スポーツ紙がこぞって一面で報じたジャニーズ人事。
「上場企業なら株価が暴落するようなインパクトのある人事ですよ」(一般紙記者)
ジャニーズ事務所の副社長と、ジャニーズJr.育成を担う関連会社『ジャニーズアイランド』の社長を務めていた滝沢秀明氏(40)が、10月31日付けで退任した(『ジャニーズアイランド』の退任は9月26日)。
誰がいったいリークした?
スポーツ紙記者は「何かなければ辞めないですよね」と首をひねり、「その“何か”がわからないんですけどね」とあきらめ感たっぷりに続ける。そして今回の人事で明らかになったことは「タッキーはお飾りだった、ということ」と指摘する。
報道をめぐり今、一部関係者は犯人探しに躍起だ。
スポーツ紙が報じる直前、ネット媒体『サイゾーウーマン』と『FRIDAYデジタル』が報じ、芸能マスコミは騒然となった。
「実は今、誰が情報を漏らしたのか、犯人探しで関係者は疑心暗鬼になっていますよ」
前出・スポーツ紙記者はそうささやく。
内幕はこうだ。
「『ジャニーズアイランド』の新社長に就任する元V6の井ノ原快彦の取材は、設定されました。その場にいた記者は6人だけ。そのことを直前まで共有したのは各社のデスクだけですから、情報が漏れるとしたらそのあたり。社内の記者にも言わなかったのに、誰が漏らしたのか」
スポーツ紙の早刷りが局内に届き、初めて知ったという情報番組デスクもいる。秘密裏にすべては運んでいたのに。
前記の“何か”に関しても、ひとつ疑問がわく。イノッチのコメントが紙面を飾っているのに、なぜ滝沢氏のコメントがないのか。
「ひと言あってもいいし、ファンはそれを望んでいる。それを許さないかのようなノーコメント。ファンのフラストレーションは溜まりますし、通常なら通り一遍であっても、それなりにコメントを出し、円満退任を印象付けることころですけどね」(元ジャニーズ担当記者)
2018年末でタレントを引退したタッキーは、いわば退路を断つという思いきりのよさで滝沢秀明氏として『ジャニーズアイランド』の社長に就任した。
タレント出身の社長はお飾りにすぎない
「ジャニー喜多川さんに対する尊敬の念は深く、ジャニーさんもタッキーの決断に感謝し、自分の帝王学を伝授していました。そのさなか、19年に7月にジャニーさんが亡くなり、タッキーは、帝王学を吸収する途上で後ろ盾を失ったわけです。
ジャニーさんの死去に伴い、ジャニーズ事務所の副社長にも就任し、表向きはジャニーズ事務所を背負う後継者のひとりとして目されるようになりましたが、どこの会社もそうですが、創業者がガバメントする同族会社では、経営の本質になかなか口をはさめない。そもそもタッキーは、タレント出身ですし、若いころにほかの世界も知らない。いわば井の中の蛙。経営なんてまったくわからない。お飾りにすぎないと言ってもいいとか思いますよ」(情報番組デスク)
という状況下で、実績は着々と積み上げた。
20年には『SnowMan』と『SixTONES』を同時デビューさせ、今年10月には『Travis Japan』の世界デビューにもこぎつけた。
それでも消えなかった“お飾り感”は、後任のイノッチが示してしまっている。
前出・情報番組デスクが解説する。
「スポーツ紙の担当記者に対して井ノ原は『ド素人の社長なのでみんなに助けてもらう』とまでいってしまっている。確かにド素人でしょう。そんな人間でトップが務まる組織は世間ではありませんが、芸能界では通じる。はやり“お飾り感”はぬぐえない。
ただ、井ノ原に期待されているのは、若手にとって何でもざっくばらんにしゃべれる兄貴分という存在。その役目なら、井ノ原は適任でしょうね。敵もいないし、攻撃的でもないですから」
自称“ド素人社長”に引き継がれた若手育成の役目。
ジャニーさんが、多くの原石の中から、この子とこの子、という具合に組み合わせ、絶妙な化学反応を生み出すことに成功していたジャニーズアイドルという宝石。その一部を担っていた滝沢氏が退任することによって、ジャニーズ事務所が王国を築いてきた男性アイドルグループ界の先行きが、急に曇り出した。
新しいアイドルグループを誰が作り出すのか。少年の将来を見通す“アイドルの目利き”としての滝沢氏の役目をイノッチが担えるのか。
数年先に、どんなアイドルグループが登場しているのか、誰にもわからない。滝沢氏までも“辞めジャニ”になってしまった今、王国の維持・繁栄に、さらなる注目が集まるが、気になる情報も。
「退任した今も、ジャニーズ事務所とタッキーは、弁護士同士で話し合っているということです。何かもめごとがあるのか。『滝沢歌舞伎』はどうなるのか。まだしばらくは、タッキーショックは続きそうですね」(前出・スポーツ紙担当記者)
〈取材・文/薮入うらら〉