子宮筋腫、子宮内膜症、子宮頸がん……妊娠、出産など女性の大事な時期に襲ってくる子宮の病気。女性有名人も最近、次々とカミングアウト。オモテでは笑顔を見せながら悩みに悩んで決断した話や病気に負けない心得を打ち明けてくれた。《南明奈さん編》
YouTubeで出産の報告
「濱口優です」
「南明奈です」
「われわれ夫婦から、皆さまにご報告です。先日、男の子を出産し、わが家に新しい家族が増えました。元気な、優さん似の男の子です(笑)」
「本当にそっくりで……生まれてすぐから、眉毛がめちゃくちゃ濃かったです(笑)」
(YouTube「濱口夫婦チャンネル」より、以下同)
今年7月、夫婦そろって出産の報告をしたタレントのアッキーナこと、南明奈さん。その後、自身のインスタグラムでも夫婦2人で育児に奮闘している様子を投稿。相変わらずの仲良しぶりで、幸せいっぱいな様子が伝わってくる。
しかし、ここに至るまでの道のりは決して平坦(へいたん)ではなかった。南さんが、よゐこの濱口優さんと結婚したのは2018年5月。その翌年、妊活のために婦人科でさまざまな検査を受けるが、その結果、南さんが子宮内膜症を患っていることが判明したのだ。
子宮内膜症と手術を経て男の子出産
「実は20代後半からひどい生理痛が出るようになって、薬をのまないと痛みで動けない日もあるくらいだったんです。それを先生に言って診てもらったら、子宮内膜症だったことがわかって。しかも、チョコレート嚢胞(のうほう)で……」
子宮内膜症とは、子宮の内側を覆う「子宮内膜」に似た組織が、子宮以外の場所にできてしまう病気。月経痛のほか、腰痛、下腹痛、排便痛、性交痛、そして不妊の大きな原因となる。中でもチョコレート嚢胞は、子宮内膜が卵巣に発生することで起きるもので、排卵の妨げとなるため、妊娠を望むなら、治療が必要な病気だ。
南さんはさっそく子宮内膜症を小さくする薬をのみ始めたが、子どもを授かるには至らなかった。そこで、普通の婦人科から不妊治療専門のクリニックへの転院を決める。
「さらに詳しい検査を受けました。そしたら、左の卵管が詰まっていることがわかったんです」
南さんは詰まっていた卵管を通す手術を受け、やがて妊娠。昨年6月には流産という悲しい経験もするが、昨年のうちに再び妊娠し、今年7月にようやく新しい家族を迎えることができたというわけだ。
「これは女の人だけでなく夫婦の問題」
南さんは実感を込めてこう語っている。
「私の場合は、転院がいちばん大きなきっかけでした。いろいろな先生の話を聞く、情報を得るって大事だなって思いました」
そして、もうひとつ。そんな南さんの言葉に、毎回「うんうん」「そうだね」と優しく相づちを入れ、
「これは女の人だけじゃなく夫婦の問題だから」と繰り返し言い添える夫・濱口さんの存在も忘れてはならない。
子宮の病気は、女性特有のもの。
しかし、その苦しみや悩みを受け止め、共に立ち向かってくれるパートナーがいてくれれば、その不安は半減させられるかもしれない。
*治療法は症状などによって異なります。個々のケースは主治医にご相談ください。
〈取材・文/八坂佳子、大野瑞紀〉