NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で源頼家を演じ、壮絶な最期を迎えるシーンでの好演が話題に。放送中のフジテレビ系ドラマ『魔法のリノベ』にも出演中で、先月には初の写真集『DAICHI KANEKO』を発売するなど波に乗っている金子大地(25)。本人に“流れがきていますね”と伝えると、
「4年くらい前から“流れがきてますよ”と言われてきましたが、正直、実感はありません(笑)。まだまだ、これからですね」
ユーモアたっぷりに答える。大河ドラマで頼家の父・頼朝を演じた大泉洋と同じ北海道出身。
金子が語る現場での大泉洋
「ちゃんと役の関係性があって、がっつりとお芝居をさせていただいたのは、今回が初めてでした。僕も大好きな道民のスター、大泉さんがいると現場の雰囲気が変わるんです。みんなが笑顔になる。こんな太陽みたいな人がいるんだなと思いました」
ジェラシーを感じるレベルじゃないくらいにカッコよかったという大泉に、「ごめん」と謝られたことがあった。
「“ほんとうは(頼家役の)大地のことを守ってやりたいけど、(役として)亡くなってしまうから、ごめん。大地のことを批判するなって言うためだけのSNSのアカウントを作る”と言われて。なんで叩かれる前提なんですか? と聞いたら、爆笑されました(笑)。
たしかに、(大泉演じる)頼朝が亡くなるシーンで、最後に息子の頼家に残した言葉が“女子好きはわが嫡男の証だ”ですから、仕方ないですよね(笑)。それが、大泉さんとの最後のお芝居でした」
偶然か、9月16日から公開される映画、ロマンポルノ・ナウ第1弾『手』で演じる森も、女性から強く批判されてしまいそうな男性。
「それを純粋な感情として演じなければならなかったので、難しかったです。台本の読み合わせの段階で松居大悟監督に“ここをどう考えたらいいか、わからないです”と正直に伝えて(笑)。そこから一緒に考えていただき、森を作っていきました」
金子が演じる森は、父親との関係がうまくいかず、年上男性とばかり付き合ってしまうヒロイン・さわ子の心を変えていく男性。
「愛とは何なのか、というようなこともこの作品のテーマにあると思っています。育った環境によって、人生観も違ってくると思うんですが、それが、たぶん、恋愛にも関係してくるんじゃないかなと」
森のような男性に惹かれてしまう女性は多いかもしれないと話すと、
「えっ、そうなんですか? 不思議です」
ということは、プライベートでは森のような行動はとらない?
「プライベートなことなのでと、ミステリアスな感じにしておきます(笑)」
「汚れた役をやってみたい」
今作は日活ロマンポルノ50周年記念プロジェクトとして製作された映画。日活ロマンポルノといえば、多くの名監督を生み出してきた。
「日活ロマンポルノ作品だと、相米慎二監督の『ラブホテル』という作品が好きで。さっき対談したときに、(今作の)松居監督もお好きだと知りました。今回、松居さんからオファーをいただいて、“ぜひ”と引き受けさせていただきました。
これまでご一緒したことがなかったのですが、僕が出演した映画を何本か見てくださっていて。ロマンポルノ50周年という記念作でもあるので、本当にありがたいです」
さらに、10月からは高岩田ガン(ヤッターマン1号)役を演じる『WOWOWオリジナルドラマ DORONJO/ドロンジョ』がスタートと、ひっぱりだこだ。
「こういう役をやってみたい、と思っても、まず求められなかったらそのチャンスはない。今は、食わず嫌いせずに求められていることに挑戦しなければいけないなと思っています。
いつか、こんな役は誰もやったことがないと思うような、外見的にも内面的にも汚れた役をやってみたいですね」
金子大地の「ストレス解消方法」は?
「最近は、友達と公園でキャッチボールしています(笑)。ひたすらキャッチボールして、休憩して水を飲んでを何度か繰り返して、暗くなったらサウナに」
すべての経験を演技に活かしたい
「恥ずかしいと思うことも、演技をするうえですべてプラスになると思っています。例えば、今回の『手』の森のように女性の前で大泣きしたり、本当なら目を背けたくなることが絶対にプラスになる職業。なので、いろいろなことを経験して、芝居でさらけ出していきたいです」
9月16日より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
ヘアメイク/Taro Yoshida(W) スタイリスト/千野潤也(UM)衣装協力:スウェット/ケンイチ、パンツ/セブン バイ セブン、シューズ/アポクリファ(すべてサカス ピーアール)