2023年5月23日をもって『King & Prince』を脱退、ジャニーズ事務所からも退所する平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太。青天の霹靂とも言える突然の発表にファンが驚き、悲しむ中で鼻息を荒くしているであろうーー、
「平野らの脱退後もキンプリ存続とのことですが、高橋海人や永瀬廉を含めた5人での出場は最後。本番はもちろん、リハーサルも含めてマスコミの注目度は高まり、視聴率アップも期待されます。
中森明菜さんの出演も微妙になっている状況で、制作サイドはとにかく“目玉”になり得るアーティストを欲している。“渡りに船”と言えばファンは怒るでしょうが、NHKにとってまさにソレかと」
そう、12月31日の大晦日に放送を控える、国民的テレビ番組『第73回NHK紅白歌合戦』だ。スポーツ紙芸能デスクによると、まもなく出演者が発表される見込みだが、すでに5人の“ラストステージ”に早くも皮算用が弾かれているということか。
2020年12月31日、活動休止直前に出演した『嵐』には、およそ10分間におよぶ異例の出演時間が与えられた。同じく2017年に引退発表していた安室奈美恵も特別ステージが用意されて、それぞれに高視聴率を記録した経緯がある。
同デスクによると、嵐と同等とまではいかずとも、何らかの特別演出が用意される、それこそメンバーが視聴者への生メッセージを届ける場が設けられそうだ。
「近年はご覧の通り、若い世代を意識した出演者選考と演出が目立っている紅白。若者の“テレビ離れ”が加速するほどに受信料徴収も減り続けるだけに、それは必至になってバズるアーティストをかき集めますよ(笑)。ここぞとばかりにキンプリを推してきますよ」
中高生が選んだ“紅白出場歌手”に異変
確かに、若いファンが圧倒的に多い印象を受けるキンプリではあるが、そんな制作サイドの思惑が外れる可能性もある。というのも、10月末に『高校生新聞オンライン』が配信したアンケート記事で衝撃の結果が出ていたからだ。
同媒体が集計した【中高生がNHK紅白歌合戦に出演してほしい歌手ランキング2022】では、『高校生新聞編集部』LINEアカウントをフォローする中高生を対象に、9月からアンケートをとった模様。
そして現役中高生が選んだ「紅白に出演してほしい歌手」ランキング1位、つまりはリアルに人気があるアーティストは、後輩グループの『なにわ男子』だった。
彼らを選んだ理由として紹介されたのが、《今一番勢いのある、関西からデビューしたキラキラ王道アイドル。なにわ男子の魅力を知ってほしい!(ばなな・中学3年女子、兵庫)》との10代女子からのコメント。
昨年11月にデビューしたばかりの7人組だけにグループとしての勢いがあるのはもちろんのこと、道枝駿佑や西畑大吾らメンバーのソロ活動も目立っている。紅白初出場を願っている中高生が多いようだ。
ランキング2位に『Snow Man』(出場1回)、3位には『SixTONES』(出場2回)とジャニーズの若手グループが続いた。それぞれの主な理由がこちら。
Snow Man《圧倒的なダンスと歌のパフォーマンス、トーク力で紅白をさらに盛り上げてくれると思う。(えしぇふ・高校3年女子、埼玉)》
SixTONES《表現力がすごい。全員が歌を歌うことを楽しんでいるから聞いていて気持ちが良い。(かにたま・高校1年女子、新潟)》
10月31日をもってジャニーズ事務所を退社した滝沢秀明氏が、2020年1月に異例の同時デビューさせた“スノスト”。今やジャニーズを代表するグループに成長した2組は、圧巻のパフォーマンスで10代を魅了、紅白のステージも盛り上げてくれそうだ。
4位、5位にもキンプリの名前なく
4位には、2022年3月に3人での活動再開をさせたロックバンド『Mrs. GREEN APPLE』。そして5位は日韓台メンバーによる多国籍グループ『TWICE』と、以下も若い世代に人気のアーティストがランクイン。
そしてキンプリはというと……名前が出てきたのは8位。
《かっこよくて歌が上手。年末に癒やされたい。(マスク・高校1年女子、鹿児島)》
《メンバーそれぞれさまざまな仕事をこなしてきて、知名度も上がったと思う!(りれん・中学1年女子、山口)》
ランキング順位もさることながら、上位3グループと比べてやや特徴のないような寂しいコメントにも思えてしまうがーー。
元は『Mr.King』と『Mr.Prince』の2つのユニットから結成されたキンプリは、ジャニー喜多川さんの“肝入り”として2018年5月にデビュー。“ポストSMAP”“ポスト嵐”とも称された、ジャニーズの期待を一心に背負った若者たちの未来は、誰もが輝かしいものと信じて疑わなかった。
しかし、そんな重責とプレッシャーからか、デビュー間も無く岩橋玄樹がパニック障害を患うことに。治療専念のために休養するも、結局は2021年3月にグループ脱退、ジャニーズを退所することに。
「やはりジャニーさんあってこそのグループだった感はあります」とはジャニーズ事情に詳しい芸能ライターだ。そもそもはジャニーさんの元での“世界進出”が彼らの目標だったようだ。
4日間で視聴回数200万回が上乗せ
「ジャニーさんの頭の中には、すでにキンプリの世界デビューが描かれていたといいます。しかし、恩師が志半ばで倒れたことで、彼らはグループとしての明確な道標を失ってしまった。ドラマや映画、バラエティー番組といった映像の仕事は増えた一方で、他デビュー組との差別化を図れずにインパクトを残せていない印象です。
片や滝沢秀明さんの戦略下でスノストやなにわ男子は露出を増やし、『Travis Japan』はジャニーズ初の世界配信デビューを果たした。若い子たちの関心が彼らに移ったとしても不思議ではないということ」(芸能ライター、以下同)
ところが、平野らの脱退と退所が報じられて以降、皮肉にも注目されたことで、あらためてキンプリとしてのパフォーマンスも再評価されているのも事実。
放送中の平野主演ドラマ『クロサギ』(TBS系)主題歌で、11月9日にリリースされる新曲『ツキヨミ』のYouTubeバージョン動画が、発表があった11月4日深夜からおよそ4日間だけで視聴回数が200万回も上乗せされている(10月11日から公開、11月8日時点で計1202万回)。
「早くも“キンプリロス”に陥っているファンがいると同時に、これを機にキンプリに興味を持って視聴したユーザーも大勢いたということでしょう。もしも今、その中高生へのアンケートを取ったとしたら結果は異なってくるかもしれませんね。
平野くんに岸くん、神宮寺くんが脱退、退社するのは2023年5月23日、5周年を迎えるデビュー日。ファンはメンバーの気持ちを尊重してくれるでしょうが、本来ならば笑顔で迎えたい大切な日。せめて残された半年間をファンのために使い、紅白でも5人のクチから言葉を伝えてほしい」
もしも5周年を見据えた“サギ”だったとしたら、ファンは喜んで騙されるだろうが。