銀座ホステスへの性加害が明るみに出た香川照之。トヨタ自動車、東洋水産、アリナミン製薬などが契約終了やCMの打ち切りを発表、またTBS系『THE TIME,』MCも自ら降板するなど、仕事のほとんどを失った形となった。
また、今回のセクハラ報道がきっかけで、酒癖の悪さや人間性が芋づる式に出てくる結果に。
「でもあの人、西麻布のラウンジ全部出禁になってるから。そういうことしちゃうから」
(ガーシーこと東谷義和氏のインスタグラム生配信時のコメント)
「某スタジオで挨拶した時、物凄く嫌味な目付きと表情で睨み見下し無視された」
(格闘家・瓜田純士氏の妻・麗子さんがツイッターで告白)
「車の運転ではかなりのスピード狂で、急な割り込みは当たり前。」
(9/6にフライデーより報じられた梨園関係者より)
もちろん香川の女性に対する行為は許されることではないが、3年前に和解に至ったスキャンダルを蒸し返されることについて疑問の声も出ている。
芸能界ではセクハラ、不倫、淫行、パワハラなど様々な不祥事が起こってきた。しかし“やらかした”芸能人のその後は。十人十色である。
不祥事を起こした芸能人その後、そして香川照之の今後と“復活”の可能性は--。これまでの事例をもとに考えてみたい。
ゲス不倫騒動「ベッキー」の地上波復帰は1年後
2016年1月、週刊文春の報道でロックバンド・ゲスの極み乙女のボーカル、川谷絵音との不倫騒動で世間を騒がせたベッキー。
川谷は不倫が公になる前年、2015年に一般女性と結婚したばかりの妻帯者で、まさに「ゲス不倫」と叩かれる結果に。週刊文春により流出したLINEのやり取りでは、「(不倫交際が)オフィシャルになるだけ」「センテンススプリング(文春のもじり)!」などテレビで見ていたベッキーと大きくかけ離れた内容で世間からの大きなイメージダウンとなった。
「スキャンダル処女」「CM女王」と言われたベッキーも一連の騒動で、10本以上のCM、レギュラー番組の降板が相次ぐ。謝罪会見では「軽率でした。友達として二度と会わない」と約束。
その後、2016年2月の休業から約3か月で『金スマ(現、中居正広の金曜日のスマイルたちへ)』でテレビ復帰。その1年後には『北海道からはじ○TV』で芸能活動再開後の初のレギュラー番組が決定するも、有線放送やネット番組を中心に活動して行く形に落ち着いている。
アンジャッシュ渡部建はレギュラー1本まで激減
2020年6月に「週刊文春」で複数の女性と不倫が報じられたアンジャッシュ渡部建。
少なくとも他4人の女性との不倫が挙げられ、ある女性と30回以上も関係を持ち、多目的トイレでの不貞行為に及んでいたことも明るみに。子育てや家族に対する良いイメージが一変してしまった。
1年8か月にわたる活動自粛という代償を払うことになった。
第一報の6か月後の2020年12月にやっと謝罪会見が開かれ、一連の騒動に関して深く頭を下げて陳謝するも、批判が集中する”フルボッコ会見“となった。
2022年2月に唯一のレギュラー番組『白黒アンジャッシュ』(千葉テレビ)で復帰し、「不倫いじられツッコミ」でしっかり笑いをとっているものの、不貞報道前の売れっ子ぶりとはかけ離れた凋落ぶりとなった。
不倫報道も好感度が下がらなかったダウンタウン浜田雅功
こうしてみると、不祥事で報道が加熱してしまったが最後、不祥事前の仕事量を取り戻すのはほぼ無理であることがわかる。
しかし、そうでない者もいる。ダウンタウンの浜ちゃんだ。
2014年6月、浜田雅功は元グラビアアイドルとの不倫をフライデーに報じられた。報道翌日には「家族に心から謝罪した」と事務所を通してコメント。
妻であるタレントの小川菜摘は自身のブログで夫の不倫を「火遊び」で片付け、また浜田を「意気消沈ゴリラになっています」といじってみせることで家庭として問題は解決したことを暗にアピール。
また、相方の松本人志も「(飛鳥涼の薬物不祥事を引き合いに)俺もCHAGEばりに謝らなあかん」とやはり不祥事をネタ化することで事態の鎮静化に貢献した。
結果、レギュラーの降板などは一切なく、それまで通りの仕事を続けていくことになった。
不祥事が許される線引き
民放テレビ番組はスポンサーあってのもの。ゆえに、タレント起用で重要視されるのは世間からのイメージ。しかも普段のイメージと不祥事のギャップが大きければ大きいほどブーイングも大きくなる。
「ベッキーの場合、明るく人気者なイメージを売りにしてきた分、不倫の事実・開き直りはかなりの嫌悪感を抱いた視聴者も多い。番組に出演すると今でもクレームの電話が多少あるんです」(元・TV局プロデューサー)
また、不祥事によって被害者がいるかどうかも大きな問題となる。ベッキーの件では不倫相手である川谷絵音の妻、アンジャッシュ・渡部建の不倫騒動では妻である佐々木希を傷つけてしまったことが大きなイメージダウンとなった。
一方で事務所への忖度も。
「昔ほどではないにせよ、番組や各業界で力のある事務所への忖度などは今もあると感じています。大きな事務所ほど復帰がしやすいのは間違いないでしょうね」(前出・制作会社ディレクター)
しかし不祥事には“汚い不祥事”と“そうでもない不祥事”があり、“汚い不祥事”は復帰も厳しいものになる。例えば渡部は不貞の現場に多目的トイレを使っていたことで、身体の不自由な人への無配慮と女性への扱いのひどさが強烈に印象づいてしまい、キー局はどこもクレームを恐れてなかなか起用できない状況になってしまった。
香川照之は致命的!? 道筋があるとしたらーー
さて、被害を受けたホステスは訴訟を取り下げ、トラブル自体の決着はついているという香川照之。しかし、先にも述べたように時間をかけても不祥事前のような仕事量を取り戻すのは難しいだろう。
「香川さんはホステスの髪を掴んでいるあの写真の流出が致命的ですね。これで嫌悪感を持たれる“汚い不祥事”になってしまった」(広告代理店社員)
嫌悪感が「画面に写るのもイヤ」というクレームを呼び、民放キー局が起用を見送る事態が数年は続きそうというのだ。最悪、渡部建に近い状況(未だにレギュラー1本)にもなりかねないだろう。
香川の今後を考える上で、参考(!?)になりそうなケースがある。先輩俳優、森本レオの存在だ。
森本は90年代にいぶし銀のバイプレイヤー、また穏やかかつ温かみのある美声でナレーターとしても活躍した俳優。
しかし、2002年10月に運命が一転する。女優の水沢アキが、ワイドショー・週刊誌で、「17歳のとき、森本レオに演技指導名目で呼び出され、レイプされた」と告白したのだ。森本は週刊誌に対し、水沢をアパートに呼び、関係を持ったことは認めたものの「ボクが無理強いしたわけではありません」と同意の上であることを強調。
しかし、この件は一大スキャンダルとして森本にダメージを与え、仕事は激減。以後、連ドラレギュラー出演もなくはないが、一話限りのゲスト出演中心となり、「穏やかなお父さん役といえば森本」と言われた全盛期に比べると明らかに寂しい露出度に落ち着いている。
もちろん水沢が届けを出して捜査があったわけではなく、森本と水沢の間にあった真実を断定を持って語ることはできない。また仮に性加害が事実でも水沢が告白した2002年当時でも時効となる出来事だったのは申し添えておく。
しかし、演技上手のベテラン俳優、世代、イメージに傷が付いたことは香川と共通しているので、なんとなく香川の行く末を重ね合わせることはできそうだ。復帰できないことはないが、連ドラのレギュラー出演は難しくなり、一話ゲスト中心で明らかに仕事量と輝きは落ちてしまうのではなかろうか。
Youtuberからの助け舟も
9/2、Youtuberのシバターが「やっぱり香川照之を救いたい」の動画を更新。
香川の報道についてシバターは「売れたんだったら遊び方も考えなくちゃ、もう若くないんだから」と語りかけた。
続いて、「俺に提案がある、パチンコ・パチスロ日本代表チャンネルで一緒にパチスロ打たないか」「しばらくは仕事がないだろうから、演者として雇ってやる」とまさかのオファー。
手越祐也、宮迫博之のように、一旦YouTuberに転身して虎視眈々と再起を狙うということもあるのかもしれない。