日本時間の12月6日、「FIFAワールドカップカタール2022」のグループリーグを首位突破した日本代表は、悲願のベスト8入りをかけて臨んだクロアチア戦でPK戦の末に敗退した。サムライブルーの健闘を称えるサポーターが多いなか、勝敗を分けた“日本のPK”に対してさまざまな感想がSNSを通じて寄せられている。
そもそもPK(ペナルティーキック)戦とは、延長戦でも点差で決着がつかなかった場合に勝敗を決める方法。両チームの選手5人が交互にペナルティーキックと同じ位置からシュートを放ち、ゴールキーパー(GK)との対決をするわけだが、そのルール上、圧倒的にキッカーの方が有利と言われている。しかしGKが阻止したり、キッカーが枠内から外す可能性もあるので、PK戦に関しては“運の要素”も強い。
“素人目線”から寄せられるさまざまな意見
日本代表はPK戦で敗退したものの、サッカーファンから「仕方ない」「相手のGKが上手かった」といった声が続出。しかしそんな中、インフルエンサーとして有名な男女7人組YouTubeグループ『フォーエイト48』(登録者数199万人)のこたつは試合直後にTwitterで、
《正直、浅野選手以外 PKに覇気が感じれなかった 素晴らしい試合をしてくれたけど、最後はどうせやったら 思いっきり蹴って負けてほしかった》
と、日本代表のPKに対して不満をもらしていた。
同ツイートは多くのサッカーファンから反感を買ったようで、炎上に発展。たとえば
「全力で挑んだ日本代表に対して酷すぎる発言。影響力があるインフルエンサーなんだから、もっと言葉に気をつけて発信するべき」
「確かにPKを止められて負けちゃったけど、その発言は絶対にダメでしょ。延長戦もやったうえで、大舞台でのPKなんだから素人がとやかく言わないでほしい」
「なんで素直に認めてあげられないの? 彼らなりに一生懸命にやってる姿勢が十分に伝わったと思うけど…」
といった批判が殺到。こたつは事態を重く捉えたのか、同投稿はすぐに削除されたようだ。
とは言ってもこたつのように“PK批判”をする人も多く、
「PKが下手すぎて、めちゃくちゃガッカリした」
「『絶対に勝つ!』という気合いがまるで感じられなかったし、蹴ったコースの全てが甘すぎた」
「PKの練習をまったくしてこなかったことが露呈。運ゲーだったとしても下手すぎた印象でした」
などのコメントも目立っており、あくまで“素人目線”ではあるが、さまざまな意見が寄せられている。しかし世界の大舞台でのPKは相当なプレッシャーがかかるようで、現役サッカー選手からもPKに対する“擁護発言”が寄せられていた。
武藤嘉紀、丸山桂里奈は擁護
元日本代表の武藤嘉紀選手(ヴィッセル神戸)は自身のTwitterで
《このプレッシャーの中、PKを蹴る勇気がすごいのよ。。。誰も悪くない! 本当にお疲れ様でした!》
と発言。さらに元サッカー女子日本代表であり、2016年に現役を引退した丸山桂里奈も
《PKは仕方ない。運だもん。魔物が味方しなかったね》
とクロアチア戦後にツイート。丸山は2011年に開催された「FIFA女子ワールドカップ ドイツ2011」で優勝した“なでしこジャパン”のメンバーとして有名だが、対アメリカの決勝戦でPK戦の末に勝利しているため、大舞台の雰囲気を知っている彼女の発言はとても説得力がある。
様々な意見が寄せられているが、少なくともPKを4本中3本も阻止されていることを考えれば課題点の1つと捉えるべきなのかもしれない。スポーツ報知によると、同チームの監督である森保一は試合後のインタビューで、
《運だと思います。というのと、訓練と両方あると思います》
《ボールを強く、狙ったところに決めていくことにおいては、日本と欧州であったり、世界のトップを走るチームと差があるなと感じてきていました》
《もっと強く狙ったところに蹴れるから、駆け引きができる。今後日本サッカーのポイントとしていかなければいけない》
とPK戦を振り返っていた。
ドイツとスペインという強豪国に勝利し、日本中を歓喜の渦に巻き込んだサムライブルー。次回大会には“悲願のベスト8入り”を果たせるのだろうか。