自身の過去や挑戦したい夢について、バラエティー番組で見せない真剣な表情で語ったデヴィ夫人

「1世紀を生きたら、人生をまっとうしたって思えるかしら」

 82歳の今も超元気で超ポジティブ! やっぱりデヴィ夫人はただ者じゃない。

《高所恐怖症の私がスカイダイビングにチャレンジ! そして見事成功しました!》

 自身のブログにそう綴られているように、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)などのバラエティー番組では空中ブランコやバンジージャンプにも挑戦してきた。

 過酷なロケにも体当たりで挑む姿が大人気だが、元はゴージャスな生活を送るセレブなイメージ。いったいどっちが本当のデヴィ夫人なの? 本人に聞いてみた。

“人生の使命感”を持っていただきたい

「いつも高価なドレスや毛皮、宝石を身に着けて、飛行機で世界中を飛び回っていていいなあ、と思われるかもしれません。でも、わたくしがラッキーなのだとすれば、それは貧しい暮らしを経験していること。戦後はとにかく食糧難だったので、わたくしは6歳のころから、リュックサックを背負って米を買い出しに行きました。そうした経験が今を支えている。戦争と貧しさは、わたくしのパワーやイデオロギーの源です

 生まれたときからセレブだったわけではなく、厳しい時代に辛酸をなめている。11月1日に出版された著書『選ばれる女がやっていること デヴィ夫人のマナー論』(Clover出版)に、貧しい生活から抜け出すために考えたことが記されていた。

人生の重要な場面で役立つマナー論をテーマにした約3年ぶりの著書(書影をクリックでAmazonの購入ページへ)

《自分の人生を切り拓くためには、知識と教養があなたの武器になります》

 キーワードは、“知識と教養”。そして、チャンスを逃さないことが大切だと話す。

人間誰しも、一生のうちに何回もいろんなチャンスに出会います。ですが、それに気づかない人や取り逃がしてしまう人がいます。“しまった!”と思ってからでは遅いんです。

 機会を逃してしまう人は、人生の目的や目標を持っていない人。わたくしはみなさんに“人生の使命感”を持っていただきたいんです。そうしたら、チャンスが訪れたとき、“これを掴まなきゃ”と感じられる。掴んだら最後、そこからは努力、努力、努力です」

選ばれるための心がけ

 3年前には『選ばれる女におなりなさい デヴィ夫人の婚活論』(講談社)というタイトルの本を出版した。

選ばれた女性たちがいったいどういうことをしているのか、みなさん興味を持たれるのではないかなと思い、新刊では具体的に何をしているのかを教えてさしあげよう、と。“選ばれる女性は、みなさんが気づかないような、こういうことをしてらっしゃるのよ”と伝えたかったんです。そういうことを書いているうちに、結果的にマナー本になってしまいました

 人生で重要なシーンは数多あるが、女性が特に意識してほしいのが結婚だという。

「女性の本能は、結婚して子どもを産むことだと思っています。“私は結婚なんか望んでいません”っていう人がいるけれど、精神的にも肉体的にも、女として生まれたら妻となって母になる経験をしていただきたいのです」

「デコルテまでが顔」という極意を体現すべく、胸元が開いた真っ赤なスーツで臨んだ

 なかなか出会いがなく、結婚を思い描くことができないと嘆く女性も多いが……。

“いい男性がいないから”“仕事をしていて交際する機会がなかった”といって結婚を諦めるのは、負け惜しみだと思います。自分に対しての言い訳。“仕事が好きでたまらない”っていう人もいるかもしれませんけど、それは一種の洗脳ではないのでしょうか。仕事でも喜びや達成感はあると思いますが、それと“女の喜び”は全然違いますからね

 “選ばれる”ためには、普段からの心がけが大切だ。

「わたくしは、幼いころから“いまだかつて歴史上にいなかったような存在になって名前を残したい”と思っておりました。そのために、自分ができることはすべてしました。願って努力すれば叶うんです」

 子どものころから、とてつもなくスケールの大きい夢を抱いていたのだ。年月を経た今も、“選ばれる”ための努力を続けているのだろうか。

「今は人生100年の時代ですから。50歳のときに、100歳以上の人が4600人いるというニュースを偶然見て、“あと50年生きられるんだ”と衝撃を受けました。そこから“新しく生まれ変わろう”と思って。それまではスカルノ夫人といった“建て前”がありましたが、自分が言いたいことや行動したいこと全部をやると決めました。

 誰にも遠慮せず完全に独立した人生を送りたいと思い、105歳まで生きるという目標を掲げたんです」

 1世紀を超えて生きようと決意したのだが、しばらくして目標をさらにアップ。

「あるお坊さんに“人間の煩悩は108あるから、105歳といわず108歳まで生きなさい”と言われました(笑)。あと25年半ありますが、今は100歳以上の人が9万人以上いるし、現代の医学であれば夢ではないなと思ってます。50歳のとき、“あと50年生きられる”と気づいてからは、今までのミスや過ちをとことん活かして新たな人生を生きられるようになりました。“もう60歳だから”ではなく、“まだ60歳”と思うべきなんですよ。“私はもう年だから”と、挑むことがなくなったら本当に老いてしまうと思っています」

20代のタレントさんは子どもみたい

 前向きな心を持ち続けているから、老け込むことなく若々しいままでいられる。

若い方たちとも交流していますよ。“時代遅れにならないように”と考えて、若者の発想の仕方を知るためです。でもやっぱり、若い人といるのはつまらない。20代のタレントさんに会っても、子どもみたいですよね。わたくしたちの時代の17、18歳は、顔つきももっと大人でしたよ。若い人とのお付き合いは、幼稚で時間のムダで、まったくつまらないです(笑)

『世界の果てまでイッテQ!』では“デヴィ女子会”を結成し、ドバイを訪れた(番組公式SNSより)

 人生を豊かにするために、常に新しい発想を持ち、挑戦し続ける。これからもモチベーションを保ち続けるために、新たな目標を設定した。

「今よりもっと大きい家に住みたいです。自分でセレクトした美術品がたくさんあるのですが、家に飾りきれないので今は倉庫を2つ借りて置いてあるんですよ。自分が愛して集めてきた絵画や美術品を倉庫に入れないで、眺めて暮らしたい。好きな美術品を全部置ける、もっと大きいおうちが欲しいですね」

 美術品を愛でながらのすてきな生活。108歳になるまで、デヴィ夫人はこれからもアクティブに“知識と教養”を深め続けていく。

 
インドネシアに訪問した周恩来はスカルノ大統領と交流していた。中央はデヴィ夫人(1964年)

 

 

「デコルテまでが顔」という極意を体現すべく、胸元が開いた真っ赤なスーツで臨んだ

 

『世界の果てまでイッテQ!』では“デヴィ女子会”を結成し、ドバイを訪れた(番組公式SNSより)

 

デヴィ夫人