「いしだ壱成です。今日はよろしくお願いします!」
9月下旬、男の姿は新宿・歌舞伎町にあった。この日、彼が“眠らない街”を訪れた理由は、ただひとつ。10月16日に“1日ホスト”として店に立つことになっている超人気ホストクラブ『CANDY』で、ホストの基本を学ぶため。週刊女性は、その一部始終と舞台裏に密着した。
――壱成さん、緊張してます?
「そりゃ、緊張しますよ。ホストになるのは、13年ぶりですからね」
壱成は、2009年に公開された『NIGHT☆KING ナイトキング』という映画で主演を務めており、同作でホスト役を演じた。
「そのときも研修というか、ホストとは、どういうことをするのかを、一応ひと通り習ったんですけど、全然もう覚えていないので。“イチからやれたら”と、改めて研修を受けさせていただくことになりました。でも、女性をエスコートするというのは得意だと思います(笑)」
――そもそも“1日ホスト”をやることになった経緯は?
「きっかけとしては、僕がプライベートのYouTubeチャンネル『いしだ壱成のインディゴチャンネル』を一緒にやっている制作チームが持ってきてくれた案件です。こちらの『CANDY』さんで以前、実業家の青汁王子さんや大人気YouTuberのEvisJap(えびすじゃっぷ)さんなどがホストを務める企画があったのですが、その続編としてなぜか僕に白羽の矢が(笑)。ホスト映画で主演したこともあって、僕に決まりました」
たばこの付け方で先輩から「あッぶなっ!」
9月18日には自身のインスタグラムで《みなさまじゃんじゃんボトル開けにきてください(ハートマーク)》と発表するなど、プロモーションも精力的。壱成の話を聞いていると、この日の“教官”が登場。研修を担当するのは『CANDY』の元カリスマホスト、“#きらお”さんと“なつ”さんだ。煌びやかな店内にある個室に入って、さっそく研修スタート。基本的なテーブルマナー、タバコの火のつけ方、ホスト業界で“爆弾”と呼ばれるNG行為についての説明を受ける。
なつ「僕が先に、席へのつき方を見せるので、その後に実践してみてください」
壱成が客役としてソファーに座ると、なつさんが流れるように挨拶と所作を見せる。その後、壱成の番では、#きらおさんが客の役となり、厳しい目でしっかりチェック。緊張からか、壱成はときおり手が震えてしまう場面も。それでも、かつての経験は活きていたようで……。
#きらお「映画で覚えたんですか? すごくスマートな身のこなしですね!」
お褒めの言葉をもらったが、夜の世界には特有のマナーも多い。
#きらお「お酒を作るとき、けっこう注意しても物音がしちゃうんですよ。だから、テーブルに瓶やグラスを置くときは、角から滑らせるように丁寧に。あと、注ぐときのボトルは、すべてラベルが上。ファーストドリンクを作るのを、もう少し早めにできるといいですね」
壱成「あ〜! はい! いや〜、難しいなあ……」
本番に向けての修行は続く。タバコに関するマナーでは、こんな場面も。
壱成「失礼します!」
タバコを咥えたなつさんの顔の前で、ライターの火をつけてタバコに灯そうとする壱成。
#きらお「あッぶなっ! 燃えちゃいますよ!(苦笑)。火も、つけ方があるんです。まず、火の大きさは、ほどほどに。そして手元でつけて、手元で消す」
なつ「理由としては、顔の前でつけるとお客様の前髪が燃えてしまう可能性があるので」
壱成「……ですよね。すみません、気をつけます!」
再度挑戦すると……。
#きらお「お〜。やっぱうまいですよね。飲み込みがすべて早い。さすがナイトキング(笑)」
「下ネタが暴走しないか、ちょっと心配」
最後に、絶対的なNG行為という“爆弾”についてのレクチャー。
なつ「悪意を持って周りの人間を蹴落とす行為、自分の利益のために仲間を裏切るのが“爆弾”です。ほかのキャストのお客様にどれだけカワイイ子がいたとしても、そこで口説いたり、寝取っちゃったりとか、外で勝手に会ったりというのが“爆弾”にあたるので、気をつけてください。担当以外のお客様には、連絡先を聞かない、教えない。もし向こうからSNS経由でDMが来たとしても、すぐ担当のキャストに伝えるなどの対応をお願いします」
#きらお「いっぱいDM来そうだけど、気をつけてくださいね。でも、壱成さんって女性だったら誰でもアリとか、そういうの大丈夫ですか?(笑)」
壱成「いやいや、そんな見境ないことナイです!(苦笑)」
なつ「それと、職業や年齢など、数字に関わるような内容の話はしない。あとは、過度な下ネタを言わなければ大丈夫です」
壱成「気をつけます!(笑)」
――――
“新人ホスト”同様の研修を終えた壱成に、改めて話を聞いてみた。
――研修を終えて、率直な感想は?
「いつも飲み屋さんでは、客として飲んでいるばっかりなので、接客側にまわると全然違うんだなって、正直、焦りましたね。久しぶりに緊張しました(笑)。やっぱり忘れていることも多かったから、研修できてよかったです」
――1日ホストに挑む意気込みは?
「先日スポーツ新聞のインタビューにも答えたんですが、そのときテキーラいっぱい飲んでて酔っ払っちゃってて、“1日の売り上げ5000万円!”とかメチャクチャ高い目標を語っちゃって。まあ、それくらいのお金を出してくれそうな友達は、いることにはいるんですけど。実際に来て注文してくれるかはわかりませんが、頼んでみようと思います」
――何か、当日の“作戦”は考えている?
「もう、完全にぶっつけ本番。飲み過ぎて吐こうがどうなろうが、とにかく身体を張って、たくさん飲もうと思ってます。ただ僕、シャンパンと相性悪くて、記憶なくしちゃうんですよね。“シャンパンタワー連発”なんて、できたらいいんですけど、ちょっと心配……。あ、いや、でも、みなさんぜひご協力をお願いします(笑)」
――絶対にしちゃいけない“爆弾”は守れそう?
「もちろん守りますよ、当たり前じゃないですか! まあ、でも酔うと忘れちゃうかな……。シャンパンですもんね〜。多分マズイことになるんじゃないかな……。下ネタが暴走しないか、ちょっと心配です(笑)」
スペシャルゲストで石田純一も登場?
――ほかのキャストのお客さんに手を出さないよう、かなり厳重に言われていましたね?(笑)
「実は、今日の先生たちと前に飲んだことがあって。そのとき、さんざんいろんな話を聞いてもらったので、それが原因かな~(笑)」
――スペシャルゲストで石田純一さんも登場する?
「来てくれるといいなと思ってます。お笑い芸人の小石田純一さんも、連絡先は知らないけど、ぜひ来てくれたら!(笑)。父には“こういうことをやるから来てよ”と伝えたら“え、俺が!? いやいや俺なんか……、じゃあ、テーブル3つくらい持とうかな”って、けっこうノリノリで返してくれました(笑)」
――1日ホストは、親子対決に?
「もし来てくれたら、そういう形も面白いかなと。でも、そうとうなお金持ち連れてくるんでしょうね。“〇〇社長と△△社長と……”なんて言ってましたから。味方としては心強いけど、敵としては手強いですね(笑)。2人で、お店を盛り上げられたらなと思います」
――坂本一生さんなどホスト経験者の著名人からは《遊び感覚ではお客さまを満足させるのは厳しい》という厳しい声もあります。
「それは厳しいでしょうね。一筋縄ではいかないだろうし、簡単じゃないだろうなと、もちろん思ってます。そこは気を引き締めて、冷静に……とはいっても当日は酔っ払っちゃうんだろーなー。とりあえず飲むしかない!(笑)。楽しみではありますけど、翌日が朝イチから映画の撮影で、それが心配。まあ、映画のことはいったん忘れて……あ、忘れちゃだめか(笑)」
笑顔で研修を終えた壱成。来たる10月16日、純一と2人で歌舞伎町の“王”となれるか!?