撮影会に参加していたころの奈緒。当時は18歳だった(イベント会社HPより)

「いただきまーーす!」

 大口を開けて、クレープを頬張る奈緒。10月5日放送の『1周回って知らない話3時間SP!』(日本テレビ系)に出演し、10代のころは地元・福岡でローカルタレントだった過去を明かした。

「当時の映像が流れた後、苦手だった“食リポ”のリベンジをしましたが、今もうまくできないことが判明しました(笑)」(テレビ局関係者)

 '15年に20歳で上京。女優としてのキャリアを重ねてきた。'18年のNHK朝ドラ『半分、青い。』では、主人公・永野芽郁の親友役を熱演。'19年に放送された『あなたの番です』(日本テレビ系)では、ストーカー気質の危険な女性を演じて注目された。

 現在放送中の『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)では、念願の民放ドラマ初主演。家なし、金なし、仕事なしで人生崖っぷちのシングルマザーを体当たりで演じている。

「公開中の映画『マイ・ブロークン・マリコ』でも、再び永野芽郁さんの親友役で出演し、存在感を発揮しています」(映画ライター)

明かしていない“下積み時代”

ドラマ『ファーストペンギン!』のロケに参加する、奈緒、鈴木伸之、上村侑。奈緒は、撮影後スタッフと記念撮影をして次の現場へ

 昨年公開の映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』ではヒロインの夫の不倫相手役を、同年の『君は永遠にそいつらより若い』では心に傷を抱える女性を演じた。

「作品ごとに、まったく違うキャラになりきるので“カメレオン女優”と呼ばれています。奈緒さんを起用したいという監督は少なくありません」(同・映画ライター)

 演技力が評価される一方、バラエティー番組では“天然な人柄”が愛されている。

「'20年には『櫻井・有吉 THE夜会』に出演して“大のイカ好き”を猛アピールしていました。“お寿司屋さんでは自分がイカにとって最後の客になるまでイカを注文します”という変なこだわりを熱弁していました」(前出・テレビ局関係者)

 そんな、何でも包み隠さず話す奈緒だが、まだ明かしていない“下積み時代”がある

緊張で“借りてきた猫”状態に

売れる前の女優やグラビアアイドル、レースクイーンが被写体になって、私服や水着姿で素人のカメラマンに撮られる、いわゆる“モデル撮影会”に奈緒さんも参加していました。彼女が参加していたのは、主に福岡で行われている撮影会で、'12年ごろから約2年間、月に1~2回ペースで撮影モデルをやっていました」(地方のテレビ局スタッフ)

 その撮影会を主催するイベント会社のサイトには、当時の奈緒がポーズをつけて微笑む写真が今も掲載されている。撮影会をリポートしたブログには、複数のおじさんカメラマンのレンズに囲まれた奈緒の姿も確認できた。

撮影会に参加していたころの奈緒。当時は18歳だった(イベント会社HPより)

 撮影会を主催する会社に話を聞いてみると、

当時の奈緒さんが所属していたモデル事務所とウチが提携しており、新人さんに“撮影慣れ”をしてもらうために撮影会に来てもらっていました。奈緒さんは最初から人気でしたね。モデルを始めたばかりなのに勘がよくて“こんな上手に撮れるんだ!”とカメラマンに思わせてくれるので、みんな喜んでいました」(撮影会の担当者)

 当時は今のような天然キャラではなかったという。

おとなしくて、まさに“借りてきた猫”(笑)。緊張していたんでしょう」(同・撮影会の担当者)

撮影会に参加していたころの奈緒。当時は18歳だった(イベント会社HPより)

 学生時代も特に目立つ生徒ではなかった。高校時代の恩師が振り返る。

授業はまじめに受けていたし、おとなしかった印象です。でも、人を惹きつけるところはありました。いつも笑顔で、自然と彼女のもとに人が集まるような。今はテレビで見ていますが、笑顔は変わっていませんね。天然なエピソードを披露しているのは意外でしたけど(笑)

 母親は芸能活動を反対したが、上京した後、人気脚本家の野島伸司氏が監修する俳優養成スクール『ポーラスター東京アカデミー』のオーディションに挑む。今のスタッフは当時の奈緒を覚えていた。

スッピンで、すごくダサい格好でやって来て(笑)。本人いわく、着飾っても見透かされると思っていたそうです。でも、彼女が演技を始めたら、審査員が全員、顔を上げて、その芝居に見入るほどでした

 見事、レッスン生として合格。初めてのレッスンでも強い印象を残していた。

「自己紹介で“みなさん、カレーはお好きですか?”と始めたんです(笑)。自分の好物らしいのですが、あんなレッスン生は見たことありませんでした」(同・スタッフ)

芸能界で特に仲が良いのが……

 野島氏から演技を学び、アカデミーを卒業して、ドラマや映画に出るように。

 '19年に公開された映画『ハルカの陶』では初主演を果たす。同作の末次成人監督は、奈緒の評判をこう明かす。

「彼女は気さくで誰に対しても壁がない。ロケ先のお店の人とも、たわいない会話で談笑していました。現場を明るくしてくれ、スタッフは“奈緒ちゃんが座長でよかった”と口をそろえていました。陶芸がテーマの映画だったので、オフのときも陶芸の練習をするなど、努力家でした」

 売れっ子になり、多忙の今でも周囲を気遣う姿勢は変わらない。奈緒のマネージャーも謙遜しながら、こう話す。

「ありがたいことに、仕事をご一緒すると必ずといっていいほど、リピートしていただけます。芝居以上に、彼女の人柄がそうさせるんでしょうね。ただ……」

 マネージャーは苦笑いしながら、こんな一面も白状する。

忘れ物をよくするんです。最近は減りましたけど、必ずといっていいほど現場に忘れ物をしていく。帰る前に本人に確認すると“大丈夫です!”と自信満々に言うのですが、何かしら忘れている。あるときは、衣装の靴を履いたまま、帰ってしまい慌てて現場に戻ったこともありました

 芸能界にも友人が多いが、特に仲がいいのが松尾諭。

松尾諭

数年前にドラマで共演して、意気投合したようです。今では家族ぐるみの付き合いです」(舞台関係者)

 ふたりともお酒が好きで、飲みに行くことも多い。

松尾さんと一緒に飲んでいたとき、おもむろに奈緒さんに電話をかけて呼び出していました。そうしたら、奈緒さんもすぐにやって来て。松尾さんは奈緒さんに対して先輩風を吹かせていましたが、奈緒さんはそれをおだてながらも聞き流して、好きにお酒を飲んでいる感じ。“私、お酒が本当に好きなんです”と言っていましたから。その日も朝まで飲みました(笑)」(同・舞台関係者)

 どんな話を聞いても、黒白反転していい話!