本田圭佑

 日本代表の冒険は、過去4回の優勝を誇る強豪国・ドイツを下す“ドーハの歓喜”から始まった。

 日本時間11月23日に迎えたサッカーW杯カタール大会のグループリーグ初戦。“サムライブルー”の戦士たちは前半にペネルティーキックでドイツに先制されたものの、後半になって森保(もりやす)一(はじめ)監督の采配がズバリ的中。攻撃陣が躍動し、2点を奪って、勝ち点3を掴み取った。

 12月2日のグループリーグ最終戦で“無敵艦隊”の異名を持つスペインとの大一番が待っている。勢いをつけてグループリーグを突破するための重要な一戦となるが、日本代表の快進撃の裏で、注目を集めている男がいた。

《本田の解説》がトレンド入り

「W杯の全試合生中継を行なっているインターネットテレビの『ABEMA』での、本田圭佑(けいすけ)選手の解説が話題です。日本の攻撃を阻む選手を名指しで“ウザい”と言ったり、ボール争いの際に後傾姿勢で走る相手選手について“今のは絶対、性格悪い、バカにした走り方”と発言するなど“本田節”が炸裂。ツイッターでは《本田の解説》がトレンド入りしました」(スポーツ紙記者)

 森保ジャパンにいる本田の“親友”もまた、注目を浴びている。

日本の得点に喜ぶ長友ら代表のメンバー(長友インスタグラムより)

「ともにイタリアのリーグでプレーした長友(ながとも)佑都(ゆうと)選手です。今大会で4度目のW杯。献身的なプレーもさることながら、初戦後のテンションが1人だけ異常に高くて話題になりました。“みんなブラボー!”“ありがとう、ヨッシャー!”と大興奮で叫んでいたのです。'18年のロシア大会では髪を金色に染め、今大会では赤色に。いろんな意味で“話題になる男”ですね(笑)」(同・スポーツ紙記者)

 そんな長友を中学校時代に指導した恩師の井上博さんは、彼の人柄をこう語る。

「明るく場を盛り上げる力があって、人の懐に入るのがうまい。今のキャラクターそのままです。サッカーの実力を別としても、チームの中心にいる太陽みたいな子でした。僕の息子が病気になったとき“先生の息子さんのために頑張ってあげるけん”と言ってくれた。髪を染めたりするのも“批判の声もいい声も、全部自分が受け止める”という覚悟でやっているのかなと」

 日本代表での長友は、後輩の面倒見がいいことでも有名。

「“自分が中村俊輔選手に飛び込んでいったみたいに、今度は自分が後輩にいろんなことを伝えたい”ということは常日ごろから言っています。だいたい試合の前後に連絡を取るのですが、今回のW杯でも“日本代表は僕が背中で引っ張る”と言っていましたよ」(同・井上さん)

 頼もしい背中だが、本田からはこんな愛のある“イジり”も受けていた。

これでスプリント能力鍛えてたんちゃうかな

「本田選手がさまざまな質問に答える『ABEMA』の番組があるのですが、その中で《ゴール後、長友選手からの祝福をどう思う?》という質問がありました。長友選手はチームメイトが得点を決めた際に真っ先に駆け寄ることで有名で、本田選手は“これでスプリント能力鍛えてたんちゃうかな”“佑都が点とったんちゃうか、みたいな”とイジりを連発(笑)。これも彼なりの激励なのでしょう」(前出・スポーツ紙記者)

長友に向けて愛情たっぷりのイジりを連発する本田(AMEBAより)

 確かに長友は、今回のドイツ戦で日本代表の堂安(どうあん)律(りつ)選手が記念すべき初得点を挙げた際も、すぐに駆け寄って“特等席”ゲット。その姿がカメラにキャッチされている。

 ただ、長友がすぐ祝福に向かったのも当然。この2人は“師弟関係”にあるという。

「日本代表では、長友さんがコンディション調整などについて若手に有益なアドバイスを送っていて、通称“長友塾”と呼ばれています。堂安選手はこの“塾生”で、'19年のアジア杯では試合前日に長友選手に“ゴール宣言”をして、有言実行の得点を決めて話題になりました」(同・スポーツ紙記者)

“師匠”のもとで活躍を見せている堂安には、本田とのこんなエピソードが。

本田のツイートに噛みついた!?

「今年6月、日本代表がチュニジアに0-3で敗れた際、本田選手は《なあ。サッカーやるなら上目指せよ》とツイート。すると、代表メンバーである堂安選手が《日本代表のことでしょうか?》とすぐさま反応しました。結論として、本田選手の投稿は、彼が監督を務めるカンボジア代表についてのことでしたが、やりとりの最後に堂安選手は《W杯優勝の夢は変わりません。11月楽しみにしていてください》と先輩に宣言。サッカーファンの間では“堂安が本田に噛みついた!”と大きな話題になりました」(同・スポーツ紙記者)

日本代表の大先輩に当たる本田に臆することなく質問を書き込んだ堂安(Twitterより)

 相手が本田でも臆することなく意見をぶつける堂安。幼稚園から小学校4年生まで、彼を指導した『浦風FC』の田村将行さんは、幼少期をこう語る。

「性格は、とにかく負けず嫌い。実力があったから2つ上の学年に混ぜて練習させていましたが、普通なら気後れしてしまうところを、年上相手にいっさい遜色なくプレーしていました」

 世界を相手に1得点目を決めた際は喜びもひとしお。

「飛び上がって、涙が出ましたよ。ケガには気をつけてほしいけど、また点を決めて、日本代表を今までにないところにまで連れて行ってほしいなと思います」(同・田村さん)

 小学4年生から西宮サッカースクールで指導にあたり、今でも親交が深い早野陽さんは、初戦を終えた後、すぐに連絡を交わしていた。

ドイツ戦でゴールを決めた堂安(本人インスタグラムより)

「ドイツ戦が終わった後に“俺がまたやるから見といて”みたいな言葉をもらいました。ここ一番で結果を出す男なので、W杯でも点を取ってくれると思っていました」

友人の誕生日にヴィトンのバッグ贈る堂安

 サッカー以外にも、多趣味な一面があるという。

「野球好きで、尼崎出身なのにめちゃくちゃ巨人ファン(笑)。今でも、巨人戦はだいたい見てるんじゃないかな。スポーツ全般が好きで、お笑いも好き。いろいろなことに興味があるけど、高級なものをいっぱい買おうとか、そういった物欲はない。でも、人には買ってあげようと思うヤツなんですよ。僕がオランダで誕生日を迎えたとき、ヴィトンのバッグとブランドものの靴を買ってくれました」(早野さん、以下同)

 教え子の原動力については、こう語る。

「お父さんとお母さんにすごく感謝していて、そこが一番大きいところじゃないですかね。彼が活躍してくれて、僕もめちゃくちゃ幸せです。日本のゴール1発目には、感極まりました」

 世界最高の舞台で躍動する青き侍たち。ピッチ内外の立役者が、まだ見ぬ先へと連れて行ってくれるはず!

 
長友に向けて愛情たっぷりのイジりを連発する本田(AMEBAより)

 

本田圭佑

 

本田圭佑

 

本田圭佑('17年)