「仲本は週刊誌の報道で殺されたようなものだと思っています。今度は私まで殺そうとしているんでしょうか」
10月18日、神奈川県横浜市内で交通事故に遭い、その翌日、急性硬膜下血腫により帰らぬ人となったザ・ドリフターズの仲本工事さん(享年81)。
事故現場は事実婚の妻・純歌の営むカレー店からわずか80メートルの距離。さらには今年に入って別居や仲本さんの自宅がゴミ屋敷化しているといった報道が出ていたこともあり、純歌へのバッシングが過熱している。
「報道のほとんどはデタラメです。真実を知ってほしい」
こう切実に訴えるのは純歌の友人だ。そこで友人に純歌を説得してもらい、本人から仲本さんを巡る報道の真実を語ってもらうと、冒頭のような発言が飛び出し─。
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記者が訪れたのは、東京・目黒区にある仲本さんと純歌が営んでいた『仲本家 JUNKAの台所』。仲本さんの遺骨が置かれた仏壇の前のソファに座った純歌はやつれた印象だ。
「昨年、私が横浜にカレー店をオープンしたこともあり、移動が大変ということで目黒の自宅に帰らない日が増えたのは事実です。ただ横浜に店を出すことは仲本もOKしてくれましたし、仲本が横浜の家に来ることもあったので、別居という表現は語弊がありますね」
純歌が否定したい報道
通販で購入した商品を届けさせるため、多い日は仲本さんが目黒と横浜を3往復することもあったと『女性自身』にも報じられたが、それもキッパリ否定する。
「コロナ禍もあり通販を利用する機会が増えたので、仲本が横浜の家に来るときは、目黒の自宅に届いた商品を一緒に持ってきてくれていました。ただ高齢ということもあり、“事故を起こしたら困るから、早く免許を返納したら?”と、私は運転を続けることに反対していたぐらいなので、某ボクシングジムの会長が言うような、都内と横浜を3往復もさせるなんてありえません」
店の近くには仲本さん行きつけの麻雀店があり、店に来た日は麻雀を楽しんでから目黒の自宅に帰っていたという。
「麻雀を楽しむ人ならわかると思いますが、半荘(1ゲーム)で1時間弱ほどかかりますし、1度打ち始めたら5〜6時間楽しむのもザラです。それで都内と横浜を3往復する時間があると思いますか? 仲本は年寄り扱いされるのが嫌で、パチンコ番組の収録にもマネージャーもつけずに1人で運転して行っていましたが、それも私は危ないからと反対していたぐらいです」
仲本さんの遺体を撮っていたという報道は「事実」だが
純歌の横浜にいる時間が増えて以降、目黒の自宅がゴミ屋敷化していたとの報道については……。
「もともと目黒の店の2階はラウンジ風の店にしていましたが、従業員が辞めたことと、別途賃借していた倉庫の立ち退きによって、その荷物を2階に移動させました。そのころに横浜に店を出したこともあり、荷物の一部を段ボールに入れたままにしていたのですが、いらないものは処分したいと、仲本が段ボール箱をあけたりしたようなんです。整理する途中で部屋が乱れた状態になったところを誰かが撮影し、それを“ゴミ屋敷状態になっている!”と週刊誌に売ったようですね」
純歌はゴミ屋敷とされる写真が流出したのは、誰かにハメられたと考えている。
「散乱した部屋の写真には、かじられた状態のリンゴが写っていました。ですが、私も仲本もリンゴを丸かじりにして食べることはないので、私たち以外の誰かが放置したのでしょう。2階の部屋の写真を撮れるのは限られた人物しかいないため、可能性がある人には確認しましたが、全員に否定されました。誰かが嘘をついていると思うと、誰も信用できなくなって……」
葬式で、仲本さんのご遺体の写真を撮っていたという報道についても真っ向から反論する。
「確かに写真を撮ったというのは事実です。でも、それはお坊さんが許可してくれたから。本当に安らかな顔をしていたので、最後に思い出として残しておきたかったんです。家族ぐるみで仲のよかった友人と一緒に撮影した後には、仲本の事務所の関係者の方々も撮っていました。“記憶の中にとどめておくもの”という考え方もわかりますが、家族葬であることと、お坊さんからの許しを得て、身内である私が撮っていたわけですから、こちらも戸惑いは隠せません」
『週刊文春』では、男性が密会部屋の写真とともに、彼女と愛人関係にあったと告白していたが、この報道についても苦笑しながら説明する。
「閉店後も複数名で食事に行くような常連のお客様のうち、次第にストーカーのような行動を取るようになった男性がいて。“自由が丘のホテルを取っているから、一緒に泊まろう”とか誘われるようになったので、店を出禁にしたんです。以来、その男性が“純歌が従業員とデキている”といった話を周囲に流していたようで……。
その男性がストーカーになる前に、私がほとんど使わず荷物置き場にしていたマンションを借りるという話になって。部屋の写真を送ったことがあるので、雑誌に掲載されていたのはその写真でしょう」
愛人と名乗る男性は《酔っ払って純歌の方から誘ってくる》《店の2階に別の男性を連れ込んでいた》といった証言をしていたが……。
「店でカラオケショーなどをしていたこともあり、お酒をすすめられても乾杯するときに口をつける程度にしていたので、ベロベロに酔うなんてありえません。また、仲本のような有名人と結婚している私が、1階にお客がいる中で2階に男性を連れ込むようなばかなことをすると思いますか?」
「ゴミ屋敷報道がなければ事故に遭うこともなかった」
仲本さんとは事実婚で、婚姻届を出さなかった理由を聞くと、驚くべき事実が。
「亡くなったので明かしますが、仲本は20年ほど前に銀座に共同でサロンを開かないか? といった投資詐欺に遭い、そのせいで2億円ほど借金を抱えていたんです。前妻と離婚したのも、自分に借金のある状態が不安だったからと聞いています。亡くなる直前まで舞台などで精力的に仕事をこなしていたのも、破産宣告はせずに全部返したいという責任感の強さから。ただ高齢ですし、返済前に自分が亡くなった場合、私が借金を背負うことになるから……と事実婚を選ぶことになったので、婚姻届を出さなかったのは彼の優しさなんですよ」
今回、週刊女性で告白することを決めた理由をこう明かす。
「ゴミ屋敷報道などが出たことで、彼の所属事務所の方と今後の対応について話をしたんです。それで仲本とも改めて話し合いをすることになり、事故の日に横浜の家に来てもらうことになっていました。いつもは家の近くの駐車場に止めるのですが、その日はたまたま空いていなかったようで、離れた駐車場に止めたようです。まじめな性格なので時間に遅れてはいけないと、横断禁止場所を渡ってしまったんだと思います。ゴミ屋敷報道がなければ、あの日、仲本が横浜で事故に遭うこともなかったと思うと、本当に悔しいですね」
純歌自身も「あの日、横浜で約束をしなければ……」と自身を追い込み、自殺を考えたのも1度ではないという。
「臆測で書かれた記事に限らず、直接取材に来たメディアも一部を切り取り、私の鬼嫁ぶりが原因で仲本が亡くなったかのような報道を繰り返しています。そして記事を読んだ人たちが、私のことをバッシングする。最近はインターネットの誹謗中傷で亡くなる有名人も増えているので、報じる側も、読んでバッシングする側も、書かれている当事者のことを少しは考えていただければと思います」