9月6日は氷川きよしの45回目のバースデー。そして今年は週刊女性の創刊から65年という記念イヤー。'00年のデビュー以来、何と100回以上(!)も表紙を飾ってくれた氷川と週刊女性のスペシャル企画に、乾杯!
冴えわたる氷川節を本人セレクトで
歌手活動休養前のラストシングル『甲州路』も好発進!原点回帰であり、何よりファンに喜んでもらうことに重きを置いたこの軽快な股旅演歌は、『週間シングルランキング』(オリコン)で32作連続のトップ10入り。ソロアーティストとしては歴代2位というまぶしい輝きを放っている。
座長公演『氷川きよし特別公演』も大好評。東京・明治座、大阪・新歌舞伎座、福岡・博多座を経て、名古屋・御園座の幕が上がったばかり。9月15日には、全90公演の千秋楽を迎える。
そして45歳を迎える9月6日には『氷川きよしオリジナル・コレクションVol.2~時代物&音頭の世界~』が発売となる。
「『氷川きよしオリジナル・コレクション』は新たなアルバムシリーズになっていて。デビューして23年、本当にいろいろなオリジナル楽曲をいただき、歌ってきました。
それをジャンルごとにセレクトし、ひとまとめにした感じです。だから全部、好きな曲ばかり」
とニッコリ。6月にリリースした第一弾は演歌&歌謡曲の世界観だったが、第二弾は
「股旅物や時代物の楽曲、それから音頭や祭り唄などで構成しています。とてもバラエティー豊かなアルバムになりました。
本当にいい曲ばかり。“ザ・日本の心”というか“やっぱり演歌っていいなぁ”としみじみするというか。どの曲もストーリーの骨格がはっきりしていて」
全30曲収録のCD3枚組セットで、28ページ写真集と特製ハンドタオルも。歴代座長公演の主題歌から、最新シングル『甲州路』まで。さらには新曲『与太郎時空伝』『ねぶた祭り』も収録という太っ腹ぶり。
「来年からちょっとね、会えないから。少しでも忘れないでいてほしいなという気持ちもあります」
第三弾はロック&バラードの世界として今冬、リリースされる予定。
45年生きられて「ラッキー」の理由
改めて、45歳おめでとうございます!って、年齢をがっちり出すのってあんまり?
「あはははは、そうかもしれないですね(笑)。でも45年生きられたことはありがたいし、本当にみなさんのおかげだし、すごくラッキーだなって思うんです」
と、神妙な面持ち。10代のころは、自分らしくはいられなかったと振り返る。
「どうしても社会のルールとか、周りと一緒じゃないといけないとか。今の40代って、そういう横並びの風潮が強い中で育ってきた世代だと思うんです。
今の20代の子なんて“自分は自分らしくですから!” “周りは関係ありません!”といった強さがあるけど」
子どものころはハキハキした性格ではなかった。本当は髪も長いほうが好きだし、女の子といるほうが楽だった。
「やっぱり風当たりは強かったですね。おびえながら、希望が持てずに過ごしていましたから。でも、そんな自分が45年も生きてこられた。それはやっぱり、音楽で人に希望や生きる力を伝える使命があるからだと思うんです」
“氷川の歌を聴いたからもうちょっと頑張ってみよう” “氷川もあんな感じだけど、自分も生きてみよう”。そういうふうに、ひとりの命でも救える存在になりたいと語る。
内面からのものはやっぱり大きい
「ちょっと暗い話になっちゃいましたが、誰に対してもいつだって本音でいたいし、うそをつきたくない。だから、どんなことに対してもオープンでいたいんですよね。そんな部分は、日本人気質離れしているのかな?」
これから年を重ねるごとに、不安を感じることも多くなるだろうと推測する。
「やっぱりね、親も年を取ってきているから。自分はひとりっ子だから、いつかひとりぼっちになるのかもしれないと思うこともあります。それでもやっぱり、自分と戦いながら生きていける強さを身につけていきたいですね」
同時に、若くいられるようにとも。
「もう5年したら50歳だし。まずはストレスをためないこと。そして、健康を維持できるように。やっぱり睡眠、食事、メンタル。心の不調は、ダイレクトに身体の不調につながりますからね。
日本の人は“頑張らなきゃいけない”と本能的に思って無理することも多いと思うけど、外国だと一般の人でもメンタルトレーニングの専門家をつけている人は少なくなくて。メンタルって、そのくらい大切なことなんですよね」
気になる美容については?
「ケアはもちろん大切だけど、内面からのものはやっぱり大きいと思います。だって、30代のころの写真を見ると、今のほうが若く見えたりしますから(笑)。やっぱり、今がいちばん楽しいかも!」
極上の笑顔を見せてくれた。
〈スタイリング/伊藤典子(hoop) ヘアメイク/助川良幸 衣装協力/ガラーベント(サーディヴィジョンピーアール)〉
特写アルバム'00年~'21年
ここからは氷川と週刊女性のとっておきの歩みを特別公開。デビューの'00年から毎年1枚、厳選カットをプレゼントです!
'00年2月。記念すべき初特写で「老人ホームを回っていて、おじいちゃんやおばあちゃんが歌を聴いてくれるのが本当にうれしい」
'01年10月。セカンドシングル『大井追っかけ音次郎』のヒット祈願を東京・氷川神社にて
'02年1月、編集部を来訪。ファースト写真集『kiyoshing』の読者ハガキの山に「本当に愛されているんだなぁと実感できます。私もみなさんのこと、愛していますから」
'03年4月。『白雲の城』のリリースに際して、書き初めを披露。お上手!
'04年10月。松茸の土瓶蒸し&炭火焼き、サンマの塩焼き、栗ご飯……秋の味覚に舌鼓。「しびれるっ!おいしー!いいおだしですね。松茸は国産?やっぱり香りが違いますね」とご機嫌
'05年10月。本誌の1日編集長に。「編集長席はまさに“ボス”って感じ。たった1日でしたが、週刊誌を作るのって大変!やっぱり自分は取材をしてもらうほうが好き……かな(笑)」
'06年6月。アルバム『演歌名曲コレクション6~一剣~』について「“くじけず迷わず、自分の道を突き進め”といった感じで、7年目の自分に問いかけているような曲ばかりですね」
'07年5月。『あばよ』『きよしのソーラン節』を同時発売。「前は“絶対1位を取りたい”って思っていたけど、今は納得できる歌唱をして、みなさんの心が動いてくれたら、自分にとってはいちばんいい結果になると思う」
'08年9月。『哀愁の湖』のリリースに際し「家族、友人、デビュー以来お世話になった方々やファンのみなさんに愛されて、今の自分がいると思います」
'09年7月。10周年記念曲第2弾『ときめきのルンバ』をリリース。「さらなる体力づくりを目標にジョギングを始めました。最近は自分なりに水泳もマスターしたので、おかげで夏風邪もひかないし、夏バテの心配もありません」
'10年10月。アルバム『演歌名曲コレクション13~虹色のバイヨン~』をリリース。「最近、習字を始めました。これまで自己流だったんですけど、もっときれいに書けるようになりたいと思って」
'11年『情熱のマリアッチ』をリリース。34歳を迎え「“100努力しても1にしかならない”ということをいつも頭に入れているので、これからも努力し続けます。そして、人の心がわかる、器の大きな人間になりたいですね」
'12年3月。『櫻』をリリース。「最近、表現者として楽器に触れることは大切だと思い、ギターを買って練習しています。また、デザインや書道や陶芸にも興味を持ち、何が自分に合うのか模索中です」
'13年7月。「明治座公演の後、お休みをいただいたので大好きな海に行ってきました! いつかダイビングにも挑戦してみたいけど、今回は素潜りで。気づいたら2~3時間ずーっと動画を撮っていました。全然飽きなくて、本当に楽しかった」
'14年11月。アルバム『演歌名曲コレクション20~ちょいときまぐれ渡り鳥〜』に「デビュー15周年の集大成、渾身の自信作です。また“新しい氷川きよし”をこれからも見つけていきたいですし、私の歌を愛していただけるよう、歌一筋でいきたいと思います」
'15年4月。春の大質問スペシャル。休みの過ごし方へのQに「ひとりでいるより人に会うようにしています。よく“のんびりしたほうがいいよ”って言われるんですが(笑)。会ってこそ、その人の人柄や人間性がわかりますよね。だからお休みの日はヘトヘトになっちゃうんですけどね(笑)」
'16年8月。『みれん心』D・E・Fタイプをリリース。30代のうちにやっておきたいことは、「うーん。結婚、かなぁ? 30代のうちじゃなくてもいいから、いつかはしたいなぁ(笑)。家に帰ってきたら、誰かがいるって、いいですよね?」
'17年4月。『新・演歌名曲コレクション5-男の絶唱-』をリリース。『NHK紅白歌合戦』で熊本城の前で歌った『白雲の城』に「すごく反応があって。熊本の方にもすごく喜んでいただけて。“歌手になってよかったなぁ”と心から思いました」
'18年8月。41歳を前に「40代になって、自分の好きなものは好きと言える生き方をしていけたらいいなと思います。ちゃんと面と向かって、いろんなことを素直に言える人間でありたい。そんな大人のほうがすてきですよね」
'19年1月。デビュー20周年突入目前。バズった『限界突破×サバイバー』について「悟空のおかげで、自分は本当に変わった。歌詞に“可能性のドアはロックされたまま”ってあるんですが、まさに自分自身だった。そして、自分は可能性をいっぱい持っているってことに気づかされました」
'20年12月。初のポップスアルバム『Papillon -ボヘミアン・ラプソディ-』に「デビューをしたときからの夢でもあり、自分の中で“ここまでやれた”という自負もあり。プロ歌手としての20年分の思いを音楽として吐き出すというか。そんな作品にすることができました」
'21年5月。『趣味の園芸』内『氷川きよし グリーンサムへの12か月』(NHK Eテレ)の収録に密着。「けっこうみんな見てくれていて。“すごく面白かった”って。全然面白いこと言ってないのに(笑)。ナチュラルに生きる姿をみなさんに届けたい」