第3次ドーナツブームを盛り上げる6種のドーナツ

「ドーナツは、日本人にとって幼いころから身近に親しんできた食べ物。新しいお店やジャンルに興味を持つ人も多いので、ブームが生まれやすいのではないかと思います」

 そう話すのは、ドーナツ探求家の溝呂木一美さん。

第3次ドーナツブームの到来

 第1次ドーナツブームは2006年。アメリカ発のドーナツ専門店「クリスピー・クリーム・ドーナツ」が日本に初出店。目の前で揚げる工程が見られるという仕掛けにも注目が集まり、1号店が連日大行列となった。

 2015年頃には、コンビニで本格的なドーナツとコーヒーが楽しめると注目され、第2次ドーナツブームが到来。

 そして今、第3次ブームを迎えているドーナツ。大きく貢献したのは、今年3月にオープンしたドーナツ専門店「I’m donut?」の“生ドーナツ”。多くの人がとろけるような新食感を求め、生ドーナツと称する商品を扱う店舗も増えた。

生ドーナツという新しいジャンルが大成功したことからもわかるように、今の流行の中心は、バターをたっぷり使ったブリオッシュ生地のようなふんわり・もちもちのドーナツ。洋菓子の技術を生かしたリッチな味わいのものも増えています」(溝呂木さん、以下同)

 中にクリームがたっぷり入ったクリームドーナツも、トレンドのふわふわ生地系で人気となっているものの1つ。

「ドーナツ屋さんではなく、カフェやレストランなど、これまではドーナツを扱わなかったお店でも提供され、ドーナツの裾野を広げることに一役買っています。マラサダやボンボローニもこの仲間ですね」

 また、SNS映えを意識したカラフルなトッピングを施したドーナツや、グルテンフリーやビーガン向けなど、“こだわり素材”も増加。

今年はドーナツ専門店やドーナツを扱うお店自体が増えて、食べ歩きが忙しい(笑)」と溝呂木さん。

コロナ禍でドーナツのテイクアウト需要も伸び、どうせ自宅で食べるならちょっといいものを食べたいという機運も、ドーナツブームを後押しした要因の1つだと思います

教えてくれたのは…「ドーナツ探求家」溝呂木一美さん●イラストレーター、デザイナー、手芸愛好家。年間500種類以上のドーナツを食べ、ブログなどで発信。近著に『ドーナツのしあわせ 年間500種類食べる“ドーナツ探求家”の偏愛ノート』(イースト・プレス)
取材・文/河端直子  撮影/齋藤周造(キルピコンナドーナツ)山田智絵(スマイルカフェ)
※ドーナツの直径の大きさはおおよその大きさです ※価格はテイクアウト時の価格です
甘みの中に感じるまろやかな塩味『塩キャラメル』/フロレスタ 

全粒粉と薄力粉を配合した、しっとりほろっとしたケーキ生地のドーナツ専門店。「きび砂糖で作ったキャラメルグレーズがコク深い」(溝呂木さん、以下同)/209円 7.3cm

「フロレスタ」高円寺店●東京都杉並区高円寺北3-34-14 庚申通り商店街 TEL03-5356-5656 不定休 https://www.nature-doughnuts.jp/
国産豆乳&おからが身体にやさしい『プレーン』/haracafeピノキオ 

「国産おからと北海道産大豆100%で作った豆乳を使用した、香ばしく懐かしさ感じる味わい」。防腐剤、保存料不使用/147円 9cm

「hara cafe ピノキオ」●大阪府大阪市中央区谷町2-9-3 ザ・ファインタワー大手前 1F TEL06-6809-4540 不定休 https://www.haradonuts.jp/
もっちり・しっとり生地に感激『プレーン』/haritts 「跳ね返ってくるような弾力、かつなめらかな口どけの発酵生地に驚かされます」。油っぽくなく、食べやすいのも人気の理由!/220円 9cm
『抹茶あんこ』/haritts 抹茶が香る生地の中に、ほどよい甘さの粒あんが合う/310円 9cm
haritts上原店 店舗外観
「haritts(ハリッツ)」上原店●東京都渋谷区上原1-34-2 TEL03-3466-0600 月、火曜(火曜のみ不定休)http://www.haritts.com/
ドーナツの穴部分もご一緒に♪『プレーンシナモンシュガー』/MYPICNIC

 香ばしいケーキ生地にシナモンシュガーが好相性。「表面はカリッカリ、中はしっとり。“これぞドーナツ”という醍醐味を楽しめます」/(円形+球のセット)350円 7cm

MY PICNIC●店舗はなし。InstagramのDMかメールで注文、もしくは委託販売先で購入可能。注文方法や販売先はInstagramで確認を。Instagram:@mypicnic_tokyo
甘酒入り生地のやさしい甘み『麦むぎドーナツ』/ヤマネコドーナツ  古代小麦に自家製甘酒を加え、生地に甘みを出した。「はったい粉がまぶしてあり、香ばしい風味が特徴。滋味あふれるドーナツです」/200円 8cm
ヤマネコドーナツの方々「オーガニックにこだわり手づくりしています」
「ヤマネコドーナツ」●岐阜県郡上市八幡町島谷34-5 TEL090-6096-5501 日、月曜 https://yamanekodonuts.stores.jp/
トッピングがまるでアート!『ドライフルーツ』/キルピコンナドーナツ(撮影/齋藤周造)  生地は砂糖、バター、牛乳を使わず、デコレーションも植物由来のものを使用。「深みのあるチョコレートにドライフルーツの酸味が合う!」/360円(12月より変更予定) 10cm
『ホワイトフランボワーズ』/キルピコンナドーナツ(撮影/齋藤周造) ホワイトチョコに、フランボワーズとピスタチオが華やか/340円 10cm
キルピコンナドーナツの方「無添加だから安心して食べてもらいたいです」(撮影/齋藤周造)
「キルピコンナドーナツ」店内(撮影/齋藤周造)
「キルピコンナドーナツ」●東京都中央区新川1-11-10 第二小高ビル TEL03-6275-2781 日曜、祝日 https://www.kilpikonna-donuts.com/
肉球デコがニャンとも愛らしい♪『ネコのぶーちゃんドーナツ』/QuatreCafe&Donut 猫モチーフのドーナツは、キャラメルチョコをベースにアーモンドプラリネをトッピング。「甘すぎず、すっきりした味わいが特徴です」/453円 10cm
『ストロベリードーナツ』/QuatreCafe&Donut 

ストロベリーチョコレートにお花。最高にかわいい!/399円 10cm

「Quatre Cafe & Donut(キャトル・カフェ・アンド・ドーナツ)」●群馬県伊勢崎市田部井町3-2017  TEL0270-61-9046 水・木曜 Instagram:@quatre_cafe_donut_
ふわふわ×ザクザクがクセになる!『blueberry crumble』/days+doughnuts 「新鮮な生ブルーベリーとザクザク食感のクランブルの組み合わせがいいコンビ」。大きめでもペロリといける軽い味わいが好評/500円 11cm
『chocomint』/days+doughnuts

 大粒のチョコチップとさわやかミント。お酒のお供にも!/500円 11cm

「days+doughnuts」●店舗はなし。イタリアンレストラン「武蔵野カンプス」にて期間限定&不定期出店中。最新の販売先はSNSで確認を。Instagram:@daysdoughnuts
ビビッドなピンクに気分上々!『Framboise』/DUMBO Doughnuts and Coffee  NYスタイルのドーナツ。「ふわっふわのドーナツに甘酸っぱいフランボワーズグレーズがすごく合う!」。着色料不使用なのもポイント/450円 12cm
『CheeseCake』/DUMBO Doughnuts and Coffee

 ドーナツでレアチーズケーキを表現。スタッフにもファン多し/480円 12cm

「DUMBO Doughnuts and Coffee」麻布十番本店●東京都港区麻布十番2-17-6 1F TEL03-6435-0176 無休 https://www.dumbodc.com/
たっぷりのクリームに心躍る♪『チョコホイップドーナツ』/TAMEALS やわらかなイースト生地にチョコレートホイップクリームをサンド。「生地には、ほんのり塩気を感じられ甘さのバランスがいい感じ」/380円 10cm
『ホイップクリームドーナツ』/TAMEALS 自家焙煎のコーヒーともマッチ。甘い物好きにはたまらない!/350円 10cm
TAMEALS 池袋店「ちょっとビターな大人の味わいをどうぞ」「TAMEALS」池袋店●東京都豊島区南池袋1-28-1 西武池袋駅改札内B1F TEL 03-3983-1122 無休 https://classic-inc.jp/tameals/
『I’mdonut?』/I’mdonut? 238円 7~8cm

 福岡のベーカリー「アマムダコタン」が手がけたドーナツ専門店「I’m donut?」看板商品の『I’m donut?』は、名前のとおり「これってドーナツ?」と言いたくなるやわらかさ。

 その新食感から、“生ドーナツ”という新ジャンルで呼ばれ、連日行列ができるほどに。「口に入れた瞬間シュワ~っと溶けるような口どけの良さ。本当にびっくりしました!」(溝呂木さん)

水分量の多い生地にローストしたかぼちゃを練り込み、長時間低温でじっくり発酵。高温でさっと揚げてとろけるような食感に。

「I’m donut?」 中目黒店●東京都目黒区上目黒1-22-10 無休 Instagram:@i.m.donut
『クァベギ』/スマイルカフェ(撮影/山田智絵) 韓国語で“ねじり揚げドーナツ”を意味する韓国生まれの「クァベギ」。「もとは米粉を加えたもっちり生地に粉砂糖を振ったシンプルなツイストドーナツでしたが、韓国のカフェでカラフルにデコレーションしたものが誕生し、トレンドになりました」(溝呂木さん)。その波が日本に上陸。クァベギ=派手なドーナツとして浸透した。シンプル系からデコ系まで全8種類がそろう専門店。注文してから作ってくれるのも魅力!
「スマイルカフェ」外観●東京都新宿区大久保1-17-16 TEL03-5272-6658 無休 Instagram:@smilecafe.tokyo

 

「NAYAMACHIDONUTS 君に、あげる」米粉や玄米粉を使ったグルテンフリードーナツ専門店。トッピングにはスーパーフードも。小麦を使わないグルテンフリードーナツや牛乳、バター、卵などを食べないビーガン向けドーナツが続々登場。お店のひとつの商品としての展開はもちろん、専門店も増えている。「環境や健康に関心がある人が増え、“身体に良いものを”という視点でドーナツを選ぶ人も多くなりました」
●京都府京都市伏見区中油掛町106-7 TEL075-606-1134 無休 Instagram:@kimi_ni_ageru
『スロッピー ジョー(ミートソース&チーズ)』(写真右)、『マッケンチーズ(マカロニ&チーズ)』(写真左)ミートソースにサルサソースでピリ辛に仕上げた『スロッピー ジョー(ミートソース&チーズ)』(写真右)、アメリカのママの味、マカロニチーズグラタンをサンドした『マッケンチーズ(マカロニ&チーズ)』ともに626円。第1次ブームを牽引した「クリスピー・クリーム・ドーナツ」は、日本上陸16年目でますます進化。「スーパーなどに専用キャビネットを置いて販売するなど、より身近な存在に」。さらに、定番の『オリジナル・グレーズド(R)』にミートソースなどを挟み“甘い×しょっぱい”のおかずドーナツも新展開。
「クリスピー・クリーム・ドーナツ」東京国際フォーラム店●東京都千代田区丸の内3-5-1 Bブロック1F TEL03-6551-2380 無休
「ドーナツ探求家」溝呂木一美さん●イラストレーター、デザイナー、手芸愛好家。年間500種類以上のドーナツを食べ、ブログなどで発信。近著に『ドーナツのしあわせ年間500種類食べる“ドーナツ探求家”の偏愛ノート』(イースト・プレス)