先月下旬、AKB48グループの「恋愛禁止」ルールをめぐる騒ぎが勃発した。発端は、11月19日にニュースサイト「文春オンライン」記事で、AKBの中心メンバー・岡田奈々と俳優・猪野広樹の交際が報じられたこと。ネット上のファンを中心に騒動が大きくなり、岡田は同月23日付のツイッターで「AKB48を卒業します」と発表した。
しかし、熱愛が発覚したAKBメンバーは過去にも複数いて、ファンはその都度ザワついていたが、大々的にニュース化されたケースは少ない。
騒動を大きくした原因は総監督?
「岡田さんはこれまで『風紀委員』を名乗るなど“優等生キャラ”でやっていた分、スキャンダルはファンにとって裏切りとなり、炎上した……という面もあるのですが、そうは言っても、やはり本来はファンが大騒ぎするレベルで済んだ話です」(アイドル誌ライター)
ところが今回、岡田の件は芸能ニュースの大きなトピックとして扱われ、彼女の動向に業界内外の視線が集まった。最終的に、本人は卒業を発表。この展開に、元運営関係者は、
「初動にさまざまな問題があって大騒動になってしまった。関係者間でもう少し意思疎通できていれば、ここまでの騒ぎにはなっていなかったかもしれない」
と、ため息。その“初動ミス”を犯してしまった人物というのは、AKB48グループ総監督・向井地美音である。
向井地は先月20日、ツイッターで《アイドルとして皆さんから頂いた愛や信用を裏切ることが起きてしまい、本当に申し訳ありませんでした》といった文章を公開。「文春」報道の翌日とあって、タイミング的に、岡田のスキャンダルを謝罪したものとみられた。
同文章の中で、向井地は《今まで曖昧になっていた『恋愛禁止』というルールについて改めて考え直す時代が来たのだと思います。運営と相談し、どのような形であれ必ず結論を報告させて頂きます》とも表明したが……。
「向井地さんの言う通り、AKBの『恋愛禁止』ルールはどちらかといえば“暗黙の了解”に近いもので、厳密に定められている規則ではありませんでした。とはいえ、ファンや一般にも“AKB=恋愛NG”と認識されているところがあり、メンバーの熱愛が報じられるたびに批判が出てしまっていた状況。
当然、岡田さんにもネガティブな声が寄せられていたので、向井地さんは総監督として、同ルールについてハッキリさせる必要もあると考えたのでしょう。ただ、結果的には騒ぎを大きくする“戦犯”となってしまいました」(スポーツ紙記者)
実際、向井地のツイートは“AKB48グループ総監督が「恋愛禁止」ルールに言及”というふうに注目された。今まで、現役メンバーが同ルールに深く斬り込むことはなかっただけに、インパクトが大きかったのだ。しかし、向井地の強いメッセージが取り上げられることに伴い、発端となった岡田の報道も拡散され、大騒動に発展してしまった。
先の元運営関係者によると、「そもそもAKB48グループは、スキャンダル報道があると表向きにはスルー対応で、内々に問題を解決する傾向が強い」という。
岡田の火種に油を注いだ向井地美音
「そんな運営と連携がとれていれば、わざわざ注目を集めるようなことはしなかったはず。つまり、向井地さんは運営サイドの許可なく、反射的にツイートしてしまったんです。普段は『文春』報道に触れないことも多いスポーツ紙なども、彼女のツイートを拾う形で、岡田さんの件を取り上げるように。それで運営に注意されたのか、向井地さんは翌日、ややトーンダウンして再ツイートしました」(テレビ局関係者)
向井地は11月21日付の投稿で、
《改めて運営に確認を取ったところ『AKB48グループに恋愛禁止のルールはなく、メンバーそれぞれが自覚を持って活動することで成り立っている』とのことでした。ですが世間ではAKB48=恋愛禁止という認識が強いため、まずはそのギャップを正した上で、今後そのルールをどうしていくか考えるべきだと伝えたかったのですが、恋愛を解禁すると受け取られるような発言をしてしまい、申し訳ございません》
と謝罪。以降、この件についてはツイートしていない。
向井地に悪気がなかったことは明白で、グループの将来を思っての行動だったこともわかる。それに間違いなく“火種”は岡田だったが、残念ながら、向井地はその火に油を注ぐ行動をしてしまったのだ。
「自身のスキャンダルがAKB全体の騒動にまで及び、責任を感じた岡田さんは、グループを離れざるを得なくなりました。卒業発表時の文章に『スタッフさんからは卒業の発表は無いと言われましたが』と書いていたことにも批判の声が多いけれど、本人としては『決してクビになったわけじゃない』『運営が悪いわけじゃない』と言いたかっただけでしょう。岡田さんも、向井地さんも、グループを守りたい気持ちが強かったはずなのに、どうも裏目に出てしまったようです」(同・前)
しかし、AKBはもう10年以上、いくつものスキャンダルを乗り越えて成長してきたグループでもある。かつてない危機的状況だが、メンバーと運営の一致団結で、この苦難を乗り越えられるか。