《梨泰院(イテウォン)の事故、岐阜の信長まつりも似たようなことになりかねないから怖いな》
《今週末の信長まつりも他人事ではないね》
11月6日、3年ぶりに開催される『ぎふ信長まつり』の騎馬武者行列に、不安の声が寄せられている。
3年ぶりの祭に“キムタク”参戦、観覧チケットは超高倍率
「“織田信長役”が先頭に立ち、岐阜市内を練り歩くのが目玉です。信長役は例年、おおむね一般公募で決まるのですが、今年は違います。
来年1月に公開される映画『THE LEGEND & BUTTERFLY』で信長役を務めるということで、木村拓哉さんが“立候補”。同映画で共演し、岐阜県出身でもある伊藤英明さんと一緒に、パレードに参加します」(スポーツ紙記者)
昭和28年から始まった信長まつりは、'20年と'21年は新型コロナウイルスの影響で中止に。3年ぶりの開催となる今年、“ビッグネーム”が集うことを受けて、観覧募集には、岐阜市の人口の2倍を超える96万6555人からの申し込みがあった。
「無料の観覧エリアの定員は1万5000人で、倍率は64倍にも及びました。本来は、地域を盛り上げるための祭りですが、地元住民の間では“周りに誰も当たった人がいない”と、話題になっていますよ(苦笑)」(岐阜市在住の女性)
当選チケットの高額転売や、“同行者”を有料で募るケースも相次ぎ、あるサイトでは2万円近い金額での取引も確認されている。
「地元テレビ局による生中継もありますが、放送エリアが限られていることもあり、全国の応募者が見られるわけではありません。
抽選に外れたけれど、“やっぱり生で見たい” “キムタクと同じ空気を吸いたい”という人は多いようです」(地元紙記者)
想定来場者数は過去最多の60万人、総額39億円の経済効果が期待されると報じられたが、手放しに喜んではいられない。
韓国の圧死事故「対岸の火事ではない」
「ハロウィンを前にした10月29日の夜、韓国・ソウルで起きた『梨泰院圧死事故』の衝撃は、あまりにも大きかった……。大勢の若者が折り重なるように倒れ、日本人女性2人を含む150人以上が死亡しました。
テレビやSNSで拡散された映像を通し、多くの人が“群衆雪崩”の恐怖を目の当たりにしたことで、人が集まることで命を落としかねないという認識が、広く国民に根付いたのです」(テレビ局関係者)
その結果、開催前から注目を集めた『ぎふ信長まつり』も“対岸の火事ではない”という見方が強まった。
「“抽選に外れた人は、行かないでほしい”と呼びかける人もいますし、抽選に当たった人でも“群衆が怖いから”と観覧を辞退する人まで出ているそう。
安全強化のためにDJポリスが配置されるとはいえ、現地へ出向くハードルは格段に高まってしまいました」(前出・地元紙記者)
こうした中、当日はどのような対策が施されるのか。岐阜市経済部経済政策課担当者に問い合わせると、
「非常に多くの来場者が見込まれることから、警察関係者などとともに安全対策には万全を期してまいります。ただ、来場者のご理解、ご協力なくしては、十分な効力を発揮できません。
例えば、武者行列観覧後にJR岐阜駅へ向かう方には、安全確保のため迂回ルートで誘導します。交通誘導員の指示には必ず従っていただきたいです」
“木村信長”の勇姿を前に、参加者ひとりひとりのモラルが問われている。