藤澤ノリマサ(撮影/吉岡竜紀)

「“いい声だな、長く歌っていける歌手になれよ”と言われたことは僕の宝物です」 

 そう語るのは歌手の藤澤ノリマサ(39)。

加山雄三との思い出、記念アルバムに込めた想い

 宝物の贈り主は、加山雄三(85)。所属するレコード会社のレーベルが同じで、イベントや加山の番組でたびたび共演した。

「以前、リハーサルで“もうちょっと滑らかに歌ってみたら”とアドバイスをされて歌った本番後に“100倍よかったよ”と声をかけてもらいました。加山さんの前で加山さんの曲で大好きな『海 その愛』をピアノの弾き語りで歌わせてもらったときには“ブラボー”と言っていただけてうれしかったです」

 加山は、年内でコンサート活動を引退するが音楽制作は続ける。

「一緒に曲作りをしてみたいという夢はあります」

 大先輩の芸歴60年には及ばないもののデビュー15周年を迎える藤澤。記念アルバム『Changing Point』を11月23日にリリースする。

「コロナもあって時代の大きな変わり目を迎えるなかで自分自身の変化点を見つけることで景色が変わっていく。新しく生まれ変わっていく藤澤ノリマサという思いも込めてタイトルにしました」

 アルバムタイトル曲をはじめ収録した全14曲は、プロデュースの松井五郎が作詞し、作曲を自身が手がけた。松井とのタッグは、前作のアルバム『La Luce-ラ・ルーチェ-』に続いて2度目だ。

「ポップスとオペラの歌唱法を融合させたポップオペラを封印して2年、純粋なポップスアルバム第2弾になります。パワフルなポップスからバラード、スイングジャズなど飽きさせない構成になっています。新しいチャレンジができて、ソングライターとして手ごたえを感じています」

 初めてオリジナルのクリスマスソング『Christmas Wishes』が収録されているが、クリスマスの思い出は?

「デビュー2年目ぐらいのときにソロコンサートをパルコ劇場で6日間連続公演しました。イブもクリスマスもステージで、終演後にコンビニで売れ残ったケーキを買って帰ってひとりで食べたことかな。

 小学校低学年のときには、朝起きると枕元にオルゴールがあって母はサンタさんからのプレゼントだよ、と。でも正月に叔母が来て、そのオルゴールは“私があげたやつ”と。ショックな思い出です(笑)」

 15年の節目を迎え、進化を求めていく。

「ゴールはないと思っています。ゴールにたどり着くと進化はないと思うから。いつまでも進化していきたいです。

 この前デビューシングルを久しぶりに聴いてみたら声が全然違いました。音域は変わっていないけど声質が重たくなった感じで変わっていた。この15年で声も進化していると実感できました」

藤澤ノリマサ(撮影/吉岡竜紀)

 来年は40代に突入するが願望がある。

「40代に限らず、きれいな年の取り方をしたいです。

 大好きな歌手のプラシド・ドミンゴ(81)は70歳を過ぎてもパフォーマンスが素晴らしい。96歳のトニー・ベネットはジェントルマンで衰えを知らない。インタビューで“年を取るごとに声が出る”とおっしゃっていた。日本では加山さんです。

 トニーはセリーヌ・ディオンやレディー・ガガとデュエットをしている。70代、80代になったときにいろんなジャンルで活躍している方とデュエットアルバムを作れるようになりたいです。

 そのためには知名度をもっと上げていく必要があると思っています。40代で自分の代表曲を生み出して、エンターテインメントの世界で自分を磨いていきたいと思います」

音楽が恋人……だって

 1年半ぶりに『週刊女性』に登場。前回“結婚より前に恋がしたい”と話していたが身辺に変化は?

「そんなことを言っていましたか……。僕は寂しがり屋でひとりが好き。今は音楽が恋人かな。でもドキドキして、恋愛をしないと音楽に生きてこないとは思っています」

ニューアルバム『ChangingPoint』(通常盤/3520円税込み/11月23日発売)※記事の中の写真をクリックするとアマゾンの紹介ページにジャンプします

ニューアルバム『Changing Point』(通常盤/3520円税込み/11月23日発売)

藤澤ノリマサ コンサート~My Style2022~/11月23日(祝・水)東京・大手町三井ホール
GORO MATSUI SONGBOOKS 14th Christmas Special/12月24日(土)東京・ヤマハホール

ヘアメイク/長島あずさ
スタイリスト/一場遥