「俳優の大泉洋さんが3年連続で紅白歌合戦の司会に抜擢されました。大泉さんはNHKの歌番組『SONGS』の司会も長年務めていて、仕切りも受け答えも折り紙つき。
紅白の女性の司会者が一昨年は二階堂ふみさん、昨年は川口春奈さん、今年は橋本環奈さんと若いのに男性司会者は大泉さんが続投。若手の後継者が育っていないのでは? と懸念の声が局の内部からも聞こえています」(テレビ局関係者)
トークがうまいと思う俳優ランキング
トークがうまい俳優といえば真っ先に名前が挙がる大泉洋(49)。その実力は確かに安定しているけれど、最近の若手俳優のトーク力も高レベル、とテレビウォッチャーの神無月ららさん。
「逆に最近の若手俳優のトーク力ってすごく高いと思うんです。今の世代の子って空気を読みますから、話術のほか立ち回りもうまいと感じる俳優さんが多いです」
そこで、週刊女性では「トークがうまい男性俳優アンケート」を実施。10代から70代までの女性2000人を対象に調査した。大泉洋の後継者は誰だ?
栄えある2位は菅田将暉(29)。大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では大泉洋演じる頼朝の弟・義経を好演。NHKからの信頼の面でも“兄”に勝るとも劣らない。
「番宣で来ているはずなのに一生懸命盛り上げようとしている姿に人柄の良さを感じた」(33歳)、「笑いのセンスがある。1人でしゃべり倒すこともなく、周りに気を使って出しゃばらずにちゃんとトークもできる」(41歳)
と、高評価を得た菅田将暉。'16年5月、『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)に出演した際にはダウンタウンへの愛を8枚もの手紙にしたため、読み上げる最中に感極まって号泣したことが今や伝説となっている。
「菅田さんは大阪府出身ということもあるのか、芸人さんへのリスペクトが強く、サービス精神も旺盛。率先して盛り上げようとしてくれるので現場の士気も上がり、ありがたい存在です」(バラエティー番組ディレクター)
紅白司会に最も近い存在といえるだろう。
次いで3位にランクインしたのは、来年の朝ドラ主演俳優・神木隆之介(29)。
「子役から活躍しているのでしっかりしている。場を白けさせない立ち回りが自然にできると感じた」(49歳)、「小学生くらいからすでに、しっかりした話し方だった」(52歳)
こちらも来年の紅白司会の有力候補といえる。年齢的には若手だが、キャリアとしてはベテランの域。
「神木さんはトークがうまいのはもちろんなんですが、周囲にどんな大物ゲストがいてもその芸歴の長さから臆せず懐に入っていけるんです。名だたる大御所との共演経験もありますから、安心してキャスティングできます」(バラエティー番組ディレクター)
4位にランクインしたのは若手屈指の演技派俳優、仲野太賀(29)。
「夏前くらいの『あさイチ』(NHK)のプレミアムトークで拝見しました。若いのにふわふわしていなくて、きちんと話せる方だと好感を持ちました」(60歳)、「カッコよくないけどクラスにいたら面白くて好きになっちゃうタイプ」(22歳)。幅広い世代から共感を得た仲野太賀。ドラマ『拾われた男』(NHK)では俳優、松尾諭になりきった好演が話題に。
「ドラマ通から“太賀作品にハズレなし”と言わせるほど、彼の作品は評価が高い。これだけ演技がうまいとトーク番組でもある種演じているのかもしれませんね。番組によって使い分けているなと感じるときもありますし、その器用さはすべてのことに生かされているんでしょうね」(バラエティー番組ディレクター)
SMAPとダウンタウン
ランキングを見ると、1位の大泉洋、10位の香川照之(56)以外は20代から30代の若手俳優が目立つ。この結果について前出の神無月さんは、
「世代的特徴として思春期から普通にケータイを持っていた世代。自分も見ているけど、見られているというSNSに接し続けてきた彼らは嫌われない術に長けています。悪ふざけをしているように見えても一線を越えないという能力が高いんですね」
昔の芸能界を振り返ると、昭和の時代はトークがうまい俳優は皆無だったという。
「昔の俳優との対比で考えてみたんですが、昭和の時代はあからさまに映画スターが優位だったんです。ですからテレビには“降りる”感覚があった。周囲も俳優さんをありがたがる風潮があった。
だから映画スター、例えば勝新太郎さんあたりの大物は偉そうに踏ん反り返るのがいわば礼儀でもありました。それが平成以降、徐々に主戦場がテレビになってきて、SMAPの登場によってその後の芸能人の立ち位置は変わったと思います」(神無月さん)
神無月さんはキーパーソンとしてSMAPに加えて、ダウンタウンも挙げる。
「SMAPというトップアイドルが貪欲に笑いを取りにいく中で、それ以外の芸能人がお高くとまることができなくなった。ですからSMAP以降の若い人たちの意識が変わったと思いますね。さらにダウンタウンが“俳優なんて偉くないやろ”という風潮をつくった。同時に浜ちゃんが出たドラマは大ヒット。そこから芸能界のヒエラルキーが変わったとすら思えます」
神無月さんはランキングの意外な点に注目する。
「ムロツヨシさんとか佐藤二朗さんとか入ると思ったんですけど入っていないですね。それを象徴するかのようだったのが、『鎌倉殿の13人』のトーク番組。小栗旬さん、小池栄子さんの平成世代、佐藤二朗さんの昭和世代、坂口健太郎さんという今の俳優さんがそろったんです。
佐藤二朗さんは爪痕を残そうと一生懸命話すんですが滑っているという。一方、小栗さんや小池さんは空気を読んで受けの姿勢でいる中、坂口さんは自分の番が来るまで口を開かないんです。
小栗さんに“いた?”と聞かれるほど。でもきっと今の時代は坂口さん的立ち位置のほうが求められるのかなあ、と。爪痕を残そうと必死になるより、出しゃばらない人が好かれるんだなと。時代は変わりましたね(笑)」
今の時代は話し上手より聞き上手のほうがトークがうまいと思われるようだ。
トークがうまいと思う俳優ランキング
1位 大泉洋 290票
2位 菅田将暉 143票
3位 神木隆之介 99票
4位 仲野太賀 89票
5位 中村倫也 76票
6位 田中圭 71票
7位 千葉雄大 69票
8位 満島真之介 66票
9位 柄本時生 54票
10位 香川照之 49票
(インターネットアンケートFreeasyにて10月28日~29日調査)