硬貨の表と裏は法律では決められていないものの、造幣局での慣例的には右側が表面、左側が裏面とされている

 日常の気になる疑問を解決!5円玉と50円玉だけに穴があいているのはなぜか。知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。

知って楽しい!おもしろ雑学

Q.どうして5円玉と50円玉だけに穴があいているの?

A.ほかの硬貨と区別しやすくするためと、材料費の節約のためが主な理由です。
(造幣局広報担当 木村幸司さん)

 キャッシュレス化が急速に進んでいる現代だが、常日頃、硬貨に慣れ親しんでいて気になることが。それは5円玉と50円玉の穴。なぜこの2つだけに穴があいているのだろう。

 造幣局の木村幸司さんによると「5円硬貨も50円硬貨も発行当時、穴はあいていませんでしたが、流通してから次第に問題が出てきました。それはほかの硬貨との見分けづらさ。50円硬貨は100円硬貨と同じ色で、5円硬貨は当時の1円硬貨と同じ色、大きさだったので、間違えることが多かったんです。そこで、穴をあけて判別しやすくしました」とのこと。

 5円硬貨に穴があいたのは1949年。ちょうど景気が悪かったころだが、物資不足も関係していたのだろうか。

「景気の悪化が影響しているかどうかはわからないのですが、材料費の節約といった目的はあります」(木村さん、以下同)

 硬貨は人の暮らしに大きく関わっているため、時代を反映して変化している。5円玉と同じ色、大きさだった昔の1円玉が、使われなくなったのも時代が関係しているそう。

「そのときの1円硬貨には黄銅が使われていましたが、その黄銅の価格が上昇して、1円硬貨の価値が1円以上になったのです。すると、1円玉を溶かして金属材料として使う人や、換金して儲けようとする人が出てくる危険性があるため、現在のアルミでできた1円玉になったのです」

 いつも目にしているけど、見過ごしがちな硬貨。着目してみるとおもしろいかも。