(左から)Hey! Say! JUMP・山田涼介、嵐・二宮和也、KAT-TUN・中丸雄一、Sexy Zone・菊池風磨『ジャにのちゃんねる』の4人

 嵐・二宮和也(39)、KAT-TUN・中丸雄一(39)、Hey! Say! JUMP・山田涼介(29)、Sexy Zone・菊池風磨(27)。

 あらためて、グループの垣根を越えたスーパーユニットと言って過言ではない『ジャにのちゃんねる』の4人。昨年4月に二宮が主導するかたちでYouTubeチャンネルを開設し、さまざまな企画の動画を投稿してきている。同チャンネルでは二宮が「経理」、中丸が「編集」を担当し、動画内でもそういう愛称で扱われ、山田は「自発光」、菊池が「卍」という愛称となっている。

24時間テレビのパーソナリティーを務めたけれど

 開設から21日で登録者数200万人突破は日本最速記録となり、(同年末のショート動画クリエイターを除き)登録者数を大きく伸ばしたチャンネルとしてランキング1位を獲得。9月10日現在、登録者数は350万人を超え、ジャニーズ関連ではダントツの登録者数と再生回数をほこる大人気チャンネルとなっている。

「二宮くんきっかけで、何人かの親しい後輩を集めてYouTubeを始めるというだけでなく、動画そのものの楽しさと4人のキャラ、タレント性を活かした構成のうまさで、これだけの人気コンテンツになったのだと思います」

 と、あるスポーツ紙記者は言うが、「とはいえ、ジャニーズファンがみんな手放しで喜んでいるかというと、必ずしもそうではありません」どういう意味なのか。

 決して『ジャにのちゃんねる』に反発しているわけではないが、それぞれのグループのファンが熱心に応援するコンテンツというわけではないという。

「8月にはYouTubeを飛び出して日テレの『24時間テレビ』のメインパーソナリティをつとめましたが、視聴率や募金額もそれほど効果はなかったようです。彼らを表紙に据えた雑誌も、通常のほかのジャニーズ表紙の号より売れなかったと聞きました」

 では、なぜそのような現象が起こるのだろうか。

「やはりそれぞれが所属するグループがより活躍して輝いてほしい、応援したいという微妙なファン心理がはたらくようです。山田くんや菊地くんが参加しているからといって、知念くんや健人くんのファンが高い熱量で応援するものでもないでしょうし」(同)

 個人を応援するファンも多いが、やはり応援心理の前提には“グループ”があるという。だが、近年のジャニーズは人気タレントの掛け合わせ的なユニットを組んだりする例が多いが、実は大成功の例は少ないと芸能ジャーナリストは言う。その典型が中山優馬、山田涼介、知念侑李の3人で結成されたユニット『NYC』だ。

『J-FRIENDS』以来7年ぶり

「これは中山優馬を売り出すためにHey! Say! JUMPの人気メンバーを兼任させ、一時的にJUMP本体の活動も滞ってしまったという印象をJUMPファンに与え、大きな反発がありました。

 この10年を振り返ると、香取慎吾と山下智久の『MONSTERS』や三宅健と滝沢秀明の『KEN☆Tackey』などがありますが、大ブレイクした感じはありません。中島健人と平野紫耀がバディを組んだドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』や、複数グループからの選抜されたメンバーが出演するバラエティー『VS魂』も、やや苦戦の印象です」

 しかし、それ以前には大成功の例も複数存在する。代表的なのが国分太一と堂本剛の『トラジ・ハイジ』と、亀梨和也と山下智久の『修二と彰』(どちらも2005年)だ。グループが垣根を超えて新ユニットを組み、CDを発売したのはTOKIO、V6、KinKi Kidsの『J-FRIENDS』以来7年ぶりだった。

『修二と彰』と『KEN☆Tackey」

「“ジャにの”の活動も“修二と彰”のような甘い蜜を味わいたいのは当然のことでしょう。でも、あの時代と比べると趣味の細分化、多様化がかなり進んでいます。ファンの熱意がより狭く深くなっている今とは応援の方向もかつてとは違うような気がします。

 ほかのグループには負けたくないというグループ単位で応援するファンが多いので、垣根を超えたユニットは、特別感よりも課外活動のような感覚なのでしょう。なので、動画視聴のその先、雑誌の購入やCDをリリースしたとしても購入にはつながらないのかもしれません

 ファン以外の人たちが「豪華!」と思えば十分なのかもしれないが、ジャニーズ主演ドラマの視聴率が苦戦するのと同じく、ジャニーズ色を前面に押し出すと逆に萎えるのと同じということか。

 とはいえYouTube上での反応は依然として好調は続く。『24時間テレビ』の余韻は薄らいでしまっているが、ジャにのがほかのメディアを巻き込み、さらなる飛躍はまだまだありそうだ。

〈取材・文/渋谷恭太郎〉

 
今ドキの丸眼鏡にオシャレな山田涼介(左)と母親(右)は店内でも目立っていた('15年)

 

YouTubeで制作の裏側を公開した公式LINEスタンプはランキング1位になるなど好調
『折角だから朝飯だけ食べてみた』とタイトルのつけられた動画への反響がすさまじく…(ジャにのちゃんねる)

 

 

電話出演した山田涼介、配信中の二宮和也、中丸雄一、菊池風磨(『ジャにのチャンネル』より)
『ジャにのちゃんねる』のメンバー。中央上から時計回りに二宮和也、中丸雄一、山田涼介、菊池風磨