NHK副会長の正籬聡氏。息子も局員なのだが…

 公共放送NHKのトップに立つ会長は何かと注目の的だが、現在の副会長・正籬(まさがき)聡氏も就任時に大きな話題となった。

「報道局や広報局で勤務した生粋のテレビマンで、2020年に副会長に就任。当時は59歳で、理事の中では最年少でした。異例の抜擢ですね」(テレビ誌ライター)

 父の背中を追って、息子もNHKに入局。

年は20代半ば。現在は東北地方の放送局に勤務しており、ディレクターとしてドラマの演出などを担当しています」(NHK関係者)

 親子2代でNHKを支えているわけだが、この息子には別の顔がある。

「実は、小説を書くのが学生時代からの趣味。現在も副業でライトノベルを書いているんです。NHKの規定では職員の副業を原則禁止しているんですけどね……。副会長の息子ということもあり、基本的に周囲は黙認。直属の上司もどう対応するべきなのか困っているといいます」(同・NHK関係者)

 趣味で小説を書いているくらいなら問題はなさそうだが、なかなかの人気作家らしい。

現在は『逆井卓馬』というペンネームで活動していて、本を7冊出しています。11月にも星海社から『七日の夜を抜け出して』を刊行したばかり。KADOKAWAから出している『豚のレバーは加熱しろ』というシリーズは人気で、アニメ化も決まりました」(出版関係者)

“特例”で副業の許可が降りているのか

 これだけの活動は、規定にも抵触しているはずだという。

「NHKの定める副業というのは“報酬の有無を問わず、営利を目的とする事業または事務に携わる場合”です。これは息子さんの活動に該当していますね。規定では原則禁止ですが、条件を満たせば上長に申請して副業ができることになっています。ただ、普通なら申請してもOKは出ないはずですよ。“私企業その他団体から報酬を受け取る場合”は原則許可しないという文言があるんです。“特例”で許可が出ているのであれば、その理由が気になります……」(前出・NHK関係者)

 本人としては好きで書いているだけで、趣味の範囲内だと思っているのだろうか。

“逆井卓馬”こと正籬聡氏の息子のアカウント(公式ツイッターより)

「自分のことを“兼業作家”と言っていましたし、作家としての自覚はあると思いますよ。2020年2月には《100万部くらい売れて貯金できないかなあ……》なんてSNSに投稿していましたから(笑)。印税をもらわず無償で執筆活動をしているということは、さすがにないでしょう」(同・NHK関係者)

“逆井氏”の副業にNHKの見解は

 逆井氏に話を聞こうとメールを送ると、「東京の広報を通してください」という短い返答が。改めてNHK広報に彼の副業について問い合わせると、

「職員個人のことについては回答を差し控えますが、内規に従って適切に対応しています」

 という回答だった。

 本を出版しているKADOKAWAにも話を聞いたが、

「著者さまの個人情報にも関わることですので、ご回答しかねます」

 と明言を避けるのだった。

 NHKとラノベ作家、どっちが“副業”!?

 
“逆井卓馬”こと正籬聡氏の息子のアカウント(公式ツイッターより)

 

7冊の本を刊行し、アニメ化も決定した(“逆井卓馬”公式ツイッターより)

 

NHKの外観

 

NHK受信料に関してのアンケート