11月4日、NHK党の立花孝志党首が会見で、以前から明かしていた“政治家女子48”プロジェクトについて語った。
「来年行われる予定の統一地方選挙に向けて『政治家女子48党』の女性候補を募集し、オーディションを経て公認候補を決定。選挙での当選者の中から“総選挙”を行って、48人のグループメンバーを選抜し、来年秋から冬にかけては武道館でのコンサートも予定しているとのことです」(スポーツ紙記者)
20代、30代の女性の政治への興味関心を高めるという理念のもと、すでに政治家アイドルとして活動している東京・荒川区議の夏目亜季を党首に、11月中旬から候補者の募集を開始する予定だという。
「立花党首はYouTubeでもこのプロジェクトについて語っていて、芸能事務所や現役アイドルにも積極的に声をかけていく構えを見せています。水面下では勧誘が始まっていて、芸能事務所にはメールも届いていると聞いています」(同・スポーツ紙記者)
驚きのメール内容
週刊女性もそのメールを入手し、内容を確認したところ、差出人はNHK党の公認候補を名乗る人物。文面ではプロジェクトの説明とともに、こんな驚きの内容も記載されていた。
《市議、区議になっても、アイドル活動は継続でき、副業で市議、区議をやれます。収入は年間約800万円ほどなので、高額で定職のアルバイトだと思えば割のいい話だと思います》
まるで求人広告のような文面に目を疑うが、この人物は来年の統一地方選挙で立候補をする予定だという。まさか“割のいいアルバイト”感覚で立候補をするつもりなのだろうか……。
メール内容の妥当性について、選挙コンサルタントの大濱崎卓真さんに話を聞いた。
「誤解を与えかねない表現だなという印象を受けましたね。確かに、副業はできてある程度の収入も見込めますが、現実的には本格的なアイドル活動と市議、区議としての公務を継続的に両立させるのは難しいのでは」
“副業”という表現はミスリード
議会や定例会に限らず、学校の行事への出席や視察など、議会議員が果たすべき役割は数多く存在する。
「タレント活動をしていた方が政界に進出されるのは珍しいことではありませんが、両立させている方はごくわずか。芸人を本業としながら、議員活動をされている方にお話を伺ったこともありますが、やはり兼業を始めてからは芸人活動に割ける時間が少なくなってしまったとか。議会議員の仕事を部分的に解釈して、副業という表現を用いるのはミスリードなのではないでしょうか」(大濱崎さん)
常識破りなスローガンを打ち出したはいいものの、アルバイト感覚の立候補者を募るのであれば話は別だろう。メールの文言は党としての見解なのだろうか。NHK党に問い合わせると、
「メールの有無については把握しておりません。早急に事実確認をし、対処させていただきます。文言につきましても、当該人物の見解であり、党としての回答は立花のYouTubeをご覧ください」
との回答だった。
議員の仕事を“アルバイト”と言い切る人物に、市政や区政を任せたいと思う有権者がいるのだろうか。
大濱崎卓真(おおはまざき・たくま) 選挙コンサルティングのジャッグジャパン株式会社代表取締役。選挙コンサルタントとして衆参国政選挙や首長・地方議会議員選挙をはじめ、日本全国の選挙に政党党派問わず関わる