《最終回、感動して泣いた》
絶賛の声がSNS上で上がっているのは、9月29日に最終回を迎えた『六本木クラス』(テレビ朝日系)。
「'20年に大ヒットした韓国ドラマ『梨泰院クラス』のリメイク作品です。視聴率が低下したときもありましたが、最終回の世帯平均視聴率は10・7%で番組最高を記録しました」(スポーツ紙記者)
放送開始前や直後は『梨泰院』ファンを中心に賛否があったが、終わってみれば人気ドラマとなった。メディア研究家の衣輪晋一さんはこう話す。
「オリジナルと比べて話数が少ない関係で、序盤の伏線部分がカットになっているなどの批判がありました。オリジナルは世界的にヒットしたので、叩かれるのは仕方がない面も。話が進むにつれて、その評判を覆していったのは驚きです」
日本的な文化が出た原作改変
オリジナルの“完コピ”ではなく、変更したことで好評を博した場面もあった。
「オリジナルにあったキスシーンがバックハグに変更。日本ならではの奥ゆかしさが表現されています」(衣輪さん、以下同)
香川照之演じる宿敵・長屋茂が土下座をしなかったのも“日本流”のアレンジ。
「オリジナルにあった土下座シーンは、『六本木』では竹内涼真さん演じる宮部新が止めていました。土下座をさせなかったことで、より惨めに見せる演出になったと思います。あえてしないことで何か意味を持たせるという日本的な文化が出ています」
最後は長屋ホールディングスを買収し、復讐を遂げて終わりを迎えた『六本木クラス』。主人公を演じた竹内も、このドラマに強い思いがあったようだ。
「竹内さんは共演者と積極的に食事に行ったりして、コミュニケーションをとっていました。まさに“座長”として現場を引っ張ってくれたそうです」(制作会社関係者)
日曜劇場『DCU』阿部寛のバディは竹内涼真だった!?
並々ならぬ覚悟。それがあるドラマのオファーを蹴るという決断にも至ったという。
「今年1月クールで放送されたTBS系の日曜劇場『DCU』です。阿部寛さん主演で、海上保安庁とタッグを組んだ大作でしたが、実は阿部さんのバディ役という重要な役は当初、竹内さんにオファーが来ていたようです。ですが“『六本木クラス』に集中したい”という理由で断り、結果的にその役は横浜流星さんが演じることになりました。
『DCU』の撮影は3月までで、六本木クラスは5月にクランクイン。2か月の準備期間では、宮部新を演じるにあたって足りないということだったのでしょう。竹内さんがいかにこの作品に懸けていたかがわかります」(芸能プロ関係者)
同じ役でキャスティングされていた竹内と横浜。2人は半年後、映画で共演を果たす。
「2人がW主演という形で出演した映画『アキラとあきら』が8月末に公開されました。舞台挨拶や公開前のイベントなどでは息の合ったところを見せていましたが、実は『DCU』というドラマをめぐって不思議な縁があったんです」(同・芸能プロ関係者)
『DCU』のキャスティングについてTBSに問い合わせたが、期日までに返答はなかった。
竹内の作品に懸ける信念と気合が見事、逆転勝利を呼び込んだ。
衣輪晋一 メディア研究家。雑誌『TVガイド』やニュースサイト『ORICON NEWS』など多くのメディアで執筆するほか、制作会社でのドラマ企画アドバイザーなど幅広く活動中