約17年続いた日本テレビ“朝の顔”が、終幕のときを迎えることが決まった。
「2006年4月から放送されている情報バラエティー番組『スッキリ』が、来年の2023年3月に終了すると正式に決定したようです。すでに後任番組の出演者を調整していて、近日中に日本テレビから公式な発表があるといいます」(日本テレビ関係者)
『スッキリ』は、これまで何度も“打ち切り”が囁かれてきた背景がある。
たびたびBPOの審理にかけられて
「視聴率では、同時間帯トップのテレビ朝日系『羽鳥慎一モーニングショー』にかなり差をつけられている状態。加えて、昨年3月にはアイヌ民族を描くドキュメンタリーを紹介したお笑い芸人の発言が問題となり、放送直後から批判が殺到。同年7月に放送倫理・番組向上機構(BPO)から“明らかな差別表現を含んだもの”として“放送倫理違反”が指摘され、当時も番組終了が噂されました」(制作会社関係者、以下同)
差別表現とは、どのようなものだったのか。
「芸人が謎かけとして“アイヌ”を“あ、犬”と、動物扱いするような表現をしたんです。BPOの指摘から1か月後の昨年8月には、番組内でなぜ問題が起こったのか検証を行い、MCの加藤浩次さんらが謝罪。ただ、そもそも問題となった発言は事前に収録されたものだったので、検証によって制作陣のチェック体制の甘さが露呈しました」
さらに、今年6月にはこんな事件も。
「《独自 愛犬急死“押さえつけシャンプー”ペットサロン従業員ら証言》という字幕を表示し、とあるペットサロンで起きた犬の虐待致死疑惑を取り上げました。この内容に対し、該当するペットサロンの経営者が“事実に反する放送”と主張し、名誉を侵害されたとBPOに申し立て。日本テレビは“事前に十分な取材を行っている”と反論したそうですが、この問題もBPOの審理にかけられる事態となりました」
放送内容がたびたび問題視されてきた『スッキリ』だが、終了決定にはMCが起こした“あの騒動”も関係しているという。
古巣の『吉本』が推すのは麒麟・川島の番組
「2019年に吉本興業所属の芸人たちによる“闇営業問題”が報じられた際、加藤さんは『スッキリ』の放送内で、当時所属していた吉本の会社体制を痛烈に批判しました。“このままの体制が続くんだったら、この会社を辞める”とまで発言し“加藤の乱”と呼ばれる事態に。その後、加藤さんは吉本の大﨑洋会長と面談してトーンダウンしましたが、この騒動が世間に与えた吉本興業に対するネガティブなイメージは大きかった」(芸能プロ関係者)
一連の問題を経て、加藤は吉本と“エージェント契約”を結んだが、昨年3月をもってその契約も終了。かつての“ホーム”が現在、関心を寄せているのは別の番組のようで……。
「吉本が“朝番組”としてもっぱら力を注いでいるのが、お笑いコンビ・麒麟の川島明さんがMCを務めるTBS系『ラヴィット!』です。川島さんの司会力や、朝の番組には珍しいお笑い路線が好評を博し、今年の年末にはゴールデンタイムで特番が放送されることも決まりました。吉本芸人の大量起用もあって、放送の開始当初はネット上で“加藤潰し”とも言われていましたから、『スッキリ』の終了に加藤さんも複雑な思いがあるのでは」(同・芸能プロ関係者)
『スッキリ』の放送終了について日本テレビに問い合わせるも、
「回答できる担当者が不在のため、現時点ではお答え致しかねます」
とのことだった。
来春から日本テレビの朝を彩るのは、どんな番組になるのか。積年の問題も、これでスッキリ⁉︎