9月18日NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第36回は中川大志(24)演じる畠山重忠の乱が描かれた。
重忠の長男・重保(杉田雷麟)に息子・政範(中川翼)を殺されたと思い込んだりく(宮沢りえ)が執権である夫・時政(板東彌十郎)に諫言し、鎌倉殿から畠山一族の追討の命令が下る。北条義時(小栗旬)らは重忠の潔白を知りながらも、泣く泣く討伐に向かうというもの。
SNSで絶賛のシーン
軍勢に取り囲まれた重忠に義時は馬を捨てて体当たりして一騎打ちを挑む。剣を捨てて、拳で殴り合う肉弾戦の末、重忠は義時を組み伏せて、横面に鎧通し(小刀)を突き立てるが、そのまま馬に乗って立ち去った。
その後、長澤まさみのナレーション、いわゆる「ナレ死」で重忠の討ち死が知らされた。この壮絶な場面に、視聴者は絶賛。
「主要キャストの中でダントツ若いのに負けていない」
「鎌倉武士の鑑畠山、格好良かった」
など、SNSでも中川の演技に対する賛辞が飛び交った。
放送直後に番組公式Twitterが更新され、オールアップ後の中川のインタビューが公開された。
その中で、「満身創痍って感じで、ここまで極限状態というか自分の体力的にも気持ち的にも 『あ! 1回やばい!」ってなったところから2、3段階超えた感じがして。楽しかったですよ。終わった今は、本当にすがすがしいというか(後略)」
長丁場の疲労とやり終えた達成感が入り交じったコメントだった。
ベテラン俳優に交じり孤軍奮闘だった中川
放送開始から義時や三浦義村(山本耕史)らの盟友として登場した重忠は、義時、義村と同年代の人物。しかし、中川の実年齢は25歳で、小栗や山本ら一回り、二回り年上の先輩に囲まれた中での演技は、相当なプレッシャーだったに違いない。
そんな中川が36回で一番印象に残ったシーンに挙げたのが、横田栄司演じる和田義盛が戦に向かう重忠を引き止める場面。「最後の一人まで戦い抜き、畠山の名前を歴史に残す」という重忠に義盛は「もうちょっと生きようぜ、楽しいこともあるぞ」と言うが、重忠の決意は固かった。のどかな田園風景が広がる場面から一気に戦闘モードに突入した。
盟友・和田義盛もまたボロボロだった…
義盛を演じた横田も、また文学座所属俳優で舞台を中心に活躍しており、今回初の大河ドラマのメインキャストに抜擢、中川とはまた違った意味で、大変なプレッシャーだったに違いない。プレッシャーのある中、お互いに助け合っていたのかもしれない。
9月20日号の『FLASH』には、「鎌倉殿」を撮影するスタジオの入口付近の写真が公開されている。鎧姿の小栗のマスクには「よこちんお疲れ様」と横山のあだ名が書かれていた。大役を演じ切った横田へのねぎらいの気持ちが感じられる。
『FLASH』の発売から数日後、横田が10月に予定されてた舞台『欲望という名の電車』の降板が発表された。肝機能障害と慢性疲労症候群とメンタルヘルスにおける不調の診断を受けたためという。
「鎌倉殿」の撮影は肉体的にも精神的にも過酷だったようで、横田もまた中川同様に満身創痍だったのかもしれない。
9月18日に中川は自身のInstagramに「気付けばいつも隣にいた人。大好きな人。」という言葉と共に横田とのツーショット写真を公開した。療養中の横山へのエール。ちなみにこの写真を撮ったのは小栗旬だった。
中川重忠は無念の最期を遂げたが、和田義盛は引き続き登場する。主人公・義時は父・時政夫婦を失脚させた後、いよいよ和田義盛と対決することになる。
「鎌倉殿の13人」からまだまだ目が離せない