映画監督・白石和彌氏が9月8日、Twitterで「『日本で一番悪い奴ら』トークイベントのレポート記事」について説明する文書を公開した。
『日本で一番悪い奴ら』は白石監督の作品で、俳優・綾野剛主演で2016年6月に公開された映画。白石監督は翌月、同映画で綾野との“性的シーン”の撮影に挑んだ女優・矢吹春奈とトークイベントに出席している。
「撮影時の認識に相違はなかった」
当時、あるスポーツ新聞が「白石監督によると『台本には性的シーンを行うとは書いてなかった』という」が、綾野が「監督、俺、セックスしたいっス」と希望したこと、また、白石監督が矢吹には詳細を伝えず「もしかしたら(キスの)先までいくかも」程度の話だけし、当該シーンを撮影したことを明かした……と記事にしていた。
白石監督といえば今年、映画界の性暴力が取り沙汰された際に、対策の必要性を訴えていたのだが、最近になって、矢吹とのイベントの記事がネット上で注目され、批判の声が徐々に拡大。この件は9月4日配信の「週刊女性PRIME」でも取り上げ、「結局、白石和彌監督もハラスメント監督なんじゃん」といった苦言が寄せられていることなどを報じた。
騒ぎに気づいたのか、白石監督は今月8日にTwitterを更新して、
「先日、報道されました『日本で一番悪い奴ら』トークイベントのレポート記事に関して、ご説明させて頂きます。トークイベント時にお話した内容に関しましては、イベントにおける演出と観客を前に少しでも公開したばかりの映画を盛り上げたいという私の気持ちが加味してしまったもので、事実ではありません。
当該シーンに関しましてはキャストと内容について真摯に話し合い、キャスト、マネージメントの方々にも事前に御了承を頂いた上で撮影をしております。今回、改めて第三者を通して矢吹春奈様に確認しましたが、撮影時の認識に相違はありませんでした」
とつづり、「多くの方の誤解を招きました事は、私の不徳の致すところと認識しております。ご迷惑をお掛けした皆様には、お詫び申し上げます」と謝罪した。
要するに、過去のトークで話した内容は“話を盛ってしまった”だけだと、訂正したわけだ。ただ、事前に矢吹サイドの了承を得た上で濡れ場の撮影をしたことはわかったが、ネット上には“綾野の「したいッス」発言”の有無を気にする声も。
“別の意味”で問題視する声も
「綾野は今年、参議院議員の“ガーシー”こと東谷義和氏によって酒癖や女癖の悪さなどを暴露され、ネット上でバッシングを浴びていました。それだけに、白石監督が明かしていた『したいッス』発言は監督が盛っただけで、実際にはなかったものなのか、そこをハッキリさせてほしいというネットユーザーも散見されます」(テレビ局関係者)
一方、白石監督の説明に対して《嘘のエピソードを言ったってことですか? なるほど〜……とはならない》と懐疑的な声が出ているほか、
《その言い訳が事実だとしても、なぜ“女優の了承なく濡れ場を撮影した”話で映画が盛り上がると思ったの?》
《盛り上げたくて言ったのだとしたら、頭のどこかでそれが面白いと思ってしまってるってこと》
《あんな話で盛り上がると考える感性が問題》
など、また別の意味で問題視する書き込みもみられる。
白石監督は今回の文書の中で、
「いつも日本映画界の発展と改善を思いハラスメントや労働環境に関して発言して参りましたが、その思いに変わりはありません。私自身、失敗を繰り返しながら、その都度反省し、アップデートをするためには何が出来るのか、スタッフ、キャスト、関係者と話し合っております」
ともコメントしている。今は、その言葉を信じるしかない。