逮捕から2年、ようやく“以前のような道”を歩み出したのかもしれない――。
2020年9月に大麻取締法違反容疑で逮捕され、懲役1年、執行猶予3年の判決が言い渡された伊勢谷友介。今年8月、週刊女性PRIMEは伊勢谷が月額制の『OFFICIAL FAN COMMUNITY』を立ち上げたことを伝えた。会員制のサロンでは日々サーフィンに興じる彼の“陽キャ”すぎる姿が多々見られる。
悠々自適な生活を送っていると思われた伊勢谷だが、そんな姿をファンに届けたいだけでない、彼が会員制サロンで“本当にやりたい”ことが見えてきている。
「最近、会員制サロンではライブ配信が多くなっているのですが、そこで強く語っているのは、“日本の政治や社会”や“生き方”の問題についてです」(伊勢谷のファン、以下同)
自宅から、もしくはお気に入りのカスタムされたワゴン車内で、紫煙をくゆらせながら語る伊勢谷は非常に饒舌だ。
「伊勢谷さんは会員制サロンを、日本の政治や社会のこと、人としてどう生きるかということついて“考える場”にしたい、そういったことを考える“仲間”を増やしたいという考えでやっているようです。もともと伊勢谷さんは芸能活動と並行して地方創生に取り組んでいましたから、新しいことを始めたというより、回帰・再始動したといったほうが正しいかもしれませんね」(同・伊勢谷のファン)
俳優や映画監督としての顔だけでなく、自身が代表を務める会社を設立。“水・エネルギー・教育・メディア映画といった分野での社会活動を行う”『REBIRTH PROJECT』を進めていた。その一環で取り組んでいたのが地方創生だ。
「山口県では“志”を持って“行動”を起こせる『人材育成プログラム』を実施。新潟県では農産品のブランディングをサポート。栃木県那須塩原市では町作りプロジェクトのプロデューサーを務め、町の開発に関わっていました」(芸能プロ関係者)
日本の選挙制度に物申す伊勢谷
現在、伊勢谷がサロンのライブ配信でいちばん訴えているのは、日本の選挙制度について。
「今のように人や政党に投票するシステムではなく、1つ1つ“意見”や“アイデア”に投票できるようにすべきと強く訴えていますね。選挙によって議員を選ぶのではなく、“この問題はこうしたら良いのではないか”という考えに投票できるようにというものです。現在の選挙制度ならば、“選挙に行かなくていい”、“政治家がいらない政治システムが、次の未来を作る”と話しています」(前出・伊勢谷のファン)
伊勢谷はサロンメンバーに次のように呼びかける。
《自分が関わりなくて、特別詳しくなければ投票しなくてもいい。わかっている人が、少ない投票率かもしれないけど、そのなかで効果を出せる。効果を出せるというか、新しい選択肢を取っていける》
《全員が投票するなんてことは全然しなくていい》
“自分が関わりがないことであれば投票しなくていい”であれば、伊勢谷が話すように“少ない投票率”となってしまう。それは果たして良いことなのか。“効果を出せる”のか……。
逮捕前からこのようなアイデアを持っていたという伊勢谷。この考えが浮かんだのは、自身が代表を務める会社で進めていた『REBIRTH PROJECT』で、オランダのアムステルダム、アメリカのポートランドを視察。画期的な市民投票で“社会”が作られる地域を目の当たりにしたから。《政治家がいない仕組みを作ることができれば、殺される必要も、殺す必要もない》という。
政治家が“殺される”“殺す”は、先日国葬が行われた安倍晋三元首相を指していると思われる……。
“安楽死”が認められないことへの不満
ときには酒を飲みながらの配信もある。すると一層饒舌に話す。
「ブランド物が憧れの対象だったり、逆に安物が大量生産されているといった資本主義社会における“物質主義”への不満、“安楽死”が認められないことへの不満、外国人と違いお酒の席で政治の話をしない日本人について、現在の貨幣システムなどなど……。安楽死までいくとちょっとついていけないな……なんて思ったりするのですが(苦笑)」(前出・伊勢谷のファン)
伊勢谷の理想は、ヒッピー文化におけるコミューン(小規模な生活共同体。場合によっては財産を共有することもある)のようなものか。大量生産の最たるものと言える『ユニクロ』や『100円ショップ』については「あんなものなくなるべき」と強い口調で否定している。かつて伊勢谷はそのユニクロのCMに出演していたのだが……。
思想をサロンで発信し、自身が考える素晴らしい“町”を作る。似たようなことを続けている者がいる。『キングコング』の西野亮廣だ。彼は“信者”とも揶揄されるファンと共に『町づくり』を進めている。その町は紛うことなき“西野ワールド”になるだろう。前出とは別の伊勢谷のファンがその対比について次のように話す。
「伊勢谷さんは西野さんのように共感したファンを集めて……とは考えていないようです。“自分たちで考え、社会を作っていく”という思想のもと、それぞれがそれぞれの町でやってほしい、“俺ワールド”にしてはいけないと思っていると話しています」
ライブ配信中の“脇見運転”を指摘される
大麻による逮捕によってストップしてしまった活動だが、“政治家がいない社会”をどこかの地域で作りたいようだ。しかし、そこにはハードルが。“前歴”だ。
《いかんせん今の僕にいたってはこれをしたいあれをしたいって言ったところで、社会的信用みたいなのは、そこについてもアホな話なんですけど、基本的にはそんなに信用されていないと思うので、信用があるって条件が作られてからやっぱりやってかないとなって思ってます。何か代表業的なこと》(伊勢谷)
『REBIRTH PROJECT』の代表を務めていた伊勢谷だが、逮捕時に辞任している。また新たな“代表”に返り咲き、理想の社会を築くことができるか。
ただ1つ、気になることは……。
「10月最初の配信は、明らかに車を運転しながらのものに見えました。助手席にスマホもしくはタブレットを置いていたのですが、コメントを読むたびに横を向いて画面を見ていたので……。運転中の配信は脇見運転になっちゃうので、やめたほうが……」(前出・伊勢谷のファン)