11月6日に行われた『ぎふ信長まつり』に織田信長に扮した木村拓哉と、福富平太郎貞家役の伊藤英明が登場し、パレードが行われた。1万5000人分の観覧席には96万6555人の応募があり、落選した人々も現地に詰めかけるなど、改めてキムタクのカリスマぶりが話題となった。
キムタクの直談判で実現した『ぎふ信長まつり』
「木村さんが主演を務める来年1月27日に公開予定の映画『レジェンド&バタフライ』のプロモーションも兼ねたものだったため、ノーギャラでの参加となりました。共演する岐阜県出身の伊藤さんから『ぎふ信長まつり』のことを聞いた木村さんがプロデューサーに直談判したことで、2人で参加することになったそうです」(地元紙記者)
このイベントは、パレードの様子が撮影可能だったため、木村を一目見ようと集まった人々の多くがスマートフォンやカメラを構え、SNSにその写真や動画を投稿する人も。
「いろんな角度からたくさん撮影されているのに、どの写真もすごくかっこよくって! 手を振ったり指をさしたりとファンサービスもたっぷりしていて感動しました」(同・現地を訪れたファン)
しかし、この木村の“神対応”を踏みにじる行動をとる人がいるようで……。
フリマアプリで木村拓哉の生写真が販売されてしまう
「フリマアプリで、一般の人がパレードで撮影したと思われる生写真が販売されているんです。10枚ほどのセットが2000~3000円で出品されています」(木村のファン)
撮影可能なイベントとはいえ、個人が写真を販売することに問題はないのか。弁護士法人ユア・エースの正木絢生代表弁護士に聞いた。
「本件では、(1)写真撮影者の著作権に関する問題と、(2)木村拓哉さんのパブリシティ権に関する問題があると考えられます。
まず(1)について、メルカリ等で売られている木村拓哉さんの写真は、構図やカメラアングル等において撮影者の独自的な創作性が表れており、“著作物”に当たると言えます(著作権法2条1項1号、10条1項8号)。
そのため、仮にメルカリ等で販売されている写真が他の撮影者の撮影したものであり、販売者が撮影者に無断で販売をしているような場合は、販売者は写真撮影者の著作権を侵害していることとなり、著作権法上NGとなります」
では、自身が撮影した写真であれば大丈夫?
「その場合(販売者=撮影者である場合)は、著作権侵害とはならず、著作権法上の問題はありません。
ただ、撮影者自身が販売者である場合であっても、木村拓哉さんのような著名人の写真を販売することは、(2)のパブリシティ権の問題があり、法的にNGであると考えられます」
一体どういうことか。
木村拓哉の場合、違法に…
「パブリシティ権とは、肖像等が商品の販売等を促進する顧客吸引力を有する場合に、このような顧客吸引力を排他的に利用する権利をいいます(最高裁平成24年2月2日判決参照)。木村拓哉さんは著名な芸能人ですので、その写真(肖像)には、商品の販売等を促進する顧客吸引力があると考えられます。そのため、木村拓哉さんには自身の写真についてパブリシティ権が認められます。
パブリシティ権について、最高裁平成24年2月2日判決は“肖像等を無断で使用する行為は、(1)肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、(2)商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付し、(3)肖像等を商品等の広告として使用するなど、専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合に、パブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となると解するのが相当である”と判示しています。
木村拓哉さんの写真(肖像)を木村さんご本人やジャニーズ事務所へ無断で販売する行為は“(1)肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用”することに該当し、販売者は木村さんの写真が有する顧客吸引力を利用して販売していると評されるので、木村拓哉さんのパブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となり、法的にNGとなります」
木村がスターすぎるがあまり、うつけ者が現れてしまった。
正木絢生代表弁護士
弁護士法人ユア・エース代表。慶應義塾大学法科大学院卒業。第二東京弁護士会所属。bayfm『ゆっきーのCan Can do it!』にレギュラー出演するほか、ニュース・情報番組『news イット!』(フジテレビ系)などメディア出演も多数。