「久々の主演映画だったので、緊張感はもちろんありました。でも、主演に対しての気負いはそこまでなかったです」
高杉真宙、久々の主演映画について語る
10月14日『いつか、いつも……いつまでも。』が公開を迎える。海辺の小さな町の診療所で、祖父(石橋蓮司)とともに医師として働く市川俊英(高杉真宙)。ある日、思いを寄せる女性にそっくりの亜子(関水渚)が現れる。行き場がなく、市川家で暮らし始めると、その破天荒さに振り回されまくり。あっけなく、理想は砕け散るが……。
「俊英は人と積極的に関わることへのしんどさや怖さを抱えた人。そして、思ったことを素直に伝えられない。だからこそ、いろんなところでこじれているという印象ですね(笑)。“こうだ”と思ったことに対して、なかなか意見を変えない頑固なところは、僕と似てるかな?」
傍若無人に振る舞う亜子ゆえに、そんな性格の俊英も次第に感情をぶつけることができるように。最悪だった出会いは、いつしか恋に。
「あれだけ最初にボコボコにされたら、遠慮なくぶつかれそうですよね。正当防衛(笑)。僕自身、思ったことをはっきり言わないほうが苦手なので、亜子くらい主張する女性のほうが信頼関係は築けるんじゃないかな?」
実は心に傷を抱えていた亜子を、やさしく包み込んでいく俊英と市川家の人々。
「なかなか人とのつながりを感じることのできなくなった世の中で、家族の温かさやつながりを当たり前のように感じることができる作品だと思います」
本作『いつか、いつも……いつまでも。』のタイトルにちなみ、いつ、大切な人に出会いたい?
「いつだろうなぁ? 逆に、出会う準備はいつでもできています。いつでもウェルカム。出会うべき人ならば、20代でも30代でも40代でも、いつでも大丈夫ですね」
では、どんな女性であればいつも一緒にいられそう?
「リズムが合う人じゃないかな? たま~に食べたいものがカブるとか。そして、自分の世界がある人のほうがいいですね」
よい関係をいつまでも続けるために必要だと思うことは、
「“知りたい”と思うことじゃないですか? 多分、知るっていうことは、何事も長続きする要素なのかなと思います」
個人事務所になってからの高杉
昨年4月に独立し、個人事務所を設立している。
「20歳を越えてみんなが社会人になっていく中、自分の職業だけ少し世間とかけ離れているというか、特殊なところがあるように感じていて。
それに甘えないようにしなきゃと思いつつも、やっぱり少しずつズレが出てくる違和感があって。そういう、ひとつひとつを注意しながらやっていきたいと思ったことは大きいです」
俳優業だけでなく、実務的な仕事もこなしているという。
「やっぱり大変です。1年半やってみて、大変じゃなかったことは何もないですね。やっぱり慣れてないですし。ただ、知ることって、初期のころの面白さを上乗せさせてくれるものだと思っていて。
多分、何かができたときって、もうひとつ知ることができたのと同じだと思うんです。知らないことを知りたいから、ひとつひとつやっていく。それが僕の中では重要なことなんです」
今年1月からは『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)内のコーナー『グルメチキンレース・ゴチになります!』のレギュラーに。また10月から始まった朝ドラ『舞いあがれ!』にも出演するなど、順風満帆に見える。
「今後ですか? 人として当たり前のことができる俳優、大人でありたい。何て言うのかな? 世の中とのズレがないように生きていけたらいいなと思います」
●俊英と亜子はひとつ屋根の下で暮らすことになるが、同棲への憧れは?
「うーん……。できる要素が見つからないんですよね(笑)。僕は中学生のころから、(事務所の)寮で生活していて。寮といってもシェアハウスのような感じで、自分の部屋はあったから、ほぼひとり暮らしみたいなもので。
もう長い間、人とは一緒に暮らしていないから、ひとりがいいと信じ込んでいるところもあって。ひとりが大好きなんですよ。友達から“一緒に住もう”と提案されたときは全力で拒否しましたし(笑)。だから同棲は、できるならしてみたいけど、ハードルは高そうです(笑)」
2022年10月14日(金)より全国公開