『阪神タイガース』には熱狂的ファンが多いことで知られる

 10月8日、プロ野球・日本シリーズ進出を争う『クライマックスシリーズ』ファーストステージが開幕した。

 セ・リーグ2位の『横浜DeNAベイスターズ』が、本拠地の横浜スタイジアムに迎えたのは3位の『阪神タイガース』。試合は2対0で勝利した阪神がファイナルステージ進出をぐっと引き寄せたのだが、その勝利に水をさすような現地の阪神ファンによる応援が物議を呼んでいる。何が起きたのかーー。

「どうやらレフトスタンドに陣取った数百人規模の阪神ファンが、得点時の定番“応援歌”である『六甲おろし』を集団で大合唱をしたというのです。

 この様子を収めた動画がネットに拡散されているのですが、慌てた警備員が阪神ファンの元に駆けつけて注意してスタンドを回るもお構いなし。結局、最後まで歌い切って万歳三唱までしてしまった(苦笑)」(Webニュースメディア・ライター)

 動画を確認してみると、DeNAファンが多くを占める横浜スタジアム内の一角で、大盛り上がりする阪神ファンの姿があった。静かに座って戦況を見守っていたDeNAファンとは打って変わって、総立ちで『六甲おろし』を大合唱する阪神ファン。

 もちろん、この“ギャップ”は試合を優位に進めているチームファンの熱量の差であり、通常時では球場でよく見かける光景ではある。

 この振る舞いに、SNSでは《何を今更こんなん通常運転やないか》《大阪な感じで俺は好き》と、これぞ阪神ファンという見向きもある一方で、

球場での声出し応援は禁止されている

《いつから声出しOKになった?》

《これするから、阪神応援してても一緒くたに嫌な目で見られるからやなんだ…大人しくしてくれないのかな》

《まーた現地の自称阪神ファンがバカ騒ぎしとるんか 大阪の恥や 二度と関西に帰ってくるな》

 そう、新規感染者数は減少しているとはいえ、今なおコロナ禍にある状況だ。球場でも感染対策が取られて規制が敷かれている中での『六甲おろし』に、同じ阪神ファンと思われるユーザーからも批判的な声が向くのは当然ということか。

 横浜スタジアム公式HPを確認すると、現在も【新型コロナウイルス感染症対策】が行われており、【大声での応援、立ち上がっての応援】【大声での球団歌や応援歌等の歌唱】を感染リスクの高い応援として禁止している。ルールを遵守する警備員が止めに入るのも必然というわけだ。

「実はプロ野球において、“声出し応援”ができる状況は整えられ始めています」とは、プロ野球の現場取材を重ねるスポーツジャーナリスト。では、阪神ファンの応援はOKだった?

条件付きで声出し応援を認めている

「日本野球機構(NPB)は9月にコロナに関するガイドラインを改定し、条件付きでの声出し応援を認めることにしています。各自治体に感染対策等の安全確認をした上で、声を出して応援するエリアに限って収容人数を50%にするというものです」

 その“声出し限定エリア”以外では100%の収容が可能で、この規制緩和は先にJリーグでも導入されているとのこと。ただ横浜スタジアムにおいては適用されず、まだ“解禁”にはなっていないようだが……。

「問題の動画によると、阪神ファンが集まったビジター席は見たところ収容人数100%のようですね(苦笑)。声出し応援のエリアとして成立していないように見えます。

 阪神だけでなく、プロ野球ファンにとってフラストレーションがたまるコロナ禍でのシーズンだけに気持ちはわかります。が、そこは球場に足を運んだファンの“代表”としてルールを守ってほしいですし、選手にも迷惑がかかる行為であることを理解してほしいですね」(前出・スポーツジャーナリスト)

 この日の試合後には勝利の美酒に酔いしれ過ぎてしまったのか、阪神タイガースのユニフォームを着たファンがスタジアムから担架で運び出される騒動も起きていたようだ。チームが勝利した時だからこそ、節度ある行動を願いたい。

 
SNSに投稿された『阪神タイガース』ファンが大合唱した「六甲おろし」。警備員が止めに入るも

 

SNSに投稿された『阪神タイガース』ファンが大合唱した「六甲おろし」

 

SNSに投稿された『阪神タイガース』ファンが大合唱した「六甲おろし」

 

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