときは砂糖を入れないのでびっくりでした。スペインのラタトゥイユは砂糖入りなんでしょうか?」
見た目&味にがっかり人気フルーツその他
コストコファンの間では「圧倒的にコスパがいい」と高評価のフルーツ類だが、
「鮮度が悪くて傷んでいることもあります」とバロンママさん。
「表面から見ると新鮮なようでも、パックの底のほうから見ると腐っていることが。ブドウ類はその傾向が強いので、確認してから買います」
また見極めが難しいのがアボカドやマンゴー。
「ふつうのスーパーでもベストな状態のものを買うのは難しいのですが、コストコは量が多いので、より慎重に見極めたい。熟したと思って割ってみると腐っていたりして、私は何度か失敗したことがあります」と話す。
食欲を減退させる衝撃の見た目
「見たこともない形で、食べる気が失せてしまった」と話すのは舞さん。
コストコのブドウが好きで、初めてトライしてみた『ブラックシードレスグレープ』(コ、1・8kg、1298円)は買ってみてびっくり!
「最初はパックに入っていて気にならなかったのですが、実が小ナスのようでいびつな形。見ているうちに、食欲がなくなったうえ、皮が厚くて渋みが強く、味もがっかり」
見た目の悪さでは「業務スーパーのイタリア直輸入『トリュフピザ』(267g、375円)は正直驚きました」とバロンママさん。
「一面に黒いトリュフが点在していて、パッケージと異なる見た目に衝撃を受けてしまいました。仕方なく、上からチーズをプラスして隠すようにして食べました」
損しないための買い方のコツは?
一部のガッカリ食品に当たらないためには、口コミのチェックが大切。このほか、
「買い物前は、冷凍室をなるべく空けていきます」と2人は声をそろえる。
「パンやスイーツは一度に食べられない量なので、冷凍保存が必須だからです」
また普段は手に入らないような海外のスパイス類は、
「使い切れず賞味期限切れになること多々。分けられるものなら、友人に声をかけておいて、シェアしてもいいですね」(バロンママさん)
輸入食品は、円安の影響で実は割高になることもあるので、そこも要チェックだ。
「加工食品は、原材料を見てから買って。肉の種類や、調味料を確認しておくと、『食べてびっくり!』もなくなると思います」(舞さん)
教えてくれたのは……
新商品は必ずといっていいほどトライする、“通い続けて15年”のマニア。「ハズレもあるけど、お得も多いのがコストコと業スー。賢く買って楽しんで」youtube.com/user/TheMaimai917
週5で両スーパーに足を運ぶ、アレンジ料理が人気のブロガー。「ハイレベルな輸入食品やお買い得商品もたくさんあるので、目を養って」https://ameblo.jp/baronmamadesu/
取材・文/樫野早苗