小出恵介(38)撮影/渡邊智裕

「いろいろなことを経験して自分自身が裸になれました」

 こう語るのは小出恵介(38)。

 5年前、未成年との飲酒スキャンダルを起こした。

 映画『パッチギ!』で注目され、ドラマ『ごくせん第2シリーズ』『ROOKIES』『JIN−仁−』『梅ちゃん先生』や映画『僕の彼女はサイボーグ』『風が強く吹いている』などの人気作に出演し、俳優として順風満帆の最中に躓いた。

ニューヨークで武者修行の日々

小出恵介(38)撮影/渡邊智裕

「俳優を続けるべきか相当悩みました。自分だけでは決められないし、決められることでもない。いろんな方の反応や言葉を聞いて海外という道もあるのかなと思いました」

 大手芸能事務所アミューズを退社し2018年10月に単身、米国ニューヨークに渡った。

 現地では語学や演技の学校に通って“武者修行”。オーディションを受ける日々を送り '20年に歌手のMISIAが所属する芸能事務所と契約した。オフ・ブロードウェイのミュージカル『えんとつ町のプぺル』に主演予定だったが、コロナ禍のため延期に。

 昨夏、ABEMAオリジナルドラマ『酒癖50』で復帰した。

 今年2月には6年半ぶりの舞台『群盗』に主演。しかし、公演直前にコロナ感染陽性者が出たため初日延期となり、予定回数を減らしての公演となった。

軸足はハーフ&ハーフ
ニューヨークで永住権を取得し、日本と行き来する。
「ニューヨークでは海外の作品に関わりたいのでオーディションを受けています。現地では50歳で花開く人もいて、可能性は無限だと思います」

明石家さんまからのプレゼント

小出恵介(38)撮影/渡邊智裕

 自身は顔に帯状疱疹を発症した。

「主演をやらせていただきセリフも相当量あったので、舞台経験があるといっても久しぶりで怖かったです。ストレス? そう、なんですかね」

 復帰舞台には、明石家さんまからプレゼントされた楽屋のれんを下げて臨んだ。のれんの表には「門」と「laugh」、裏には「おちつけ」と文字がデザインされている。

「“おちつけ”は楽屋側から本番に向かう前にいちばん声をかけてもらってうれしい言葉で毎回、感じていました。表は“笑う門には福きたる”に根ざしていて、すてきなメッセージを込めて作っていただいたと思います。

 さんまさんには定期的に連絡をさせていただいています」と明かし、楽屋のれんは復帰の後押しに。

「人に恵まれていると思います。前の事務所でも言われていましたが、そのときは自分の俳優としての実力で仕事をいただいていると思っていたけど今は腑に落ちます。人に生かされていることを自覚して恩を返していきたいです」

5年前のことは折に触れて思い出す

小出恵介(38)撮影/渡邊智裕

 この5年を振り返って変わったこと、変わらないことは?

「(絶頂期の)20代半ばから後半は俳優・小出恵介を演じていたと思います。パブリックイメージにとらわれて斜に構えたりしてカッコをつけていたと思います。

 でも今は自分自身が裸になれました。自分の気持ちや素顔を出せるようになったし、(周囲から)自分がどう思われているのか受け入れることもでき他人の目を気にすることがなくなりました。(この5年は)すべてがつらいだけではなかった。語弊を恐れずに言えば楽になれたと感じることもあって大きく変わったところだと思います。

 変わらなかったのは、エンタメへの思いです。なくならなかったし、まったくすり減っていないのを実感しました

 そういう姿を昭和、平成、令和の3時代でブライダル業界に新風を吹き込んだ実在のウエディングプランナーを演じた主演映画『Bridal,mySong』(9月30日公開)でもぶつけた。

自分自身を変えないともう一度、ここ(エンタメ業界)に戻ることはできないと思いました。

 5年前のことは折に触れて思い出すことはあります。人生にタラレバはないけど(不祥事がなかったら)どうなっていただろうと想像もします。でも今は自分が果たすべきことが山のようにあるし、今の自分ならできそうな感覚もあります。

 休業期間を経て人間・小出恵介が試されている。(俳優として)何がプラスアルファされたのかは作品を通して見せていけたらと思います」

 挫折を乗り越え“完全復帰”を目指す。

結婚願望あります!
独身。自身の結婚プランについては「絶対にしたいし、遠くない未来だと思います。海外との縁もできて国際結婚もあるかもしれないです」。匂わせ発言!?

ヘアメイク/神川成二 スタイリスト/切金実紀 衣装/TAKEO KIKUCHI