10月24日、大ヒット漫画『鬼滅の刃』がスーパー歌舞伎として'24年の2月・3月に上演されることが発表された。“鬼滅”ファンからは期待の声があふれた。
「原作は『週刊少年ジャンプ』で'16年から'20年まで連載された作品。大正時代を舞台に主人公の竈門炭治郎が鬼と戦う組織“鬼殺隊”の一員として、戦いに身を投じるというストーリーです。
'20年公開の劇場版は興行収入400億円を超え、国内歴代1位の記録を打ち立てました」(少年誌編集者)
「那田蜘蛛山編」から「無限列車編」まで
2年後に公演する舞台を、今発表するのはなぜなのか。
「'23年3月公演の『ファイナルファンタジー』の歌舞伎化は、今年9月の発表ですから異例の先出し情報。おそらく今年11月・12月に行われる市川海老蔵さんの市川團十郎白猿襲名披露公演がいまひとつ盛り上がりに欠けているので、より若者に歌舞伎への関心を持ってもらおうと、早めに発表したのかもしれません」(梨園に近しい人)
大きな期待が寄せられる作品だけあって、発表された出演陣も豪華。
「澤瀉屋の頭領・市川猿之助とその甥である市川團子。高麗屋の松本幸四郎とその息子である市川染五郎の4人の出演が発表されています。彼らは'16年から続く歌舞伎演目『弥次喜多シリーズ』でも共演するなど家柄の垣根を超えた間柄ですね」(松竹関係者)
いったいどのような作品に仕上がるのか。
「スーパー歌舞伎は豪快な殺陣や派手な舞台装置が最大のウリ。ファンの期待に応えるなら、舞台化では物語冒頭からバトルシーンが多い那田蜘蛛山編から、映画化されて抜群の知名度がある無限列車編までを描くのではないでしょうか」(広告代理店関係者)
香川照之の出演も“既定路線”
構成がわかれば、配役もおおよその察しがつく。
「歌舞伎の配役は芸歴や家の格で決まります。ただし、今回の場合はポスターでの並びが染五郎と團子が上のことから、若手に花を持たせることになりそうです。であれば、主人公の炭治郎は家の格からして染五郎。仲間の我妻善逸は市川團子ではないでしょうか」(歌舞伎役者)
炭治郎らが所属する鬼殺隊の最高位“柱”は、大人たちが務めると考えられる。
「見せ場を考えれば、煉獄杏寿郎役は、スーパー歌舞伎の中心的存在の猿之助さん。同様に人気キャラの冨岡義勇は幸四郎さんがふさわしいと思います」(同・歌舞伎役者)
続けてあの俳優の出演も既定路線のようだ。
「香川照之さんですよ。今年8月の性加害報道が原因で出演作品やCMが軒並み降板となりましたが、歌舞伎ファンの間でも復帰を望む声は絶えません。なにより彼は澤瀉屋の一角で團子の父。『弥次喜多シリーズ』でも4人に加わって重要な役を務めていました。出ないほうが不自然です」(同・歌舞伎役者)
悪役に定評ある香川にふさわしい役もある。
「物語のラスボス・鬼舞辻無惨でしょう。原作では配下の鬼たちを土下座させるシーンがありますが、土下座キャラが定着している彼が逆に命じる役を熱演したら大盛り上がり間違いありません」(同・歌舞伎役者)
香川に寄せられる“無惨サマ”への待望論。今ごろ復帰に向けて“全集中”!?