さわやかな秋晴れが広がる11月上旬の日曜日。秋篠宮ご一家は、4人そろって赤坂御用地内の旧青山御所庭園を散策された。色づいた木々を見上げながら秋篠宮さまがご家族に語りかけられると、紀子さまと2人のお子さま方は小刻みに頷かれる─。
「11月30日、秋篠宮さまの57歳のお誕生日に際して、ご一家の近影が公開されました。映像には音声がないものの、秋篠宮さまが、熱心にご家族に何かを説明していらっしゃるご様子が伝わります。連日のご公務がお忙しい、秋篠宮ご夫妻や佳子さまと、平日は通学されている悠仁さまのご都合を合わせるのは大変だったと思いますが、貴重なひと時になったことでしょう」(皇室担当記者)
両陛下の地方訪問と丸かぶり
皇位継承順位が1位の『皇嗣』である秋篠宮さまと2位の悠仁さまを擁する秋篠宮家。令和へのお代替わりに伴い、“次代の天皇家”として注目を集める一方で、長女の眞子さんの結婚騒動を機に、世間からは厳しい目が向けられている。
「“しわ寄せ”を受けているのがご長男です。2022年を振り返れば、年始の“お受験問題”を皮切りに、悠仁さまに関するマイナスな報道が相次ぎました」(皇室ジャーナリスト)
今年4月、東京都文京区にある筑波大学附属高校へ入学された悠仁さま。同校は、偏差値70を超える都内屈指の国立進学校で、皇位継承者が学習院以外の高校を選ばれるのは戦後初めてのことだった。
「お茶の水女子大学附属中学に通われていた悠仁さまは、お茶大と筑波大の間で結ばれた『提携校進学制度』を利用。中学の成績と学力検査の結果が考慮されて入学が決まる制度で、当初5年間限定で設けられたことから、悠仁さまのための“特別ルート”では、とも囁かれていました」(同・皇室ジャーナリスト)
高校生活が始まってからも、悠仁さまの近況が事あるごとに取り沙汰された。
「10月1日、悠仁さまは三重県の伊勢神宮を私的に参拝されました。単独でのお参りは初めてだったのですが、この日は天皇、皇后両陛下がちょうど地方訪問を再開されたタイミング。“日程をずらす配慮ができなかったのか”と、波紋を呼んだのです。ただ、悠仁さまご自身が日程を決められたとは思えず、お気の毒でした」(宮内庁OB)
思春期真っただ中の青年にとっては、非常にナーバスな噂が立ったことも。
「10月に行われた前期期末考査で、悠仁さまの現代国語の点数が“かなり低かった”と一部で報じられたんです。実際のところ、現国はテストがなかったといい、同級生からは“誤報だ”と憤りの声が上がっていましたよ」(筑附関係者)
秋篠宮さまのご回答に違和感
“将来の天皇”というお立場にある悠仁さまの高校生活は国民には想像しがたく、関心が寄せられるのも無理はない。今年の秋篠宮さまの誕生日会見でも、記者から「悠仁さまの高校生活や皇位継承者としての教育方針」について質問が寄せられた。
「授業や部活ですね。忙しくも充実した日々を送っているように見受けられます」
秋篠宮さまは、悠仁さまの近況を振り返りつつ、「その次のことにつきましては」と言葉を紡がれた。
「日本は本当に各地にさまざまな文化があります。そういうものを若いうちに実際にその場所を訪ねて、そこでそういうものにじかに触れるということは、将来的にも非常に大事なことなのではないかなと思っております。(中略)書籍などを通じて、さまざまなことを、中でも日本の歴史などについては知っておいてほしい」
上皇さま(当時皇太子)は1976年、「浩宮さま(現・天皇陛下)にどういう帝王学をお考えですか」と問われた際に、「天皇に関する歴史は学校などでは学べないものです。それをこちらでやっていくことはしたい」と述べられたことがある。
一方、秋篠宮さまは、'14年の誕生日会見で「天皇の在り方についてと、悠仁さまにどのように伝えていくか」という問いに「私自身がその立場ではありません」と、コメントされた。
國學院大學で講師を務める天皇・皇室研究者の高森明勅さんは、今回の秋篠宮さまのご回答に「皇位継承者」という表現が含まれなかったことに注目する。
「“天皇”や“皇位継承”という言葉を使用せず、あえてあいまいな表現にとどめられた点に、悠仁さまのご即位が既定路線となることへの心理的な躊躇いをお見受けしました。
殿下は、宮内庁職員の名称や仕事面で男女の区別を撤廃されるなど“ジェンダー平等”を大切にしておられます。現在の皇室典範は皇位継承者を男系男子に限定していますが、多少なりとも違和感をお持ちなのかもしれません」
悠仁さまへの“帝王教育”がベールに包まれていることを、不安視する声も。
「かねて秋篠宮さまは、悠仁さまの教育に対して、“眞子さんや佳子さまと同様に接する”というお考えでした。とはいっても、再来年に18歳で成人される悠仁さまの役割は、次第に大きくなる。興味のあることだけでなく、歴代天皇の事績なども学ばれるべきです」(前出・宮内庁OB)
秋篠宮家の最重要課題とは
天皇や皇太子ではなく、宮家の長男にあたる悠仁さまを取り巻く環境の整備は、そう容易くないようだ。
「今年の秋篠宮さまの誕生日会見では、眞子さんや佳子さまとの親子関係が順調とは言い難い状況であることもうかがえました。皇位継承候補者である悠仁さまが、家庭内の不和に巻き込まれてしまうのは、望ましくないと思います」(前出・高森さん)
前述した今年の秋篠宮さまの誕生日会見では、眞子さんや佳子さまの話題についても触れられた。ニューヨークで暮らす眞子さんについては、
「本人が近況などについての自分のことについては話をするのは控えてほしいということを申しているようですので、私もここではお話を控える」
と一蹴されたのだが……。
「“申しているようですので”と、伝聞の言い回しで回答されたことに驚きました。誕生日会見は、年に1度の貴重な場。事前に記者から質問が提出されているにもかかわらず、眞子さんと連絡を取られることもままならなかったということでしょうか」(前出・皇室担当記者)
佳子さまとの距離感が露呈する場面もあった。秋篠宮さまが、公務で手話を披露する機会があったことを受け、手話がお上手な佳子さまからアドバイスを受けたかどうかという“アドリブ”質問が飛んだ際、「特になかった」と、淡泊にお答えになったのだ。
「秋篠宮ご一家にとっての最重要課題は、家庭内の和解を済ませていただくことだと思います。“ご両親対お姉さま方”という対立構造の中で、悠仁さまが多感な時期を過ごされるのは、健全とはいえません」(前出・高森さん)
悠仁さまのお立場を揺さぶる“すきま風”は、いつ吹きやむのだろうか─。
高森明勅 國學院大學講師。神道学や日本古代史を専攻し、『天皇「生前退位」の真実』『「女性天皇」の成立』(ともに幻冬舎新書)など著書多数