11月8日、愛知県犬山市にある火葬場「尾張北部聖苑」の動物専用炉で、ペットの死体と一緒にコンビニ弁当やペットボトルなどのゴミを燃やしていたことが明らかになった。愛北広域事務組合の調査によると、火葬受託業者の従業員が少なくとも10年間にわたり、続けていたことが判明。
ことが明るみに出た経緯は、SNS上の書き込み。「動物の死体とごみを一緒に燃やしている」との書き込みを葬儀業者が発見し、調査したところ複数の従業員が行為を認めた。
問題となった火葬業者「五輪」は富山市を本拠地とし全国200箇所以上の火葬場を運営管理をしている火葬業務委託業者である。尾張北部の市町で作る一部事務組合「愛北広域事務組合」が火葬業務を1989年から委託したとされている。
「反省を全く感じない!」
今回の火葬場での実態が発覚し、同社は「配慮に欠けていた」と陳謝。また、愛北広域事務組合管理者の鯖瀬武・扶桑町長も謝罪の後「業務運用ルールの厳格化に努め、信頼回復に取り組みたい」とコメント。
ところが、うわべだけの詫言は火に油をそそいだだけのようで、ネット上では
「組合管理者のコメント、具体的にどう厳格化するのか語られていない。務めるだけで徹底する訳ではなく、決意ではなく『取り組みたい』という。『信頼の回復』を第一義に掲げる辺りに、反省を全く感じない!」
「許せない。この“五輪”という業者は『社内研修などで再発防止に取り組む』と言っているが、こんな最低な仕事をしている従業員を使っている会社の言うことは信用できない。二度と仕事をさせないでほしい」
など、動物愛好家たちの批難の声で溢れている。
日本はペット後進国
その一方で、
「自治体によるのだろうがペット専用焼却炉を備えている市町村であっても、一般焼却炉でもペットの亡骸を受け付けている所もあるよ。それが嫌で、自分は火葬場も持ってるペット専門のお寺にお願いした」
「遺体の扱いを行政に問い合わせたら『飼い主の気持ちの整理がついたら、燃えるゴミの日に集積場に出してください』と言われて驚いたことがある。法的には一般廃棄物扱いと聞き、他の方法を選択した」
と、地方自治体によっては未だに「一般のごみと同じ」扱いをされているところがたくさんあるという指摘も。
また、コメントの中には日本の動物に対する倫理観の低さを論ずる声も上がっている。
「日本は先進国だがペットに関しては残念ながら他国に遅れをとっている。欧米ではペットショップは命の売買という倫理観からほぼ廃止の傾向だ。日本がペット先進国に見習うべき点はまだまだありそう。」
「ペットなんか…的な発言をしている人は他の先進国、後進国の動物に対する扱いをみた方がいいよ。我が身の後進性をひけらかしているだけと気づくだろう」
欧米やヨーロッパでは、ペットは家族という概念が根付いており、飲食店や公共交通機関なども日常的に同伴できる。また、たくさんの国や州のペットショップで生体販売が禁止され、「動物福祉」が遂行されている。経済的には先進国とされる我が国は、未だたくさんのペットショップで生体販売がなされ、年間殺処分数2万3千頭を超えるのが現状だ。動物福祉の面では全く先進的では無いと言えるであろう。
日本の法律上、ペットが殺されたとしても罪名は「器物損壊」。しかし、人間の倫理観として家族同然である動物を「器物」扱いするのはいかがなものだろう。犬だから、猫だから、ということではなく、そもそも「命の尊厳に対する心が希薄」なのではないだろうか。