昨年に続き今年の冬も、12月3日(土)&12月4日(日)に「私のカントリーフェスタ2022 クリスマスin横浜」開催します!
みなさんは、カントリードールをご存知ですか? カントリーという響きから、素朴な手作り人形という印象を抱かれるかもしれませんね。実は、そのイメージが正解です。
知られざるカントリードールの世界
そもそもカントリードールという呼び方は、日本だけ。本場・アメリカでは、 「ラグドール」や「プリミティブドール」などと呼ばれています。
欧米でカントリードールを探すときは、「カントリードールがほしい」ではなく「ラグドール/プリミティブドールがほしい」と伝えたほうがいいですね。
カントリードールには、いわゆる決まりごとはありません。大きさも、性別も、人種も、年齢も、さらには材料も。たとえば髪の毛も、布製だったり毛糸だったり麻ひもだったり。作り手が手近にある素材を趣向を凝らして製作すれば、それはもうカントリードールなのです。
カントリードールの歴史
カントリードールは、アメリカの西部開拓時代に、古くなった洋服を使って、母親が子どもに作ってあげたものが始まりと言われています。あの往年の人気テレビ番組「大草原の小さな家」でもたびたび登場していましたね。
アメリカに渡ってきた開拓民たちは、ヨーロッパでは陶器の人形が一般的でした。でも新天地ではそれは贅沢品。
明日をも知れる物不足のなか、母親たちは我が子のために、工夫を凝らして、人形を作ったのです。人形は、ただの遊び道具ではありません。
乳幼児期には、やわらかい素材をつかんだり触ることで、五感が鍛えられます。投げるという動作を覚えることもできます。
育つにつれて、人形は遊び友達になったり家族になったりと役割が与えられます。この「遊び」によって、子どもたちの感受性が磨かれると言われています。
人形は、子どもたちに必要でした。だからこそ、物資が圧倒的に足りない環境にありながら、親は端切れや着古した洋服を素材に、ボタンを目にしたりして、人形を作り上げたのです。こうして生まれた、素朴でありながら、愛情が込められた人形が、カントリードールです。
日本のカントリードール
日本にも早くからカントリードールは「入国」していたと言われています。
そもそも日本でも、こけしや木彫人形など、人形はつくられていました。あるいは折り紙で作ったり、石に顔を描いたり。昔の日本人も、工夫を凝らして、貧しい暮らしのなかで人形が作られていたのです。
欧米のプリミティブドール/ラグドールが、日本ではカントリードールと呼ばれるようになったのは、カントリーインテリアが日本に普及したのと同時期だからかもしれません。
カントリーインテリアとは、自然素材を取り入れ、古いものを慈しむ暮らしです。日本には、1991年に『私のカントリー』という雑誌が登場し、一気に大ブームとなりました。
「大草原の小さな家」や「赤毛のアン」の住まいが、カントリーインテリアの典型と言われます。最近では、ターシャ・テューダーの暮らしも新しいアイコンとして知られています。
一番有名なカントリードール、アンとアンディ
日本で最初に知られるようになったカントリードールは、「アンとアンディ」です。絵本作家であるジョニー・グルエルの絵本シリーズに登場するキャラクターで、毛糸の赤毛と赤い三角の鼻が特徴。
この「アンとアンディ」は、原作者が屋根裏部屋で自分の母親の布人形を見つけ、消えかけた顔に書き入れ、ハート型のキャンディを心臓として縫い込み、娘のマルセラにプレゼントすることから、物語が始まります。
その人形は、「ラガディアン」と名付けられます。ラガディとはボロボロの、とか朽ち果てたという意味。つまりラガディアンとは、「ボロ布のアン」という意味です。
病弱なマルセラにとって、ラガディアンは大切な友達でした。原作者のグルエルは、娘のために、ラガディアンが活躍する物語を聞かせてあげます。その物語がのちに、絵本となったのです。
マルセラは13歳で亡くなったそうです。娘の死後、グルエルは悲しみのなか、絵本「ラガディ・アン・ストーリーズ」を生み出します。この絵本は大ブームとなり、世界じゅうでラガディアンは愛されるようになりました。
愛情を込めて現代の日本で生み出されるカントリードール
日本で「アンとアンディ」が愛され、インテリアのなかでちょこんと飾られたり、コレクションされたり……。その一方で、ハンドメイドファンが手作りでドールを作るようになりました。そもそもカントリードールとは手作りされるものですから、当然です。
現在、日本には数々の有名なカントリードールの作家さんがいます。
ここで最初にご紹介するのは、ドール作家・毛塚千代さん。(https://comehome-web.jp/goods_furniture/57665/)
団地で暮らしながらカントリーインテリアをつくり上げ、そしてドール作家となりました。日本のカントリーインテリアのカリスマと言えるでしょう。
もうひとり、ご紹介しましょう。
田畑聖子さんです。(https://comehome-web.jp/goods_furniture/57101/)
毛塚千代さんの影響を受けてドールを作り出したという田畑さん。アメリカの「ラガディ・アン&アンディ」の公式ブックのお手伝いを頼まれるほどの第一人者です。
お孫さんの誕生とともに、オリジナルのドールを作るようになり、人気作家となったのです。
カントリードールとの出会い方
カントリードールは基本的に手作り。当然、人気作家さんであればあるほど、手に入れる方法は限られます。そもそもドールは一体一体、表情が違います。じっくり見て選びたいもの。
ですから、カントリードールは、通販ではなく、実際に表情を見てから買ってほしい。となると、出会うには、販売されている場所に行くのがベストです。
そしておすすめなのが、百貨店の催事とイベントです。
どちらも、作家さんのInstagramやホームページをこまめにチェックしていれば、時期や場所を知ることができます。直近でカントリードールと運命の出会いを果たしたいと思っていらっしゃるなら。今週末の12月3日(土)と4日(日)に、「私のカントリーフェスタ2022 クリスマスin横浜」が開催されます。
『私のカントリーフェスタ2022 クリスマスin横浜』
12月3日(土)10:00~17:00
12月4日(日)10:00~16:00
会場:横浜産貿ホール1Fマリネリア(神奈川県横浜市中区山下町2)
公式HP:https://comehome-web.jp/special_cat/countryfesta/
主催:私のカントリー編集部
こちらには、人気ドール作家の毛塚千代さんと田畑聖子さんが参加。ドールだけでなくお二人に会うこともできます。
また、アンとアンディのモチーフの雑貨やドールも販売予定。
トークショーではログハウスでの暮らし、カントリーの聖地であるイギリス・コッツウォルズの魅力などを語っていただきます。さらに閉会直前には、来場のみなさまにクリスマスプレゼント大放出の抽選会を決行!
カントリードールに興味を持たれた方、この週末、新しい世界の扉を開けてみてください!
写真(一部)/飯貝拓司