10月から大手電力10社と大手都市ガス4社がそろって値上げ。食品や飲料品も軒並み値上がりし、記録的な「値上げの秋」が襲来!昔ながらのサステナブルな工夫をフル活用してコツコツ省エネ&節約を実現しよう!
省エネなキッチンのワザ【コンロ&加熱の知恵】
『やかんや鍋底の水滴は火にかける前に拭く』
底が濡れていると、その水分を蒸発させるために余計な火力が使われてしまう。やかんや鍋を火にかける前にはまず底をチェック。水滴がついていたり、濡れていたら、ふきんなどでしっかりと拭いて火にかける習慣を!
『底が広く、平たい鍋で! 炎は鍋底からハミ出さないように』
底が広く平らな鍋は熱効率がいいが、鍋底から炎がハミ出るとその熱は無駄になるので要注意。ガスコンロ自体が冷えていると加熱に時間がかかるので、連続調理をすればガス代の節約になる。
【知っトク!】
水1Lを沸騰させるとき、炎が鍋底からハミ出さないように、強火から中火にした場合(1日3回)、ガス代は年間約390円の節約に。
*資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」より
『パスタは半分に折ってゆでる』
パスタは半分に折って短くすれば、フライパンでゆでることが可能。500ml程度の水の量でゆでられ、沸騰までの時間も短縮。もしパスタが余ったら、熱いうちにオリーブ油をからめておけばくっつくことなく保存できる。
余熱で火を通すことも!
沸騰した湯にパスタを入れ、再沸騰したら麺をほぐして火を止める。フタをして、袋の表示のゆで時間ほど放置すれば余熱でゆであがる(鍋の大きさなどで放置時間は少し調整を)。震災時にも役立つ。
『ガスコンロのガスバーナーの汚れをキレイに』
ガスコンロは、ガスバーナーのお手入れも忘れずに。バーナーキャップが汚れて目詰まりを起こしていると熱効率が悪くなり、ガスを余計に使うハメに。噴きこぼれなどで汚れやすいので、古い歯ブラシなどを使ってこまめに掃除を。
『葉物のゆであげはフライパンで』
葉物野菜をゆでるときは、フライパンを使うと少ない水量、かつ短時間で湯を沸かすことができ、ガス&水道代の節約に。水をフライパンの底から3~4cmほど入れて沸かし、途中で野菜の上下をひっくり返してゆでるのがコツ。
『じゃがいもは金串を刺せば早くゆでられる』
金串を刺すとじゃがいもの中心部まで熱が早く伝わるので、ゆで時間の短縮になる。また、ゆでる前にじゃがいもの真ん中に1周切れ目を入れておくと、皮剥きもラク。ゆでた後、氷水に入れるだけでつるんと剥ける。
省エネなキッチンのワザ【炊飯器の知恵】
『保温のままにしない』
炊飯器でご飯の保温をするなら炊飯から4時間を目安に。それ以上は保温機能を使わず、電子レンジで温め直すほうが省エネ。タイマーを利用して食べる時間に合わせて炊飯をし、できるだけ保温している時間を減らすのが得策。
【知っトク!】
1日に7時間保温したときと、保温せずに使わないときはコンセントからプラグを抜いたときの電気代の差は年間1210円。
*東京都「家庭の省エネハンドブック2022」より
『お米はまとめて炊いて冷凍がおトク』
長時間保温するよりも、2回に分けて炊いたほうが電気代は安い。また、1回で多めに炊いて、食べない分は1食分に小分けして冷凍。それを電子レンジで温め直して炊飯する回数を減らせば、さらに節電になる。
『“エコ炊飯”モードで炊飯時の電力を低減』
炊飯時に、“エコ炊飯”モードを選ぶだけで、簡単に節電可能。機種により、通常の炊飯に比べて炊飯ごとの電気代に1~2円の差が出る。一方、炊飯時間が短縮できる“早炊き”は若干電気代が安くなる機種もあるが、確実なのはエコモードだ。
省エネなキッチンのワザ【冷蔵庫の知恵】
『背面は壁から10cm以上、側面は2cm以上離して直射日光の当たらないところに』
〈設置場所で節電〉
冷蔵庫は庫内を冷やすために暖かい空気を放出。壁との空間をつくることで、効率よく放熱されて消費電力量を抑えられる。また、ガスコンロ、オーブンレンジ、窓付近は気温が高くなり、庫内の温度が上がりやすいので避けて。
【知っトク!】
冷蔵庫の上と両側が壁に接した場合に比べ、片側だけ壁に接している場合、電気代は年間約1220円の節約になる。
*資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」より
『詰め込みすぎない』
〈使い方で節電〉
冷蔵室は、たくさん詰め込むと冷気の循環が悪くなり、庫内の温度を低く保ちづらくエネルギーの無駄になる。食べ残しや賞味期限切れの食品などが放置されたままにならないよう、定期的に整理し必要なものだけを入れよう。
【知っトク!】
詰め込まれた冷蔵庫の中のものを半分にした場合、電気代は年間約1180円ダウン。
*資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」より
『缶詰や未開封の調味料は入れない』
冷蔵庫に入れなくてもよい未開封の缶詰や瓶詰、調味料や缶飲料を詰め込んで、冷蔵庫の容量を圧迫しないこと。パッケージなどの保存方法を確認し、“冷暗所に保存”の場合は、冷蔵庫で保存しなくても大丈夫。
『庫内はしまう場所を決める』
使いたい食材がすぐに取り出せるよう、調味料やお肉・魚など、冷蔵庫内の“定位置”を決めておくと、ドアの開閉回数や時間が最小限に。「賞味期限の短いものは手前に置く」などわかりやすくしておけば食品ロスの削減にも。
『設定温度は「中」に』
消費電力を下げるには、庫内の温度調節も効果大。ドア外側正面や庫内にあるコントロールパネルで調節を。庫内が整理されていれば、設定温度は年間を通じて「強」ではなく「中」で十分。冬なら「弱」にしてもよい。
【知っトク!】
設定温度を「強」から「中」にすると、電気代が年間で約1670円ダウン。
*資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」より
消費電力を抑えるエコ掃除のワザ【掃除の知恵】
『掃除機がけの前に出ているものを片づけてカーペットのゴミをかき出す』
掃除機の稼働時間を短くし、電気代を削減する工夫を。床の上に置いてあるものを片づけ、カーペットはブラシを使い、フローリングの溝は竹串や古い歯ブラシを使ってゴミをかき出しておくと掃除機がけがスムーズに。
『掃除機のフィルターやゴミパックのお手入れを』
掃除機のフィルターが詰まっていたり、ゴミパックがいっぱいになっていると吸引力がダウン。掃除の時間が長引いてしまい、電力の無駄につながる。こまめなフィルターの掃除と定期的なゴミパックの交換を。
『ラップの芯に輪ゴムを巻いてカーペットを転がす』
カーペットにからんだ髪の毛やホコリの掃除には、ラップの芯に輪ゴムを10か所ほど巻いたものを用意。コロコロと転がせば、ゴムに髪の毛やホコリがからみついて取れる。また、カーペットの家具の跡はスチームアイロンで元どおりに。
『フローリングや畳は「弱」で十分、効率よく吸える』
フローリングや畳は吸引モードを「弱」にしてもゴミの吸い取りに大差はなし。また、ホコリだらけのフローリングは掃除機の排気でホコリが舞うので、濡らした新聞をまき、しばらくしてから掃き掃除をするのが賢明。
無駄な水道やガス代を減らすトイレ・風呂のワザ
『シングルレバーで水を出すときはレバーを一番右に』
1つのレバーで水の温度や水量の調節ができるシングルレバー混合水栓。上げる位置によって水とお湯が混じって出るので、水だけを出したいときはレバーをしっかりと水側(最も右側)に寄せ、不要なお湯を出さないこと。
『便座や洗浄水の温度は季節で調節』
温水洗浄便座は常に便座や洗浄水を温め続けているので、季節や気温に合わせて温度を調節し、不要な場合はオフに。さらに、使用時以外は便座のフタを閉めて放熱を防ぐこと。節電タイマー機能があれば活用する。
【知っトク!】
便座の設定温度を「中」から「弱」に(1段階下げる)し、夏は電源を切ることで年間約710円、使用時以外はフタを閉めておくと年間約940円の電気代がオフ(貯湯式の場合)。
*資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」より
『レジャーシートで風呂のお湯を保温』
バスタブにためたお湯の保温には、不要になったアルミのレジャーシートを活用。バスタブの水面を覆う大きさにカットしたレジャーシートをお湯の上に乗せ、その上から風呂のフタをすれば、温かさが逃げていかない。寒くなるこれからの季節に!
『こまめに止めてシャワーの時間を1分減らす』
シャワーの時間を減らすと水道代だけでなく湯を沸かすガス代も節約できて一挙両得。出しっぱなしにしないでこまめに止めるのはもちろん、少ない湯量でも水圧を高めてくれるシャワーヘッドを使うのもおすすめ。
【知っトク!】
45℃のお湯のシャワーを使う時間を1日1分間短くした場合、年間でガス代&水道代が合わせて2670円減額。
*東京都「家庭の省エネハンドブック2022」より
地球にやさしい洗濯・アイロンのワザ【洗濯・乾燥機の知恵】
『洗濯は汚れのレベルに合わせてコースを選択』
ひどい汚れがなければ、洗濯機のスピードコースを選んでも十分。節電だけでなく、通常コースより20分以上早く仕上がるため時短にも。汚れ具合や洗濯物の量により、すすぎ回数や脱水時間などを調整することも効果あり。
『洗濯機には重いものから順に入れる』
洗濯機は底のほうが水流が強いので、パンツやパーカーなど丈夫で重いもの、汚れがひどいものを先に入れ、下着など軽いものは最後に入れる。重いものが下にあると洗濯機の回転効率も上がるので、無駄な電力使用も軽減。
『乾燥機にタオルを入れると乾きが早い』
乾燥機で洗濯物を乾かすときは、スタートする前に乾いたタオルを投入。タオルが洗濯物の水分を吸収してくれるので、乾燥時間を約10分短縮することができる。
『フィルターはまめに掃除』
乾燥機のフィルターが目詰まりを起こしてしまうと、乾燥に余計な時間がかかってしまう。使い古した歯ブラシなどを使って、こまめにゴミやホコリなどを取り除きお手入れをしておくこと。乾燥機の故障も防げる。
『乾燥機に入れる量は8割がベスト』
少量のほうが早く乾くのでよさそうだが、実は容量の80%程度で乾燥機を使うのがもっとも効率がよく省エネにつながる。洗濯機も乾燥機も少量を入れて毎日使うより、定格容量内でまとめて使うことで電気・水道代の節約に。
【知っトク!】
乾燥機を定格容量の8割で2日に1回使った場合と、4割で毎日使った場合、電気代は年間1130円異なる。
*資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」より
地球にやさしい洗濯・アイロンのワザ【アイロンの知恵】
『脱水は短くすぐに干す』
シワをつけたくない服は、脱水時間を短く。脱水後は洗濯物を畳んで重ね、重さでシワを伸ばし、なるべく早く干す。それでも“脱水ジワ”が強くついてしまったときは、シワの部分を霧吹きで湿らせてから、両手で挟んで叩く。
『ハンカチは余熱で十分』
ハンカチのアイロンがけは、シャツなどの衣類をかけ終わった最後に。3枚程度のハンカチなら、コンセントから抜いた後の余熱だけでも十分キレイに仕上げることができる。
『大きく上下に振ってよく叩く』
干すときには、まず洗濯物を大きく上下に振って大きなシワを取る。表面の細かなシワは両手で挟んで叩き、縫い目のシワは縫い目に沿って引っ張る。ワイシャツは一番上のボタンを留めて襟を立てて干すとキレイに。
『低温のものからかける』
アイロンは加熱時に電子レンジと同等の電力を使う。低温でアイロンがけするものから始めて、中温→高温→余熱で効率よく。加熱する回数を減らすべく、なるべくまとめてアイロンがけをするのもポイント。
『浴室の湿気でシワが取れる』
シワが残ってしまった衣類は、お湯を張った浴槽の上にひと晩かけておくと、翌朝には自然にシワが取れる。シワが取れたら、陰干しで湿気を取って乾かす。これでアイロンがけの手間を省ける。
〈取材・文/河端直子〉