かもめんたる・岩崎う大が注目のお笑い芸人の今後を予想する連載企画。今回の芸人はかまいたち。
抱かれたい芸人にランクインした、かまいたち・濱家隆一
言わずと知れた売れっ子芸人で超実力派のかまいたち。ツッコミの濱家さんが『週刊女性』の「抱かれたい芸人第3位」にランクインしたのは、記憶に新しいと思います。
濱家さんは何といってもスタイル抜群で、実際、目の前に立つと顔が見えないぐらい背が高いです。選ばれた理由に「身体が大きいのでアレも大きそう」という推測があったようですが、それはYouTubeチャンネルで否定していて、なんかほっとしました。
かまいたちのコンビの特徴としては、やはりネタに注目してしまうのですが、コントも漫才も圧倒的な二刀流コンビだということです。
普通、漫才が主流のコンビがコントをすると、やりとりがボケとツッコミの応酬でストーリーがなかったり、逆にコントが主流のコンビが漫才をやると最初に自己紹介をした後は、すぐに別のキャラクターに入って、コントを展開するというパターンが多いです。しかし、かまいたちは、漫才とコントをはっきり別のフィールドとして捉え、漫才では漫才の良さ、コントではコントの良さを提示することを意識しているコンビです。
実際、かまいたちはキングオブコント2017で優勝、M-1グランプリ2019では準優勝という結果を残しています。結果だけ見ても史上もっとも二冠に近かったコンビなのですが、M-1グランプリ2019は、初めて決勝に上がったミルクボーイが衝撃的に面白いネタを披露しての優勝だったので、かまいたちにとっては不運な星回りだったとしか言いようがありません。かまいたちの漫才の仕上がり方もすさまじいものがありました。
濱家さんのツッコミ力がすごい理由
もし僕が、「コント師かまいたちと漫才師かまいたちのどちらがすごいか?」と、聞かれたら、「漫才師かまいたちである」と答えます。そこには1つ明確な理由があって、ツッコミで、「抱かれたい男第3位」、身体もアレも大きい(本当は大きくない)濱家さんの活躍っぷりにあります。
濱家さんは、コントで役に入っているときのツッコミより、漫才師として本人でツッコんでるときのほうが非凡なものがあります。
まあ、これはコントの持つ宿命的な部分でもあるんですが、コントにおけるツッコミは被害者としての立場が多いです。
かまいたちでいうと山内さん演じる狂気のボケキャラが、濱家さんを困らせる、あるいは恐怖に陥れていくというシチュエーションが多いのですが、ここで縦横無尽にツッコんでいくと、パワーバランスがおかしくなって世界観が崩れます。例えば、実社会で変なお客さんに店員さんがズバズバと切れ味鋭いツッコミをしていたら、狂人は店員さんになってしまいますよね。
そのぶん、コントのツッコミはその立場の枠の中で適正なツッコミをいかにしていくかという醍醐味はあるのですが、漫才での濱家さんのツッコミは山内さんに負けじとツッコんでいく形が真骨頂だと思います。そして、そのツッコミをいなし、利用し、華麗にボケを極めていく山内さん。やっぱりかまいたちの漫才は惚れ惚れします。
また、彼らは漫才でもコントでも、そのフィールドの利点を活かした芸を提示するのが得意ですが、それはバラエティー番組やYouTubeチャンネルにも通じていて、かまいたちはどんなときも面白い。その面白さは常に青天井。そんな彼らが今後お笑い勢力図をかまいたち色に染めていく未来は、予測するまでもないでしょう。