世界的トレンドになっている一糸乱れぬ“シンクロダンス”が、トラジャの売りのひとつ

 10月28日にグローバルデビューシングル『JUST DANCE!』でメジャーデビューをしたジャニーズJr.内ユニットTravis Japan(トラジャ)。

 2012年に結成されたキャリアの長いグループであること、デビューの保証もない状態で今年3月にアメリカ・ロサンゼルスに無期限で留学に臨んだ苦労が報われたことから、多くのファンが祝福しているものの、デビュー発表の日にネットが荒れたのは記憶に新しい。

当記事は「日刊大衆」(運営:双葉社)の提供記事です

「正式発表があったのは9月29日朝6時だったんですが、その前日の夜に彼らのデビューを『文春オンライン』にすっぱ抜かれてしまったんですよね。その件はツイッターでトレンド入りし、『文春オンライン』を読んでいなかった長年トラジャを応援していたファンも、フライングでデビューを知ってしまった。

 そのため朝の情報番組などでトラジャのビデオメッセージこそあったものの、“文春が先に報じてすでに知っているファンが大半の状況で公式からの発表は簡素なメールだけ”だった、というなんともガッカリな感じになってしまったんです。このフライング報道にジャニーズ事務所は、本当に怒り心頭だったという話ですね」(ワイドショー関係者)

 実はジャニーズは、トラジャのデビューを、本来であれば「世界同時発表」で告知するつもりだったという。

トラジャの所属レーベルはアメリカのレコード会社

「ウワサ程度ならともかく、《デビューが近日中にも公式に発表されることが文春オンラインの取材でわかった》という確定報道は滅多にない。“世界同時発表”が台無しになってしまったわけです。今は亡きジャニー喜多川先代社長(享年87/2019年没)にとって、長年の夢だった所属グループの全世界デビューにケチがつく形になってしまったわけですから、ジャニーズ事務所が怒るのも無理はないですよね」(前同)

 トラジャは、アメリカはロサンゼルスに本社を置くユニバーサル・ミュージック・グループ傘下の大手レコードレーベル『Capital Records』との契約でデビュー。楽曲は249国と地域で配信予定とのことで、 “全世界デビュー”を叶えたが、実はこの全世界戦略については、別のグループが先に行なう可能性もあったという。

 レコード会社関係者は話す。

2018年にジャニーさんが生涯最後にデビューさせたグループでもある、King&Princeです。彼らの所属レーベルは、日本に拠点を置く外資系レコード会社の中では最大手の『ユニバーサルミュージック』が立ち上げた新社内レーベル『Johnnys‘Universe』ですね。

 海外展開を視野に入れるため、外資系レコード会社を選ぶ……妥当な選択に見えますが、これはジャニーさんの姉で“メリー喜多川”の愛称で知られた藤島メリー泰子名誉会長(享年93/2021年没)の発案だといいます。

 それというのも、本来、ジャニーさんはキンプリを『JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント』でデビューさせたかった、というんですよ」

 2014年に『JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント』に名称変更する前の名前は『ビクターエンタテインメント』。往年のジャニーズファンなら、ピンと来る人も多いかもしれない。

「第2のSMAP」とはならなかった

『ビクター』は、あのSMAPの所属レーベルですよね。知っての通り、SMAPはジャニーさんにとっても、ジャニーズ事務所にとっても特別なグループ。ジャニーさんはキンプリを“第二のSMAP”にしたいという思いが強く、ビクターでのデビューを進めていたといいます。

 実際、キンプリは2010年代にデビューしたグループでは総合力が際立って高いグループだし、全員がアイドル活動だけでなく、ドラマでもバラエティでも引っ張りだこの存在になっていますよね」(前同)

 しかし、そんなジャニー氏に対してメリー氏が「彼らには世界展開を」ということで、現在の『ユニバーサルミュージック』に急転直下、決まったという。

トラジャにはアメリカ国内では厳しい声も

 前出のレコード会社関係者は続ける。

「ただ、キンプリは国内での活躍は目覚ましいものの、まだまだどうしてもSMAPには及ばないところはあるし、グループの世界進出も果たせているとは言い難い。もちろん、キンプリだけでなくレコード会社サイドの細かい戦略もあるでしょうし……彼らが、現在のジャニーズでトップクラスの人気を誇っていることは間違いないんですが。

 トラジャについても、7月にアメリカの世界的人気オーディション番組『America's Got Talent(AGT)』に出演を果たし、審査員や観客から大歓声を浴び、セミファイナルに進出したことが大々的に報道されてデビューに拍車をかけましたが、『AGT』の一部の審査員からは“音程を外しているし、ラップもよくない。まるで何かのパロディだ”といった厳しい指摘もあったといいます。

 ファンの間ではジャニーズ事務所副社長でJr.の育成を担当する関連会社・ジャニーズアイランド社長の滝沢秀明氏(40)のお気に入りだからデビューできたのでは、と推測する人もいますね」

キンプリも公言している「海外進出の夢」

 ジャニー氏が逝去する少し前の2019年5月2日、『日刊スポーツ』の改元記念コラム『令和に誓う』にて、現在、連続ドラマ『クロサギ』で主演を務めているキンプリの平野紫耀(25)はこう話していた。

《デビューする時から、海外で活動するというのを1つの夢として掲げさせてもらっています》

《僕らの夢でもあるんですけど、ジャニーさんの夢でもある。ジャニーさんも87歳。あと何十年も一緒にいられるわけじゃないと思う。社長が生きているうちに、僕らが海外進出した景色を見せたい。ジャニーさんは第2の親でもあるので、親孝行ですね。そのためには、もっとスキルを磨いて、誰からも認めてもらえるようなグループにならないと》

 ジャニー氏、事務所の悲願でありながら、難航しているように見える海外展開。全世界デビューをしたトラジャ、そしてキンプリの今後は――。